今年は大統領選挙イヤー! トランプの真のライバルは誰?

個人的には東京オリンピックよりもこちらのほうが断然気になります。大統領選挙の投票日は11月3日。民主党の大統領選指名争いはもう始まっています。誰がアメリカの新大統領になるか、みなさんも予想してみませんか?

トランプから大統領の座を奪おうと名乗りを上げた民主党候補の中で現在トップを走っているのは、オバマ大統領のときに副大統領を務めた77歳のジョー・バイデン。ほかの主要な候補者は、

・エリザベス・ウォーレン(70歳。貧富の格差とキャピタリズムを批判し中間層の支持を集める左派の女性候補)

・バーニー・サンダース(78歳。富裕層の税率を大幅に上げることを提唱している左派候補)

・ピート・ブーテジェッジ(37歳。中道穏健派。若くして政治経験も軍人としての経験もある)(後日注:Peter Buttigiegの苗字の読み方は、日本では「ブティジェッジ」に表記が統一されたようです。)

さらに、

・マイケル・ブルームバーグ(77歳。大企業ブルームバーグの創業者で億万長者。頭脳明晰で経済の知識が豊富。中道派)

も立候補しています。

ジョー・バイデンがどうしてそんなに有力な候補とされているのか、エコノミストの記事を見てみましょう。

With Strong support from African-Americans, who like his loyalty to Barack Obama and don't love his rivals, he is also ahead in second-phase primary states such as Nevada and South Carolina.Yet in Iowa and New Hampshire he is now trailing Pete Buttigieg, Bernie Sanders and Elizabeth Warren. 
(バラク・オバマに忠実に仕えた人物であることに好感を持ち、他の対立候補が気に入らないアフリカ系アメリカ人から強力な支持を得て、ネバダ州やサウスカロライナ州など、2番目に早期に予備選挙が行われる州では支持率トップに立っている。ただし(最も早期に予備選挙が行われる)アイオワ州とニューハンプシャー州では、今のところピート・ブーテジェッジ、バーニー・サンダース、エリザベス・ウォーレンの各候補に後れを取っている。)
(エコノミスト 2019年12月7日号 Lexington: The stickiness of Joe Bidenより。以下引用元同じ)

アイオワ、ニューハンプシャー、ネバダ、サウスカロライナの4州は、早くも2月に大統領予備選挙が行われるアーリー・ステーツです。予備選挙で、民主党を代表して大統領候補になる人が一人に決まりますが、この4つの州を制した人が後の選挙戦でも有利になるので、落とせない州です。そして2020年3月3日は、多くの州で予備選挙が行われる「スーパーチューズデー」。同タイトルの映画がありますが、政治の勉強になるし面白い映画でしたよ。大統領選挙前に観ておくといいかも。

最有力候補とされているバイデン氏ですが、このような一面もあります。

(前略)-he appears to have little interest in most of the problems, such as slow wage growth, student debt and over-concentration of corporate power, that exercise his rivals.
(賃金上昇率の鈍化や学生に重くのしかかる奨学金、企業の権限が大きくなりすぎていることなど、他の候補者が取り組もうとしている問題について、ほとんど興味がないようだ。)

バイデン氏のアメリカ観は、年齢が年齢だけにややノスタルジック。1970~1990年代あたりの「古き良きアメリカ」をいまだに信じているようで、現在の貧富の格差問題や経済問題にはあまり関心がないようです。失言癖もあり。そんなバイデン氏の支持者は、やっぱり高齢者が中心です。

バイデン氏はオバマ前大統領の副大統領だったので、オバマ氏からの推薦や応援が得られれば最強ですが、これも微妙だそう。オバマ氏はひそかに、高齢で失言癖のあるバイデン氏よりも、他の候補がいいと思っているのかもしれません。

こうなってくると、打倒トランプにはいま一つ決め手に欠ける民主党候補。女性候補エリザベス・ウォーレンには期待したいけど、ちょっと左寄りすぎる気がするし、サンダースも社会主義的な政策を掲げているので、社会主義アレルギーのアメリカ人からどこまで支持を得られるか。中道派のブーテジェッジは若いし、ゲイをカミングアウトしたということでこれまでの大統領像とは違う画期的な面があり、大いに期待したいけど白人以外の支持がまだ全然得られていないとのこと。ブルームバーグは頭のいい人ですが、他の主要4人の候補と肩を並べられるかどうか、ちょっとまだわかりませんね。

しかし誰であってもトランプよりはまし(笑)。でもこのまま混戦模様では、現職のトランプに負けちゃうかもしれません。民主党候補にはなんとか頑張ってほしいものです。今後の動向に注目しましょう。

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