BLUE SKY構文
お笑い芸人ラランドによるヒス構文(被害妄想を膨らませ、ヒステリックな様を見せる構文)というものが、巷で流行っている。
今回、私が提唱するのは"BLUESKY構文"というものだ。
久しぶりに呑みに行った会社の上司から、切ない出張話を聞いた。
なんでも、移動費とホテル代がクライアント持ちの福岡2泊の出張案件を持ち、案件を終わらせさえすれば、残りの時間はどう過ごそうと自由との事だった。
上司はさっさとタスクを終わらし、残りは飲みなり何なりを満喫しよう思っていたようだった。
行く前から張り切ってSNSでおすすめの呑み屋を聞いていたりした。
こう意気込んでいたものの、現実は残酷だった。
現地での案件は、当たり前のように進捗が押してしまい、気づいた頃には福岡空港の搭乗ゲート前で帰りの飛行機を待っていたようだ。
彼がこれまで丹念に計画していた、中洲でのハシゴ酒、博多でのもつ鍋を嗜む予定は全て泡になって消えた。
そんな絶望の中、さらに空港の搭乗ゲート前という牢獄の様な空間で、彼は少しでも希望を見出そうとした。
最後の望みを託した先は、空港にある売店"BLUESKY"だった。
彼はこのBLUESKYで、福岡へ託した思いを全てぶつけたのだった。
一般のショップに比べて少ない陳列から、できる限りの福岡を接種するかの如く、ビールと地のものを購入。
彼の福岡の思い出は、帰りの飛行機で嗜んだアテとビールだった。
(*厳密に、そこは福岡ではない。)
この話を聞いた時、BLUESKYは人によっては切ない思い出の象徴なのかもしれないと思った。
「BLUE SKYでやっと〇〇」
これがBLUE SKY構文だ。
出張した人のエピソードで"BLUESKY"が出てきた時は、相手を労る準備をしておくといいかもしれない。