見出し画像

Flight schools in New Zealand 1

取得可能なライセンス

ニュージーランドのパイロットライセンスはCivil Aviation Authority of New Zealand(NZCAA) が管轄している。

国内のフライトスクールでは

1)、PPL, private pilot licence 自家用 

2)、CPL, commercial pilot licence 事業用

3)、 IFR,Instrument flight rule 計器飛行証明

4)、 ME,Multi Engine rating双発機

5)、Flight Instructor(C-CAT)教官

の免許が取得できる。

フライトスクールによっては、すべてのコースをパッケージにして売っている。1)~4)までの資格をパッケージにして、Professional Pilot Course とか、Integrated commercial pilot course とか呼んでいることがあるので注意が必要。必ず、学校のパンフレットを読むときに何の資格を取得するコースなのか、よく見るべき。

留学生も含めて、エアラインをターゲットにしている方は、1)から4)までの資格を取得することがほとんどであるが、必ずしも、そうである必要はない。コースとして売り出していないが、学校によっては、対応してくれるところもあるので相談すべきだ。例えば、計器飛行証明は必要ないとか、事業用は必要ないとか、特に、日本で就職を目指していてる場合は、NZ事業用は特に必要があるとは思えない。また、NZの計器飛行証明は1年の有効期限しかないので、計器飛行が必要な仕事を得る直前に、取得する人もいる。自分の持っているお金や、考え方で取得方法を考えて学校を選んだ方が良い。以前に私が働いていた学校IAANZでも、学生のニーズに合わせて調整したことがある。

現地の学生はStudent Loan(NZ永住権保持者、NZ国籍所持者のみに適応される)という国からの教育ローン全額借りてトレーニングする人がほとんどで、短期大学卒業資格(Diploma )として1~5をパッケージにして取得している。将来、永住権を取得したいとか言った時には、学業資格( Diploma, bachelor, Master)があると大きなポイントになりえる。もちろん、外国人がこの学業資格を取得しながら、パイロット免許を取得することは可能だが、各学校の入校条件や試験等があるので直に学校にコンタクトして要件を聞く必要がある。ほとんどは、Diploma(短大) までの取得だが、唯一Massey Uniはbachelor(大学卒)の資格までやっている。入校の条件は英語試験IELTSや面接を行う所もあり、それなりの準備をする必要があるので注意が必要だ。

ATPL(定期運送操縦士免許)はフライトスクールで取得するのは不可能。ATPLの飛行要件以上(1500時間)に実機、FFS若しくは実機での試験が必要とされ、使用される機材は、タービンエンジン双発、キャビン与圧のある飛行機だけになるので、実際にはエアラインに就職しない限り、取得は自費ではほぼ不可能だ。

外国ライセンス切り替え


海外からの書き換えは基本的に認められている。

詳しくは、Flight crew licence issue: General informationのところを参照してもらいたい。Short time validation の項ではないので注意してもらいたい。

オーストラリアからの書き換えは試験なしで認められており、その逆にNZのライセンスはオーストラリアのものに書き換えることもできる(TTMRA)。また、詳しくは(NZCAA rule part 61)

航空留学が可能なフライトスクール

ニュージーランド国内には、留学可能な学校は多くない。

NZ国内にはたくさんのフライトスクール、エアロクラブが存在するが、留学生を受け入れられるフライトスクールは限られている。

学生ビザを取得する際には、NZQA(ニュージーランド資格審査機関)が認定した学校でないと、学生ビザは発行されないからだ。NZQAで認可されている学校は、シラバス、学生進度、学校の運営状況も含めて厳しく審査されているので安心して留学できる。また、他国にはない、留学生の学費保護システムがあり、もし、途中で退学をした場合は、使用していない学費がすべて返還されるシステムになっている。現地に着いたら学校が倒産してしまって、返金されない!なんてことはないところがニュージーランドに航空留学するメリットの一つだと思う。また、ニュージーランド自体も留学ビジネスは国の大きな収入源になっている。次回からはNZQA認定校を紹介していきたいと思う。

ニュージーランド航空のパイロット指定養成校 ( FTO )

2020年現在、コロナウィルスが発生して航空業界に大打撃を加える以前は、ニュージーランドでもパイロット不足が深刻化し、国内最大大手のニュージーランド航空もそれを助ける意味合いで、Preferred Training Organization として国内の学校と提携を結び、そこの卒業生から優先的に雇用のチャンスを与えました。それらの学校はFTO Flight training partner と呼ばれ、国内で4校あります。これらの学校を卒業すると、教官職等で飛行時間を最低限500時間まで稼ぐと優先的に、ニュージーランド航空の面接に呼ばれます。FTO校のシラバスはニュージーランド航空のパイロットトレーニングシラバスを入れて行われています。

じゃあ、ニュージーランド航空に入社するにはFTOでなければいけないのか?という質問をよくもらうが、全くそんなことは関係ない。どこの学校でも構い。ただ、他の応募者と飛行時間を見比べられて、面接に呼ばれるかが決まるだけです。実際にはFTOとは関係ないCTCの教官や、海外で飛行時間を積み上げてきたパイロット達も沢山、ニュージーランド航空で働いているので安心してもらいたい。日本の自社養成とかそういうものとはまるきり性質の違うもだ。FTOを卒業したからと言って必ず、ニュージーランド航空のパイロットになれるとは限らない。ただ、実際には極低飛行時間で面接のチャンスが与えられているだけだ。

ニュージーランド ライセンス取得の落とし穴

ニュージーランドの免許取得するうえで知っておかなければいけないことは、とにかく沢山のテストがある!学科試験がたくさんあり、難しい。自家用で学科だけで6教科、事業用6教科、計器飛行3科目、すべて別々で試験があり、もし、同じ試験を三回フェイルしてしまうと、Cooling Off period が三か月あり、その間は試験を受けることができず、あっという間に訓練期間が延びてしまい計画通りに行かなくなるので落とさないように必死でやる必要がある。できれば入校する前にあらかじめ勉強して簡単な基本知識を入れてから渡航した方が安心だと思う。これは私の友人のASHが動画等を通して紹介していきたいと言っているので是非見てもらいたい。また、最近、サークルも開いたので、参加して、質問すれば教えてくれるだろう。彼のNOTEからぜひ参加してもらいたい。かれも、私と同じ教官をしていた経験があり、元エンジニア(なんと私と似た経歴!)でとても理論的で整理された知識を披露してくれるのだ。

学科教育は他国と比べて非常にしっかりとしており、パイロットのベースとなる知識をしっかりと得ることができる。私が知る限り、これ以上の学科教育をするところは知らない。

学科で使われる教材はここから手に入れることができる。かなり、ボリュームのある本だが、とても分かりやすく書かれており、変な計算式や、ややこし数式とか全く存在しない。

画像1

航空英語証明 Aviation English Proficiency Test

Aviation English proficiency 航空英語証明も自家用最初のファーストソロフライトまでに取得する必要がある。この航空英語証明も英語が苦手な人は苦戦する。いや、TOEICとかの英語のテストを、良い点数を取っていても取得がキツイ。これは完全に、話す能力、聞く能力を試されるので、日本にいる時から少しずづでも良いので英会話の準備するべきだ。

ある程度、コツがあるので、このサイトでも準備できるような何かを作っていきたいと思っている。最低限レベル4以上が必要。

ニュージーランドで取得した航空英語証明はそのまま、日本にも書き換えることができる。

山岳飛行

ニュージーランドのシラバスで特徴的なのが、山岳飛行。自家用の段階で行われる。ニュージーランド南島は山が多く、山岳飛行を余儀なくされることが多いのでこのようなシラバスがある。よく揺れるので怖がる人も多いが、飛行機から見る景色は絶景だ!ぜひ視程が90km以上の空の美しさを楽しんでもらいたい。

画像2


訓練期間

取得期間は、他の外国と比べると多少長い期間がかかります。事業用、双発計器飛行まで取得した際は最低でも14か月かかります。通常の日本人学生であれば16か月から18か月くらいかかるのが今まで私が見てきた平均でしょうか。留学する際は期間に余裕をもって計画する方がよい。

訓練費用相場とNZ為替

ニュージーランドドルは非常に為替の変動が大きく、うまくすると、とても安く訓練が受けられる。記憶にある限りだと、西暦2000年あたりでいニュージーランドドル50円くらいで一時期30円台まで落ち込んだことがあります。(600万円の訓練費用が400万くらいになる!)今回もコロナウィルスのためニュージーランドドルが下がっており、留学して準備するにはある意味チャンスかもしれないのです!上記1~4までの資格を取得すると大体、80,000NZドルから100,000NZドルくらいになります。

お勧めのフライトスクール??

私個人がお勧めするフライトスクールの探し方は、やっぱり、入校する前に現地へ行ってみるのをお勧めします。今の私が、もし、「この国で再度、飛行機の免許を取得しろ」と言われたら、まず学校に行って、話を聞きに行くでしょう。でも話を聞くのは、そこにいる学生、担当してくれそうな教官を探します。そう、学校選びは信頼できそうな教官を選ぶことだと思う。学校の実績とかは関係ないと、私は強く感じている。

NZも含めどこの国(日本を除く)のフライトインストラクターの90%は、エアラインに行くための飛行経験を貯めるためにやっていることに留意すべきです。はっきり言えば、あなたと同じ夢をもって頑張っていることに気付くべきだと思う。

学校がエアラインスタンダードと宣伝していても、教えてくれる教官に、エアラインパイロットの経験を持っていることは、まず、皆無です。だけど、それが悪いとは私は全く思わない。一番に、フライトインストラクターとして重要なことは、教官自身が熱心に後輩(学生)を教えていて、その教官自身も懸命に新しい技術を学ぼうとしているのか、その態度です。エアラインパイロットトレーニングの経験をもった学校や教官を探したりするよりも、真っ先に見るべきは、熱心に生徒の面倒見るフライトインストラクターを探すべきです。良い教官に当たると、本当に最後まで面倒見てくれる。私も20年前の教官達といまだに付き合いがあり、一緒に飛んだりするのを楽しみにしている。もし、私が学生だった頃、彼らが、私の事を雑に扱っていたら今のようなキャリアは形成できなかっただろうと思う。だから、フライトスクールで選ぶより、誰に教わるか?そこがあなたの未来に直結しているのだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?