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ニュージーランド パイロットとしてのキャリアアップ 6

Simulator assessment

シュミレーターチェックは一番、合否で比重の大きいものだが、残念ながらシュミレーターのノウハウはとても私の経験では教えることはできない、できれば私が教えてもらいたい。ただ、間違いを承知で、今までのシュミレーターアセスメントで感じたことを書いていくことにする。ただし、参考までに留めておいて欲しい。いちばん良い方法は、あなたの受けたい会社に実際に受験した人から情報を聞き出すことだと思います。

まずシュミレーターの種類だがFull flight simulator といって三次元のモーションシュミレーターで行われるのが普通である。だいたいその会社が持っている機材でやることになるが、ある会社の面接では、街中の一般のフライトシュミレーターセンターで行われたこともある。ある程度、面接に呼ばれる段階でどのようなシュミレーターを使うのか通達があるので、こういった一般のフライトシムならば事前に練習することができるだろう。ただし 三次元のモーションは無い。 コックピットの広さ、実際に手足を動かして練習する為にはこういった機材はとても良いと思う。マイクロソフトのシュミレーターを使って計器の動きなどは練習できるが、パソコンの画面と実機のシュミレーターの大きさは全く違うのでスキャニングに違和感を感じると思う。あまりにたくさん、パソコンのシュミレーターをやることは逆効果になると思う。というか私はそう思う。

NZで受験した会社でのシュミレーターチェックは、大体1時間程度、プリフライトブリーフィング30分、ポストフライトブリーフィング30分が基本である。

まずプリフライトブリーフィングでは、使用機材の簡単な説明を受け、実施科目について説明がある。面接日前までに、ブリーフィングノートが渡されていれば必ず予習をしておくこと。

Take off

Climb 

Cruise Turn 30 bank 45 bank 

Handling familiarization

Position Orientation ( VOR/ DMEを使ってポジションをこたえるだけ)and intercept course.

Holding pattern orientation 

Non precision Approach

ILS Approach

Landing ( Option ) 

Go around ( Option )

VFR Circuit ( Option )

 ブリーフィングでは細かい説明はないです。ここで重要だと感じるのは、Power Setting とAttitude をよく覚えておくことだと思う。後は、その会社のStandard Call out の方法を説明してくれますが、これはいきなり言われても覚えられるものではないので(多分、他の受験生も覚えていないと思う)、自身の言葉でしっかりと相手に伝えられる能力の方が重要に感じます。英語が母国語でない受験生であれば、いじわるな面接官に当たると、わざとわからないふりをする面接官もいるので、自身の今までに培ってきた方法で伝えることが必要になってきます。QRH (Emergency procedure )を読まされる場面もありました。隣に座っているキャプテン役、若しくは副操縦士役の面接官をいかに操縦のループに含めていくか、特にその会社が受験者に対して、機長経験を求めている場合は、隣の人を必ずループに入れることが必要だと思う。

毎回必ずシュミレーターをやっている最中に、予期できない故障?が発生します。エンジンフレームアウトのような誰にでもわかる故障ではなく、ものすごくSubtleな故障です。Light bulb failure とか何かのシステムのError message、突然、隣の面接官の携帯が鳴りだしたりとか、、。最初は え?っとか思うんですが、これは面接官がわざと仕掛けているので、ここでの対応をミスしないように。不意の事態の対応、マネージメントを見ていると思われます。いままでにご自身の会社で学んだマネージメント技術をつかって対処した方が良いでしょう。

試験の中では絶えず質問をされます。簡単なものから答えにくいものまで、それもわざとやっています。英語にハンデがあると本当に難しい箇所ですが、きちんとPrioritize (優先順位)させていけば大丈夫です。面接官はそこを見ています、あなたの英語能力を見ているわけでも、答えた内容を見てるわけではない。だから hand flight, Auto pilot, You have control など自由に使いこなし 自分の mental capacity を増やして 絶対にsituational awareness(状況把握) を無くさないようにすることのほうが重要になってくる。

シュミレーター試験では、最初からうまく飛ばすことは不可能だと思います。面接官が見ているのは 基本的なハンドリング、Airman ship、マネージメント能力を見るのと同時に、あなたの上達傾向を見ているようです。一時間でどの程度上達できたのか、そこが問題だと思われます。だから受験中に上達傾向にあれば大丈夫です。もし あなたが シュミレーターをやっている最中に、なんだか少しづつ慣れて来た!と感じればそれはうまくいっている証拠だと思いますよ。

会社によっては このシュミレーターセッションで、かなりのプレッシャーをあなたに加えてくることもあります。そのときにあなたがどの様に反応するのか見られます。新しい 不慣れな飛行機であれば 飛ばすだけでも精一杯 になります。まして言語の壁があれば尚更大変です。だけど 如何にmental capacityを増やして対応し situational awareness を無くさない様にしてい事が良い結果を出すのに重要だと思います。



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