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ニュージーランド パイロットとしてのキャリアアップ 7

Group Exercise / Group  Interview

面接官が、受験者を何人かのグループにし、グループ毎に課題を与えます。そのときにあなたがそのグループの中で、どのようなコミュニケーション、行動をするのか見られます。以下は、今まで私が実際に経験し、自分なりに考えたり、他のパイロット達(面接官含む)から教えてもらったことです。

英語が苦手な私は、この大勢の中でのコミュニケーションが苦手で、周りの会話の内容についていくのが精いっぱいです、正直なところ。それよりも、途中で分からなくなってしまうこともあり、周りに聞きまくって状況判断しているような時があり、言語の壁を思いきり感じるところです。

この面接時には、受験者一人ひとりに面接官が張り付き、あなたの動作を見ています。大体、1~2時間くらい行われます。一番ながいので3時間以上のもありました。面接の経験が少ない受験者は、すぐにリーダーシップをとりたがったり、フォロワーシップで面接を乗り切ろうとする受験者がでてきます。またマネージメントとリーダーシップをはき違えている人も沢山見受けます。リーダーシップをとることは確かに重要ですが、、フォロワーシップをとることも同じくらい重要であることを覚えておいてください。リーダーシップをとる必要性は全くないと私は感じてます。

基本的な考え方は、グループの中で、その問題に詳しい、詳しそうな人をリーダーにして、他のメンバーはフォロワーになることです。フォロワーになることは悪いことではありません。フォロワーになったら、自分が気づいたことを、きちんと意見することが重要です。あとはその中からマネージメントを引き受けてくれる人をさがした方が、うまくいきます。もし、自分がマネージメントを任されたら、与えられた課題だけでなく時間など、もっと大きな目でそのグループを観察し、意見を述べていきます。例えば、「あと、30分以内に課題を終わらせないと間に合わないよう」とか、「今、たくさんの意見が出たのでもう一度整理してみましょう」とか、課題以外のアドバイスはそのグループにとって大きなアドバイスになります。特に時間的なマネージメントは英語の苦手な人には向いてるかもしれないですね??もし、マネージメントを任されたのであれば、断ることなく快諾していきましょう。また、リーダーシップとマネージメントをごっちゃにしないでくださいね。両社は全く別物です。リーダーはその与えられた課題をどうクリアしていくかフォロワーと一緒に考えていきますが、マネージメントはその課題の外回り、人員配置、時間的配慮、で力を発揮していったほうが良い結果を生んでます。


Manager Interview 

マネージャークラスの人と面接です。緊張しますが、ここでは細かい、難しいことは聞かれたことはありません。どちらかというと今後めったにお会いできない人たちばかりなので、ざっくばらんな内容の話になります。趣味や、家庭の話、そんなことを話していれば自然とハンドシェイクで面接は終わります。この時にきちんと、面接に呼んでもらったことに感謝を伝える方がいいです。ある面接対策本なんかには、後日thank you letterを書いて出すとかありますが、それよりも握手と同時にちゃんと言葉で伝えた方が良いと思います。

最初にも書いた通り、面接まで呼ばれて細かいところで落とすことはしないというのが本音の印象です。いやむしろ、面接官達も良い意味で皆を合格させるように気遣いしているのに気づくと思います。面接官のほうも同じパイロットが多いので、あなたがここまでキャリアを築いてきた苦労と情熱をよく知っています。だから、もし、あなたが既にどこの国でも、パイロットとして経験を積んでいるのなら自信をもって面接に挑戦すべきだと思います。ニュージーランドでは、皆、人それぞれのキャリアステップを積んでくるパイロットたちがいます。免許取得後、教官としてキャリアを積んでくる人、パイロット不足の外国で飛行経験を積んで帰ってくる人、遊覧飛行をして飛行時間を貯めてくる人、パイロットそれぞれ違います。日本の様に、航空大学校だの自社養成なんてものは存在しない。パイロットの一人ひとりの経歴がちがう。だから、人種、言語や年齢、性別は、ニュージーランドでパイロットになるには本当に関係がない、こういったことは、ニュージーランド自体が、多民族国家として成り立っている国なので、パイロットを目指すことは決して不可能ではないと思うのです。だから私のような日本からの移民でもキャリアを形成していけたのだと感じています。また、私だけでなく、現在では、ニュージーランドで活躍する日本人パイロットが増えてきています。

今現在、コロナウィルスの影響で、ニュージーランドの航空業界は大打撃を受けています。国際線はほぼ全ての便がカット、国内線も今のところ、週に何便か飛んでるだけです。必然的に、私も自宅待機状態で不安な日々を過ごしています。今まで、ニュージーランドに来て以来、20年間、こんな酷い状況は見たことがない。

もし、今、私が、この場でこの状況を悲観視して腐ってしまったら、コロナが明けた時に訪れるであろう、チャンスをものにすることは絶対にできないと思います。今までの20年でもたくさんのヤバい時期がありましたが、乗り切ってきました。だから、今、自分にできる事をしようと思い立ったのです。パイロットスキルを上げる事、これができれば一番良いですが、残念ながら、今は飛行機を操縦できる状況ではありません。それ以外の私自身の能力を蓄える時期ではないのかと感じています。もう一度、自分を振り返ってみて、何が弱いのか(英語以外)、何が強みなのか? それを再度、客観的に見てみようと。その際に、面接で受けた質問にいくつかヒントがありそうだと思いました。面接準備をすることで、今の自分自身をもう一度見直すことができ、もっと自分を観客的にみて、長所短所、これから何をやらなければいけないのかよく理解できるかもしれません。それは面接合否より、自分のキャリアステップを築くうえでとても重要だと思います。次回からは実際の面接で聞かれた内容を考えていきます。

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