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TMR編集室より|22.05.19 誰そ彼の支度 in 秩父

2003年より東京・神谷町 光明寺で開催している「お寺の音楽会 誰そ彼」を4年ぶりにやることになりました。回を重ねること33回目。

今回ご出演のギタリスト・笹久保 伸さんは、埼玉・秩父を拠点とするアーティスト。秩父に根ざした作品創作や、芸術活動を行なっていらっしゃるので、今回の誰そ彼は秩父のお坊さんにもお声がけしました。

DJをつとめてくださるのは、秩父市 曹洞宗 宝蔵寺住職の野村圭秀さん。

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野村さんは寺社フェスDJとして多くのお寺イベントに出演しており、意外にも誰そ彼出演は初めてです。
渋谷Café Apres-midiでの「Flight Free Soul」というイベントを中心に活動されており、フリーソウル系の心地よい選曲を本堂で聴かせてくれそう。

そんな野村さんや秩父のお坊さんに会うために、先日秩父へと行ってきました。

カルネ音楽部

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秩父に着いて最初に向かったのは、喫茶カルネ
入店すると、レコードプレイヤーから耳心地のよい不思議な音楽(おそらくブラジルの音楽)が流れていて、本棚には見覚えのある好きな本の背表紙がいくつも並んでいました。
カレーとコーヒーを頼んで、置いてあった笹久保伸さんの写真集を眺めていると、店内の音楽が笹久保さんのレコードに変わりました。
喫茶カルネは「カルネ音楽部」というレーベルとして、笹久保さんのレコードをリリースしているのです。

ご店主に挨拶をしたところ「笹久保さんから、東京から来られると聞いてましたよ」と嬉しい言葉。
笹久保さんたちによる写真集作品『100人 武甲山』を購入しました。

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コーヒーもカレーもとても美味しかったので、おすすめです。

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秩父観音霊場 札所三十二番 法性寺にて

カルネで合流したのは、秩父観音霊場 札所三十二番 法性寺の荒谷哲巨(あらたに てつひろ)さん。
秩父には「秩父観音霊場」という三十四のお寺をめぐる巡礼の道があり、秩父を訪れたかったのは札所寺院にお参りしてみたいという理由もありました。

法事を終えた野村さんとも再会し、みんなで法性寺へと向かいます。

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法性寺の門前に着くと「うわぁ、いいなあ、、、」という声が漏れ、説明のし難い “空間の良さ” がすぐにわかります。
古い山門には鐘楼がついており、門の向こうが急坂のため一面緑色。樹々のにおいと爽やかな風が顔をくすぐり、思わずマスクを外して深呼吸。。。

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鐘をひと撞きさせて頂いてから、石段をあがっていくと遠く秩父の山々が美しい。

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近隣の秩父ミューズパークではジャズフェスが開催される予定で、リハの音が風のってかすかに聴こえてきました。
今晩セルジオ・メンデス、明日ロバート・グラスパーがすぐそこで演奏するなんて信じられない。なんだか夢みたいな感じ。

そして法性寺の観音堂にお参り。山の地形と同化しているかのようなお堂は、これまで流れてきた膨大な月日を感じさせる異様さを携えており、観音霊場のひとつを司るお寺のもつ特別な雰囲気に息を飲みました。

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時間の都合で、往復1時間かかるという奥の院まではお参りできなかったのですが、次回は必ずお参りしたいです。

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法性寺さんの本堂横のお部屋で少し誰そ彼の打ち合わせをさせていただきました。山からおりてくる冷気が心地よい部屋で、夏でも冷房要らずとのこと。鳥の声や陽の明るさの変化を敏感に感じられ、いつまで居たいと思えるお部屋。なんというか、、、とても豊かな気持ちになれる時間を過ごしました。

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ここで荒谷さんとはお別れして、野村さんが預かるお寺 宝蔵寺へ。レコードを聴きながら少し休ませていただいたあとで、寄居へ向かいます。

誰そ彼で再会しましょう

寄居へ向かった理由は、アトリエ・リカというお店で笹久保伸さんのライブが行われるため。6月末まで続く長いツアーの初日です。

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新作「Venus Penguin」の楽曲はもちろんのこと、「CHICHIBU」で僕が一番好きな「Arorkisne, una cancion de febrero」そして秩父の仕事歌の数々まで、流麗で繊細なギターと親しみのある歌を聴かせてくれました。
中学から一緒に演奏しているというサンポーニャ(南米アンデス地方の民族音楽フォルクローレに使われる笛の一種)奏者の青木大輔さんや、ボーカルの吉川真澄さんも交えて、アットホームな雰囲気で奏でられたペルーやコロンビアの音楽も素晴らしかった!

チューニングをしながら聴かせてくださるMCもすごく面白くて、二部構成のライブはあっという間でした。楽しかった〜!!!

30年間くらい世界各国の様々な音楽を聴いてきていますが「今、絶対に観ておくべき!な音楽家は笹久保伸」という思いを強めました。
お寺の本堂という空間で、笹久保さんのギターの響きを聴くことができる、 6/11「お寺の音楽会 誰そ彼 Vol.33 - Shin Sasakubo『Venus Penguin』Release Tour」は必見だと思います。

ゲストにmarucoporoporoさんを迎えたデュオの演奏パートもある他、お坊さんゲストと笹久保さんによる「秩父談義(仮)」もやってみたいなと。
また、「音の巡礼」コーナーでは複数名のお坊さんにご登場いただき、迫力あるお経を聴いてもらいたいとも考えております。

少し風変わりな音楽会となりそうですが、きっと気持ちの良いお寺のたそがれ時を過ごしていただけるでしょう。Peatixページにて予約受付中。ひさしぶりの「誰そ彼」でお会いしましょう〜!!!


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