『B'z LIVE-GYM 2019 -Whole Lotta NEW LOVE-』Blu-rayを購入したら、やはりB'zは神だということを再確認した件。
私は大のB'z好きだ。
遡ること20数年前、兄が借りてきたB'z the best Pleasureを聴き、1曲目のLOVE PHANTOMに衝撃を受け、以来ずっとファンである。
私は音楽に関しては保守的だと思っていて、30歳を迎えた今でも、10代の多感な時期に好きになった歌手以外、ほとんど聴くことがない。
新しいものに感動するフレッシュな感性が失われたせいもあるだろうが、私は自分のセンスには一応の自信を持っている。人生で出会った歌手の中で、B'zは間違いなく一番のグループだ。
最新の映像作品とともに、メンバーの年齢が50歳を過ぎても尚、むせ返るほどのエネルギーを放出し続けるB'zについて語っていきたい。
サンドーム福井にて参戦
今回のライブツアー、私はサンドーム福井で参戦している。平日だったがB'zのコンサートなど年に一度あるかないか、それも高倍率のチケットに当選したとあっては、有休を使い、サンダーバードで福井に向かうのも無理のない話だ。大阪公演と違い泊まりになるが、B'z愛の前にはそんなの関係ねぇ。
現在進行形で進化し続けるバンド
40〜50代のあまり詳しくない人に聞けば、B'zといえば『LOVE PHANTOM』『裸足の女神』『愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない』『ultra soul』あたりの名前が挙がるだろう。
当然これらもライブではまだまだ現役の曲で、演奏されれば大いに盛り上がる。しかし、B'zは往年のヒット曲ばかり歌う、どこぞの大御所歌手とは違う。現在進行形で進化を続けるバンドなのである。
その証左に、今回から十数年来のサポートメンバーを一新し、新しいバンドメンバーを迎えている。長くライブを支えてきた旧メンバーは当然技術も一級品で、ファンの人気も高く、B'zの2人とも阿吽の呼吸であり、現状のままで今後のライブやレコーディングに何の不安もない。
しかし、である。B'zの2人は30周年を迎えて思った。変わらないことは、停滞であると。このまま続ければ、世間からいつか化石として扱われると。前アルバムでは、そんな世間の目に対する反骨精神から、『Dinosaur』(恐竜=時代遅れのもの)というタイトルがつけられている。
今回のツアー前に発表されたアルバム『NEW LOVE』の楽曲からも、大ベテランの域に達しながら更に新しい事に挑戦する意欲が感じられる。
"Ride on time ここにゃいられない"
"新しい恋のようなもの見つけに行こうよ"
―リードトラック『マイニューラブ』より抜粋
比較的新しい曲で固めたライブ
B'zのライブの形態は基本的にLIVE-GYMとSHOWCASEの2つに分かれる。
LIVE-GYMは、
5年に一度行われる記念ツアー"Pleasure"
もしくは、
新盤発表後に行われるアルバムツアー。
SHOWCASEは、
地方の比較的小さな会場で行われる不定期ツアー。
今回のツアーはアルバムツアーなのでLIVE-GYM、都市部の比較的大きな会場で行われる。
アルバム曲の他に、『ultra soul』や『イチブトゼンブ』といった定番曲に加え、前回のライブでの『孤独のRunaway』や『赤い河』といった、10年〜20年ぶりのレア曲も数曲演奏されるのが、一般的なLIVE-GYMの形である。
今回のライブで言えば、いわゆるレア曲はなかった。しかも、00年以前に発表された曲は『裸足の女神』と『さまよえる蒼い弾丸』の2曲のみ。90年代に多くのヒットを飛ばしたB'zのライブでは、非常に珍しいと言えるだろう。
『有頂天』や『RED』、『Still Alive』など、ここ数年にリリースした楽曲の中から、オーディエンスの反応がよくライブ映えする曲を選んだ印象がある。
実際、前回のツアーのトリを飾ったStill Aliveは、今回のライブで更なる進化を感じさせ、B’zの新たな定番曲になることが予想される。
そして、ラグビーの応援歌として話題となった『兵、走る』も、今後演奏される機会が多くなりそうだ。
映像作品としての魅力
今回の映像は魚眼レンズやトイカメラの演出が特徴的で、宇宙というテーマから隕石落下のシーンではカメラを大きくブレさせ、その場にいるような臨場感を演出している。個人的に、B'zのライブ作品はあまり映像的な特徴を出さず、単純にバンドの音のみを聴かせ、余計な装飾は省いている印象が強い。映像作品としても何時になくこだわった仕上がりとなっている。エンディングの最後には、最終公演だったマリンメッセ福岡の映像も一部添えられており、ファンならば垂涎ものの演出だろう。
稲葉と松本、衰えを知らない2人の超人
2人とも齢50を超え、一般的に言えば肉体的に相当な衰えを感じるはずの年齢である。特に稲葉氏は、あれだけ歌って走る2時間超の公演を行える凄まじい体力の持ち主だ。いつまでも若々しく、私が中学生だったころとほとんど変わっていないのだから驚嘆する。いずれは老いを受け入れ、椅子に座りながらしっとりと歌い上げる、落ち着いた円熟味のあるシンガーになっていくのだろうが、今の彼の姿からはまだまだ想像できない。
そして松本孝弘。彼の奏でるギターは歳を重ねるごとに進化していく一方で、その技術は世界遺産レベルに達している。私はギターの詳しいことは分からないが、素人目に見ても、時には優しく、時には泣かせ、時には激しくオーディエンスを煽る、彼の変幻自在のピッキング技術は超人の域だ。若い優秀なギタリストも多く出てきている中、未だに他の追随を寄せ付けないのは、日本一のギタリストの称号を恣にしている今でもなお、途轍もない努力を重ねているからだろう。まさに、学生時代から『一心不乱』にギターをかき鳴らしてきた、その地道な積み重ねが、彼の奇跡的な技術を支えている。稲葉氏のボーカルもさることながら、彼のギターもB'zのライブの楽しみの半分を占めると言ってよい。CD音源とはまた違う、アレンジされたギターソロは必聴ものだ。
以上のように、私が生まれる前にデビューしたバンドが、2020年を迎える今でも現役バリバリで、進化を続けていることは、私にとっても生きる励みになっている。私には作品を買ってライブに行くことで支援することしかできないが、今の中学生や高校生など、若い人にも聴いてもらえるよう、機会があればB'zの素晴らしさについて布教していきたい。
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