ヤ○ザおじさんとのその後

柔らかいヤ○ザおじさん 、その後、色々と進展(?)がありました。

背中に立派な和彫の入れ墨の入ったヤ○ザおじさん、その後も銭湯での交流が続いています。

世間話をする中で、僕は注意深く、彼のお仕事を聞きました。すると、彼はなんとヤ○ザではなかったのです。「和彫=ヤ○ザ」というステレオタイプな思い込みが、僕にはあったようです。なるほど、あの無邪気な表情、柔らかさと合点がいき、妙に納得するものがありました。

彼は、和太鼓職人だったのです。それも相当な技量のようで、若い頃は海外のディズニーランドのジャパンフェスティバルに出演したり、京都の太秦映画村などに出ていたり、舞台やイベントなどで著名な歌手や俳優などと共演してきたとのことでした。

特に驚かされたのは、大晦日の格闘技で高田延彦が和太鼓を叩いた時期があったのですが、その稽古をつけたのが彼だったそうです。高田延彦と一緒に和太鼓を叩いたそうです(彼の軍団のお弟子さんと共に)。また、前田日明が定期的に参拝している神社の大きなお祭りでも交流があったらしく、その後仲良くなった道場に行った話など、湯船に浸かりながら、ヤ○ザおじさんから聞かせてもらうようになりました。更に、シュワルツェネッガーが日本を舞台にした映画の中で和太鼓を叩いているシーンがあり、そこでも出演。シュワルツェネッガーが彼のことを気に入って、食事を何度も一緒にするようになって、スタローンを呼び寄せて、3人で食事をしたこともあったそうです。

「高田、前田、シュワちゃん、スタローン...、おおお、マジか...」と、興奮しながら聞いていると、その流れで北島三郎や伍代夏子など、僕には興味のない人も出てくるのがなんともという感じです。

さらに、ヤ○ザおじさんは神輿の修理をする職人でもあるらしく、ある日は「日光東照宮の神輿の修理をして帰ってきたところで」なんて話をしてくれて「あそこの神輿はブサイクだから...」など、神輿の形状によってカッコいい悪いなどがあるらしく、僕の全く知らない世界を教えてくれたりします。「最近は経費削減で自分達以外のところに修理を出すと、10年で朽ちてしまう。100年以上の歴史あるものなのに...」など、考えさせられる愚痴も聞かせてもらえました。

さらにさらにある日は、若い和彫を入れた、いかにもヤンチャそうな二人組が同じ浴槽に入って、何故か僕がその会話の中に混じっていくという場面がありました。刺青を入れてもらうのは、彫り師さんが1時間当たり幾らという料金体系になっているとか、全身に入っている刺青にかかった時間のトータルは100時間だというヤンチャそうな人に対して、ヤ○ザではなかったヤ○ザおじさんは1時間当たりの料金がヤンチャな人のそれに対して6倍なのに、8時間しかかかっていないなど、役に立つこともなさそうな知識を得ることができました。脚に入れ墨があると海水浴で困るらしく、世間は厳しく世知辛いなどといった話を、僕もふむふむと聞いてました(謎。

そんなこんなで、銭湯で隣り合った人とお喋りすると知らない世界を覗けるかもしれません。

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