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イーネオヤの最小単位の話。

メルハバ。こんにちは。イーネオヤの編み手、pilaringです。
せっかくのnoteというブログスタイルの場なので、イーネオヤを編む時や見て思う事なども書いていこうかな〜と思います。

で、今回は「イーネオヤの最小単位」です。
そんな事考えたことない、意識したことがない、そもそも最小単位っていう言葉を使う方が間違ってる。
そういうご意見もあるかとは思うんですが、私自身はこの「イーネオヤの最小単位」を意識して編むようになってから、飛躍的に上達したな〜(自画自賛)と感じたので、ちょっとばかし聞いていただきたいのです。

■ 「最小単位」って何やねん

イーネオヤを編まれている方に質問です。
「イーネオヤの最小単位」という言葉を聞いて、何を思い浮かべてましたか?

スカーフを縁取るモチーフ?
モチーフを形作っている花びらや葉っぱのパーツ?
花びらや葉っぱを構成している山やループと呼ばれる目?
目を編むためのオヤ結び?

私は「糸」だと思っています。

イーネオヤは難しい手芸だと言われることが多いです。
イーネオヤを編まれる方、編み方を教えている講師の方。
そんな方達のSNSやブログでのお話を拝見すると、だいたいが「目を揃えるのが難しい」という内容が多いです。
イーネオヤを美しく編むためには、目を美しく編むのが基本!
まずは目をキレイに編めなくっちゃね!
それって最小単位が「目」であるという理解の元でのお話だと思うんですね。
私も昔は同じように考えていました。

イーネオヤを編んでる最中の印象は、とにかく不安定だということです。
スカーフなど布にオヤ結びをする場合は、布というある程度動かない土台があるから良いのですが
モチーフを編もうとすると、目を編むためにオヤ結びをする土台は数本の糸の上という事になります。
そして目の大きさは手加減でどうとでも変えられる。変わってしまう。
不安定な中でも目を揃えて編むにはどうしたら?と考えてしまうのです。
それは目がイーネオヤの最小単位だと思っているからなんですね。

イーネオヤを編むという不安定要素いっぱいな中で、絶対に変わらないモノって何でしょう?
そう、それが最小単位「糸」なのです。

■ 編む時に基準となるもの

編み物の経験は趣味程度ですが、かぎ針編みや棒針編みなどを編んだことがあります。
その編み方と比較してみると、そこにはかぎ針や棒針など変わらない安定した基準というものがありました。
もちろん手加減や編む糸がどんな糸かによって編み地が変わってしまいますが、基本的に使うかぎ針や棒針の号数(太さ)を変えることで編み地はコントロールでき、道具を頼りにすることで美しい編み地へと持っていくことができます。

ではイーネオヤではどうでしょう?
ぬい針という道具は使います。でも、かぎ針編みや棒針編みのような基準となっているでしょうか?
オヤ結びをする動作を思い起こしてください。
糸を針に巻きつけ、針を抜き取り、糸を引き締め結びます。
最終的に糸を引き締め結び目を作る段階では、針がどんな針であろうと関係ない存在になっているのです。

今結んだオヤ結びを見てください。
芯となり、次のオヤ結びへと続き目を構成する糸。
その周りに8の字やらせん状に巻きつき、結び目を構成する糸。
イーネオヤを美しく編むための存在は糸と手加減しか無いのです。
手加減は変化します。
オヤ結びをする手加減、目の大きさを決める手加減。
その日その時によって変わってしまいます。
または、編みたいモチーフによって変えてしまいます。
手加減は基準にはできません。
では、糸はどうでしょう?

イーネオヤを編む糸は時代や好み、またはモチーフしだいによって変わりますが
編んでいる最中にその糸そのものが突然勝手に変わるなんてファンタジーは起こりません。
基本、同じ糸で編み続けます。
なので糸は、そして糸の太さは不変なのです。
よってイーネオヤの最小単位は「糸」となるのです。

■ 最後に

不安定な手芸であるイーネオヤの中で基準となる「糸」。
それを意識しながらオヤ結びをするようにしたら
目が揃わない、目の高さが揃わない、モチーフによって目の大きさを変えて編みたい
などのイーネオヤあるあるの悩みが解消できたのです。

最小単位が「糸」であると知り、どのように意識すれば上達できるのか?というお話は長くなってしまうので、またの機会に。

読んでくださり、ありがとうございました。テシェッキュレデリム!
素敵なイーネオヤ、楽しんで編みましょう〜。