【開園まであと440日】こうあるべき!を手放すインターナショナルプリスクール。
こんにちは!東京都港区に2025年春に開園するピッカス インターナショナルプリスクールの創設者、中川早智子です。
保育の世界には“こうあるべき”が溢れている
2025年に開園するピッカス インターナショナルプリスクールは、『普通のプリスクール』ではありません。英語は最強のツールであり、そして幼児期に生きる力を育む場所を提供したいという独自のビジョンのもと、様々なこだわりを丁寧に詰め込んでいます。
『普通だったらこうでしょ。』という常識をそのまま取り入れるのではなく、常識を疑いながら『なにが三方よしの環境にするためにベストなんだろう?』をベースに、一つ一つの仕組みを作り上げてきています。そのなかで『普通だったらこう!だけどピッカスではやらないこと。』を、いくつかご紹介します。
ピッカスが手放したこと5選
1. 壁にクマさんやウサギさんがいない
私が保育現場にいた頃は、季節に合わせたクマさんやウサギさんの切り絵は壁面と呼ばれ、いたるところに飾る習慣がありました。退職する先輩から譲り受ける綺麗な切り絵は争奪戦で、足りない分は仕事から帰った夜や週末に制作するしかなく、睡眠や休息時間を圧迫していました。
近年は色画用紙で作ったくまさんやウサギさんの壁面を減らした園は少しずつ増えてきているようにも思いますが、メルカリでは今の時代も盛んに売買されているようです。(あの頃あったら絶対買ってました!)
ピッカスでは、壁にクマさんやウサギさんはいなくていいかな、と考えています。そう決めた理由は大きく二つ、保育者には保育の探究や休息など別のことに時間を割いてほしいということ、それから子どもたちには多様な価値観を育んでもらいたいなかで、単一的なデザインは必要ないと考えるためです。
その他にもカラフルな色使いの保育室ではなく、北欧からの学びを取り入れた、落ち着いた子ども達自身の感性を大切にする柔らかい雰囲気の室内環境を目指しています。
もちろん価値観のひとつとしてクマさんやウサギさんの飾りが好きという先生がいたらそれも良いと思っていますが、園として作ってくださいとお願いすることはありません。
2. 連絡はアプリを使い、手書きしない
先生と保護者がやり取りする手書きのお知らせや報告。なんだか温かくてそちらのほうが思い出に残るような気もしますが、ピッカスでは保育者へPC機器を貸与して、保護者とのやり取りはアプリを中心にしてもらいます。
そう決めた理由は全部で4つ。保育者も保護者も手書きよりも何度も書き直しができるタイピングのほうがより良い、伝わる文章が書けるということ。(私自身が親の立場でも手書きの連絡帳が苦手で面倒くさく、書き損じを修正テープを使わずに塗りつぶしてしまう人間なので・・)。2つ目が写真も交えた連絡帳にしたいということ、そして3つ目は連絡帳にかける時間を短縮したいということ。最後に保育者が自腹で購入する可愛いメモ帳だって不要になります。賛否両論はあるかもしれませんが、個人的にはメリットしかないくらいだと思っています。
都内の認可保育園でもICT化は少しずつ浸透してきていますが、娘の通う園ではPC機器の台数が追い付かないために使用できる機能が限られていると伺いました。園便りなどはPDFで届きますが、毎日の連絡帳は手書きのままです。少しずつでもこれからも先生たちの業務負担の軽減が進んでいきますように。
3. 園内では上靴を履くのはやめる
保育園や幼稚園、小学校では上靴を履くのが当たり前だとなんとなく昔から思っていました。ですが、象設計集団の富田玲子さんによる環境デザインの講演会にとても大きな影響を受け、裸足で過ごすことで五感に働きかける保育環境を整える意識がとても強くなりました。
足の裏だけではなく、園内の設計では、ひたひた、つるつる、でこぼこ、ざらざら、など、全身を使ってたくさんのオノマトペと呼ばれる感触に親しむしかけを作りたいと内装設計をお願いする方へお話ししています。
余談ですが、現場にいた頃は先生も上靴を履き続けていたので足がとても蒸れてしまい『先生達の足は臭い』あるあるがあったほどでした。(今はきっと良質な上靴が増えていると思いますが。)
4. お道具箱にクレヨンとはさみを置かない
これもなんとなく、それぞれのお道具箱にそれぞれの色鉛筆やクレヨンが入っているのが当たり前だと思っていましたが、海外では基本的には共有の文房具を使っていて、ピッカスでもこちらの方法を採用します。
共有にするメリットは大きく3つあると思っています。一つ目は保護者の記名などの準備負担を軽減したり紛失の心配をなくすこと、二つ目は常に見えるところに文房具があることですぐに取りかかりやすい環境を作ること、そして保育者の目の届きづらいところにしまうより、みんなで同じものを使うことでその他の玩具同様、大切に綺麗に使おうという意識を持たせることです。
個人スペースには、その代わりに子ども達が制作したものやプリントを収納するファイル、子ども達自身が選択した学びに関するワークなどを入れてもらおうと思っています。それから、蓋つきのお道具箱はおもちゃを隠したり子どもたちのいたずらの温床になりがちなので、箱ではなく棚や引き出しタイプを採用します。現場経験があるからこそのこだわった環境づくりが行えることは強みだと思っています。
5. 保育士専用の求人サイトで先生を採用しない
保育者が転職をするときには多くの場合、保育士専用の求人サイトに登録をして条件の良い求人から応募をしていくという流れになると思いますが、ピッカスでは、創設者自らが直接スカウトをして会話をするところから採用活動が始まっています。
連絡を受けて驚かれることも多いですが、お互いの教育への想いやこれから目指していることなどから会話を進めていくことが出来ますし、教育について熱く語り合うことも多々あります。人事業務のなかで培った経験がとても役に立っていると感じる瞬間です。
できれば求人サイトに頼らずに、ダイレクトリクルーティングと呼ばれるこの手法で全ての採用を終えたい!と願っています。まだまだ閉鎖的な教育業界ですが、こういったオープンなコミュニケーションでもっと横の繋がりが広がっていくと良いなと思っています。
ピッカスのこだわりはまだまだたくさんあります。日々情報収集も行っているので、またどこかでご紹介できたらと思っています!
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