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人間椅子〜 『踊る一寸法師 再発記念 ワンマンツアー』 〜2022年4月8日 仙台 CLUB JUNK BOX

人間椅子〜 『踊る一寸法師 再発記念 ワンマンツアー』 〜2022年4月8日 仙台 CLUB JUNK BOX  セットリスト

演奏時間
19:02〜21:25(2時間23分)

SE 新青年まえがき
1.モスラ
2.ギリギリ・ハイウェイ
3.夜明け前
4.巌窟王
5.どだればち
6.時間を止めた男
7.泥の雨
8.瀆神
9.踊る一寸法師
10.暗い日曜日
11.無情のスキャット
12.至上の唇
13.疾れGT
14.ダイナマイト
(アンコール1)
15.羽根物人生
16.なまはげ
(アンコール2)
17.針の山

青森と札幌でやった曲が色々混ざってる感ですね。
曲順も変わってたりします。
今日は、自分が前回観た青森と比べると更に演奏がパワーアップしてるというか「脂がのってきてる」状態になってるなあと思いました。
特に鈴木さんがめっちゃ元気だったな。歌もそうだけど、ベースの弾き方のキレがむちゃくちゃカッコよかったです。
世界一カッコいいベーシストではあるまいか。

では各曲の感想やMCメモなど。
各曲については青森に続きツアー参加2回目となるので、同様の感想になるものはコメントを省いています。
毎度ながら細かい部分の間違いやMCの表現の違い等多々ありと思います。ご容赦を…

1.モスラ

今更言うようですが、1音目から「すげえな何だこの音」という感じです。
会場の作りのせいなのかますますパワーアップしたせいかわかりませんが、前回はそこまで感じなかった床の地響きが凄かったです。
モスラ襲来!という感じ。
アウトロのソロもかっこいいねえ…
こんな音を聴かせてくれるバンドを遅まきながら発見し、ファンになれたのは本当に運の良いことだったな。

2.ギリギリ・ハイウェイ

鈴木さんがしばしば変顔をしていて表情が面白かったです。
演奏はもちろん超カッコいいぞ(特にことわらない限り、全曲すべて「超カッコいい」という感想が自動的に付帯されていると思って下さい。笑)

MC
鈴木さん(以下「鈴」)「こんばんは人間椅子です。5枚目のアルバム『踊る一寸法師』がめでたく再発になったのをお祝いして当時のセットリストで1・2枚目を再現してみました。あまりにも難しい…1曲目のモスラから難しすぎる。」
和嶋さん(以下「和」)「難しいながらあのころより味が出てますよ。前回よりいい感じです。」
鈴「昔は無駄に動いてた。今は動きたくても動けない。お地蔵さんみたいになる。」
和「年の功ですよ。」
鈴「この後10何曲もあるので…」
和「70歳になってもやります。」
鈴「今日はこのアルバム持ってない人にはつらいよ。」
和「再発ツアー仙台編です!第2の故郷、仙台にやってきました。」(この後「動揺してましてさし直しを…」と言ってた気がするのですが、何の事だっけな…)
鈴「今日はエフェクターの設定がちょっと違います」
和「モスラではアッパーオクターブファズというのを使ってます。虫の羽音みたいな音を表現しました。」
鈴「モスラと聞いてザ・ピーナッツが浮かぶのは歳のいった人です(笑)」
和「今日はアルバム『踊る一寸法師』からふんだんに演奏していきたいと思います。バンド生活33年になりました。まずは去年出したアルバム『苦楽』から1曲。」


3.夜明け前

いつの間にかリード曲の「杜子春」よりリード曲感を出しているこの曲。
全体に流れるドラマティックな訴求性ゆえかな。和嶋さんの歌にも感動的なものがあります。

4.巌窟王

イントロで「あああこのイントロは?知ってる!これはえーっとえーっと…巌窟王!」となりました。
何しろ新青年リリースツアーはファイナルしか行ってないもので(自分にとっての初人間椅子ライブ)この曲は初めてライブで聴くのです。

で、聴いてみての感想は「ライブで聴くとやっぱりいいな!」です。
鈴木さんの実にハマった歌い方と、横揺れする感じのリズムがとっても楽しい!
ほんと人間椅子の曲はライブで何割増にもなるのよねえ。
この曲もテンポの緩急の変化が大きくて、中盤の速くなるところもカッコいいし、ラストの畳み掛けのところの高速ドラムもカッコよかったです。
そして、今更ながらやはり「新青年」は気合の入った名盤であったなあと思いました。

んで、この曲が来たことで(日替わり曲と思うが、直前の札幌でもやった)今回のツアーのセットリスト、単純にAセット→Bセット→A→B…と行くんでもないのか〜、と思ったり。

MC
鈴「ハァ…」(深いため息。会場笑)
鈴「車で移動中に川端くんのSpotifyでBGM流すんだけど、ボストンとかカンザスとか…ブルース。ソロの入口が全部一緒で。」
和「アルバート・キングは違うけどね。俺アルバート・キングだけ反応する。」
鈴「和嶋くんはビートルズからロックに入ったんで、人間椅子をやってるからにはハードロックも聴くけど、根がブルースなんだよね。ヘヴィメタル、ハードロックのギター、リッチー・ブラックモアやイングウェイ・マルムスティーンは好かない。」
和「難しくて速くてできない。ブルースのフィーリングのない人は難しい。」
鈴「ゲイリー・ムーアなんてぼろくそに言うよね。」
和「(笑)」
鈴「和嶋くんのギターは難しいよ。さっきのブルースのソロの入り口…」(このあとの言葉ちょっと失念)

「よくあるソロの入口」からしばしブルースセッション、ノブさんも参加。
めっちゃカッコいいです。和嶋さんのギターはもちろんのこと、絶妙に合わせてくる鈴木さんのベースがもう大変に素晴らしい。息合ってるねえ。

鈴「MCが前回、前々回と長かったから、今日はMCを短くしようと思ってたのに。次の曲も、ソロが演奏されます。どだばで始まるどだればち。」

5.どだればち

ブルースの話題、この曲の前置きとしてもめっちゃ長かったなあ(笑)
和嶋さんのブルースなソロが絶品の曲ですが、鈴木さんのベースのグルーヴ感がまた本当にこの曲をカッコよくしてるやね。
そしてドラムの重い音もまたよく合うなあ。
この曲を聴くといつも(まあこの曲だけじゃないんですが)「何でこんなにカッコいい曲が世間に知られてないんだろうねえ嗚呼」と思ってしまうです。
まあ自分も3年半前に知ったばかりですしね…

さて特に長くなるアウトロのギターソロ、今回また「いやこれはムチャクチャ長いわ」と思う長さでした。
まあ和嶋さんが自由奔放に楽しく弾くこと弾くこと。鈴木さん目をつぶって弾いたりしてたなあ。
でも本当にいつまでも聴いていたい最高のソロです。
背ギターなども入れて、永遠に続くかと思われたその時、鈴木さんノブさんにさらっと目配せをして終了。ここんとこ、どれくらいのカウントで終わらせるとかお三方の間で決まっているんだろうなあ。
いやー今日も素晴らしかったです。

MC
和「ご清聴ありがとうございました。ぶっちゃけ一番長いソロでした。」
鈴「歯で弾いたあとに頭で弾くとは、世界でもこのソロだけです。」
和「いつもやらない曲をやっております。」
鈴「『踊る一寸法師』は後先考えず作ったら演奏するのが困難(だったかな?うろ覚え…)な曲になって。」
和「羅生門の後メルダックとのメジャー契約を切られたんですが、インディーズでやれるならどんなアルバムでもできるし一生続けられると思ったんです。今やこのアルバムはプレミアまでついて。ツタヤの100円コーナーで売られてなくてよかった。」
和「若い頃から精神医学に興味があって、精神科医の書いた本、ニートというかひきこもりでビートルズが大好きでカセットのA面とB面にジョンの曲ばかり入れて朝から晩まで聴いて世間と交流しない、そんな人の事を書いた本のタイトルが『時間を止めた男』なんです。僕たちも『時間を止めた男たち』ですよ。中学から止まってる。」
鈴「『男』ね!(一緒にしないでの意かな?笑)こういうやり取りで長くなる…(笑)」
和「つい横の白い人を見てしまいました(笑)」

6.時間を止めた男

入りのギターからもうドラマティック。
今回のツアーでは、音源にはあったコーラスはないんですよね。アルバムリリース当時のツアーもそうだったのかな。

今日この曲でおっ!と思ったのは、鈴木さんのベースを弾く腕の動きのキレ(?)が超カッコよかったことで。
まあいつもカッコいいんですけど、今回特に。今日は他の曲でもそう感じるシーンが多々あり、鈴木さん調子ええな!と思いました。
間奏のところで一瞬ベースだけになる自分が好きな箇所、もちろんめっちゃいい音でした。

そしてこれも大好きなアウトロのギターソロ(改めて、生で聴いてみたいと切望していたこの大好きな曲がライブで聴ける幸せ…)
本当に素晴らしいなあ。
憂愁に満ちて切なくも暖かく優しく心の平穏をもたらすような、実に胸に沁み入るギター。
和嶋さんのギターソロはどれも心のひび割れや空いたところに流れこんでじわっと埋めてくれるような、聴いていて心に実にしっくりくる感じがするのですが、この曲もまさにそれだなあ。

MC
鈴「ジョン・レノンで思い出した。高校の時にカセットのA面にホワイトスネイク、B面にレインボー入れて風呂に入ってる時に聴いてたの。ホワイトスネイク好きで。」
和「東大に行った山田くんという、後に省庁に入ったとても頭の良い同級生がいたんですが、彼がアイドル好きで、学校でねぷたを作った時に朝早く来て作業したんだけどその時のBGMが同じアイドルの歌を90分テープに入れたもので。」
鈴「何てアイドル?」
和「これは言っていいかしら…弘前出身で、山田くんと同じ中学のミヤビって人。東大に行く人は違う!と思いました…こんな身も蓋もない話を喋って33年(笑)」
鈴「昔はMCで何喋るかミーティングしたこともあったけど。」
和「初期はね」
鈴「楽屋では無言なんですよ。今こんな喋ってるけど…」
和「売れた芸人みたい(笑)皆さん嫉妬するかもしれませんが、もう以心伝心です(笑)」
鈴「曲練習していて同じところで終わらしたりする。」
和「(こうやってツアーに来ている先で)鈴木くんとよく街で出くわしたりもするんです」
鈴「めんどいから見えなかったことにする(笑)」
和「時間を止めると幸せなのでしょうか。世の中は凄い勢いで変わっていまして、SDGsとかサステナブルとか、おじさんにはついていけない。こんな未来はいらない、という曲です。」

7.泥の雨

8.瀆神

再びアルバム「新青年」から。
イントロから2人並んで横揺れしつつ弾く和嶋さんと鈴木さん。
鈴木さんの歌の魅力が堪能できる曲でもありますね。
ラスト、スピードアップするところ、ドラムのドコドコ(もうちっと正確な言い方ありそうですが素人ですんません…)がカッコよく、和嶋さん鈴木さんが掛け合いをしつつラストに向かって疾走していくのもカッコいい。
ほんと曲の構成に工夫をこらしているよね。

MC
鈴「バイクに乗ってて、お日様が沈んで夕方から夜になる…あああれなんて言うんだっけ…」
和「逢魔が時ですね!答え言っちゃったよ。」
鈴「踊る一寸法師」

9.踊る一寸法師

今回白眉の出来だなあ!と思った曲です。鈴木さんが実に絶好調で。
鈴木さんひょいひょいと踊る踊る、その鈴木さんと和嶋さんが向かい合って弾く場面があって楽しそうでした。
また鈴木さんの表情の変化が凄くて、最後の方だったか見ていてなかなか怖くなる顔をしたので「怖っ!」と思いました。凄いぞ鈴木さん。
この曲は6分台なのでそれほど長くはないのですが、今日はめっちゃ長く感じました。
きっと実際長かったんですね。気持ちよくギターを弾いた人がいるんだな…
もうとにかく「力がこもってるわ〜!」という感想です。
怖楽しかった(笑)

10.暗い日曜日

続けてこの曲。
何しろ鈴木さん好調なもんで、出だしからベースがとてもカッコいい。
和嶋さんが一瞬ギターを前に面ごと突き出して弾いていた気がします。

MC
和「踊る一寸法師、暗い日曜日とやりました。ライブで久しぶりですが、鬼気迫る演奏ができました。怖かった(笑)」
鈴「そうですか。」
和「あの頃にない動きで。」
鈴「あの頃の動きやれてない。」
(その後の会話ちょっと失念)
鈴「チューニングタイムですか。」(何か弾く)
和「何の曲かわかりましたよ。リビングラビングメイド。」
和「オフ日があったんで、バイクをレンタルして松島から牡鹿半島を走ってきました。良かったですよ〜、カーブが良くて信号がなくて。鹿いなかったけど金華山で今日のライブの成功をお祈りしてきました。宮城の人は運転マナーがいい。運転マナーの悪い県あるもんね。〇〇…」
鈴「ああー〇〇。〇〇と〇〇もねえ…」
(以上、言及のあった県名は一応伏せ字にしました。笑)
和「次は報われない人の気持を歌った曲です。」

11.無情のスキャット

MC
ノブさん(以下「ノ」)「仙台のみんな、楽しんでますかー!!皆さんのおかげでライブができます。声は出せないけど、皆さんの気持ちはちゃんと伝わってるぜ!イェーイ!前回より多くお客さん入れられるようになりました。またこれからもいっぱい来ますんでよろしく!
4月1日からファンクラブがリニューアルして、前のファンクラブで申し込んだ最後のツアーが今回のツアーです。すぐ売り切れたって。ここの会場ほとんどFC先行の人たちかな?(笑)」
和「ツアーがない間も、ファンクラブに入会すると毎日私達が見られます。毎日白塗りの鈴木くんが見れますよ!」
ノ「皆さんは声出せなくて。俺は喋ってるけどね。心は伝わります。拍手でアニキって呼んでくれー!!」

12.至上の唇

今回は「苦楽」ツアーで時々あった「和嶋さんと鈴木さんの向かい合って座り込み弾き」が発生していました。
これが似合うしカッコいいんですよね。人間椅子ならでは…
背ギター、背ベースもやって楽しそう。

13.疾れGT

今ツアーは「苦楽」のおさらいツアーの趣もありますね。
軽快でありつつ重い音、改めてこれを本当にたった3人で演奏しているの⁉と思います。

14.ダイナマイト

お三方舞台後ろに一旦退場。
ここの会場は両脇じゃなくて舞台の後ろが楽屋からの出入り口になってます。

(アンコール①)
和嶋さんとノブさんツアーTを着て登場。鈴木さん白い着物。

MC
和「今回のツアーTです。当時と同じデザインですが、より怖くなっております。ぜひ手に取って見てみてください。」
(Wネックギターを持つ)
和「踊る一寸法師では色々やってまして、12弦ギター、当時はグレコだったんですけど、おかげさまでギブソンが持てるようになりました。」

和嶋さんが何かフレーズを弾き始めたのを機に、しばしセッション的演奏。

鈴「このままだと5分くらい天国への階段をやりそうなので。Aマイナーでやってくれて、和嶋くんさり気なく優しいね。次の曲もAマイナスから。次の曲はもうやることはないかもしれない。うまくいったら『ゆず』みたいにやってもいいなと。」
和「33年間やってきてこれですからね。」

15.羽根物人生

重低音フォークトリオ再び。
札幌でやったという「エイズルコトナキシロモノ」も大好きな曲なのでぜひ聴きたいですが、この曲も鈴木さんがもうこれが最後と再三言うのでしっかり聴いておきたいところ。
パチンコをテーマにこのような哀愁に満ちた曲を作れるの凄いな。

MC
鈴「この曲で初めて汗拭きましたよ。凄まじく集中しました。」
和「これからもやりましょうよ。サステナブルなバンドとして果てしなく長い道のりをやっていきましょう。」
鈴「MCを短くする試みは失敗したね(笑)次の大阪では短くします…MCの間休ませてもらえるからいいんだけど。」(この辺ちょっとうろ覚えです)
和「MCもある人間椅子をよろしくお願いします!年内もう1回来ようかと思っております。暖かくなってきて、いろんなお祭り…ここだと七夕まつりとかありますが、同じ東北の寒い時期の恐ろしい祭りの曲です。なまはげ!」

16.なまはげ

青森では銅鑼がなかったけど今回はあり。
やはりいいものですね銅鑼の音。
中間部のノブさんの銅鑼叩きまくったあとのマレット投げ、あれホームラン確信バット投げみたいでカッコよくて好きなので久々に生で見られて良かったです。
※4/10 9:05付記:
と書いたけど、今やっと人間椅子FCのノブさんのライブ後記動画を見て、あれ!?となりました(笑)
FC限定なんで詳細は書きませんが…私が見たものは一体(笑)まあステージまで遠くて目も悪いしなあ。
うん、そこまで完璧だったということで!!
アニキ!超バッチリでしたぜーーー!!

中盤、MVでいうと3分過ぎくらいからの間奏で和嶋さん鈴木さんが並んで弾くあたり、リアクション動画でもリアクターがよく絶句したりしてますが、本当にカッコいいよね。

和「ベース・鈴木研一」
鈴「ギター・和嶋慎治」
和「ドラム・ナカジマノブ!」
と簡単に紹介してまた舞台裏へ下がる。

(アンコール②)
和「Wアンコールありがとうございます!」
その後、ひとしきりセッション的というよりは何か自由奔放に音出しまくりのお三方。
鈴木さんがベースの弦をポンポン叩きまくって音を出していたのが印象的でした。楽しそう(笑)

17.針の山

どうしてこんなに毎回盛り上がっちゃうのか針の山。
人間椅子も、そして原曲のBudgieも実に偉大よのう…と思いながら盛り上がっていました。
ファイナル東京では有料配信の関係で(?)やはり別の曲になっちゃうのかな?ダイナマイトをラストに持ってくるのかな。
最後はお約束歯ギター。

和「今や、誰がなんと言っても東北一、いや日本一、いや世界一、いや宇宙一白塗りの似合う男、ベース・鈴木研一!」
鈴「時間は止めたけど指は止めない男、ギター・和嶋慎治!」
和「いつまでたっても若いです。青春真っ只中、ドラム・ナカジマノブ!」

ということで仙台ライブ終了。

自分が観た前回の青森より、さらに調子がいい感のあるお三方。
ライブ大好きなんだなあ。
ファイナルに向けてますます磨きのかかる演奏に歌にパフォーマンス、そしてMC(果たして短くなんてなるのか…?)

次の会場も楽しみですね。
そして、すでに札幌で言及あったようですが、年内にまたツアーがありそうというのは実に嬉しいですね。

(終わり)