照らしてくれたのは


自分の居場所はもう本当にどこにもないかもしれない、どこで息をしたらいいのだろうかと本気で悩んだ昨年
夏が終わる頃にバイバイをした不思議な少年が教えてくれたお店に初めて入ってみた
ほんとにあそこはいいよ、雰囲気好きだし
そう言っていたのをずっと忘れずに覚えていた
なんであの時ひかはそこに行こうと思ったのかな

ドアを開けお店に入った時、お店のおしゃれさにびっくりした記憶がある

初めて頼んだメニューはランチのさんどうぃっちだった
学校終わり彼に会う時によく行った、テスト勉強の時にも何度もお世話になった、
そして夏が終わり秋になるに連れてひかの学校での居場所は図書館か、保健室か相談室くらいになり朝教室に上がることすら苦痛と思うように立った。境港から汽車に揺られ米子まできたものの、学校まであと少しという所で今日1日を頑張ることが嫌になり涙が出そうになって歩くのを急にやめてしまった、
立ち止まりどうしようと少しだけ考えた時に、そのお店でスコーンを食べてから行こう、その考えが思いつき足を運んだ
学校が始まっている時間にお店に行っても、いらっしゃい、ゆっくりしていってねと声をかけてくれた、
スコーンを食べながら本を読んだり、スマホを構ったりした、
この半年間でそんなことは何度もあった
学校に行くのがしんどいなと思った時に逃げ込むように通ったお店
何度も行くからひかのことを覚えてくれ、ひかの写真を投稿に載せてくれたり、勉強している時は紅茶をサービスしてくれたり、スタッフはみなさんとても優しかった

何回お店に行ったんだろう、覚えてないくらい足を運びそこで何度も電卓を叩きまくり、たった50分のための英文をひたすら書き続けたり、窓から見える部活をしている中学生を眺めたり、自分のさまざまな時間をそのお店で過ごした




そしてあっという間に秋が終わり、冬が来て、そしていま、桜が咲いている
初めてそのお店の存在を知った夏から、次の春
頭の中で四季と共に過ごしたお店が見えた

桜が満開になる頃、ひかはここを離れ、夢を叶えるために新天地へ足を踏み入れる
もうしばらくは通えなくなる、最後に顔を出しに行こうと旅立つ前最後の来店をした一昨日

お家に帰りスマホを見たら、
自分がそのお店で勉強している所、友達と笑っている所、元気いっぱいの笑顔が大好きでしたと
メッセージが入っていた 
それをみた時、ひかは嬉しかった
帰り際に、来てくれて本当にありがとうと言われてお店を去ったあの時間がもう一度戻ってきてほしいと心底思った

大好きなお姉さんに自分の夢を伝えた
それを聞き、涙がポロポロしたとストーリーに載せていた、
ひかのことをいつも載せてくれるお姉さん
何年かかるかわからないけれどずっと待っていて欲しい、ひかは夢を叶えます
紅茶を飲みながらおはなしを書いているあの時間がとっても好きだったな


ひかの大好きな場所を作ってくれたのはあの時の少年だった
その少年に出逢わなければひかの居場所はないままだった、
苦しい日々から抜け出すヒントを残してくれた少年と、いつでも快く受け入れてくれたあのお店
一緒に行きたいねとずっと言っていて、その思いが現実になることはなかったけれど、
少年が言っていた良さを、素晴らしいほど知れた




ひかがそのお店を大事にしたい、大切な出逢いだと思えたのはあの少年のおかげ

ひかとバイバイをしてから、幸せな日々とひかではない大切にしたい誰かを見つけた少年
その少年を見る度に、今度行くときはあなたの一番大切なあの女の子も一緒に連れていってあげるんだよ とそう思う時がある
女の子のこと、いつまでも大切にしてね
ひかにステキなお店を紹介してくれてありがとう

ひかの居場所を作ってくれた服部珈琲
これからもたくさんのお客さんが服部に訪れますように

去年の夏に出逢ったステキなお店のおはなしでした





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