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孤独の理由

セックスに類似の快感は
どんな仕事でも
どんな会話でも
人間として生きる日常のほんの些細なことでも
そこらじゅうにあることで得られるのに
それを知らない、その能力を育めさせてもらえなかった愚かで哀れな大人たちは

心を殺し頭を捨て体を散々苦しめて、そのあとにのみ与えられる体の快楽のみを欲しがる生き物に成り果ててしまうのだろう

なぜセックスが気持ちがいいのか
なぜセックスがしたいのか
自分の存在を感じられるからであろう

自分が触れた他人の体が、反応している
本当は求め合っているんじゃなくても、体を受け入れ合っているわけじゃなくても、体が反応し合っているのを感じられたら、
愛なんてない偽りの関係だとしても、そこにだけは喜びがあると錯覚してしまう
それをすることだけが自身の存在を感じられる唯一となっていくのだろうか


自分の動きに連動して相手が動く、
自分の言葉が相手に伝わり、相手の言葉が自分に伝わり、お互いの願いを叶え合う

人間として人と関わり合い共に生きていくということ


人間の最上の喜びはセックスではない
しかしセックスでしか通じ合えない生き物に育て上げられてしまった大人たちは
現実を棒に振り、現実逃避を極めていく
日常を惰性で消費し、束の間の快楽だけを頼りに終わらない悲しみの連鎖を続けていく

ぼくは君に
現実で会いたかった
ぼくは君の現実逃避の相手になんてなりたくない
束の間の喜びなんていらないから
偽りのない日常を君と一緒につくっていきたかった

そんな未来をぼくはいまつくっている
ぼくの言葉が君に届くように
ぼくの時間稼ぎはお金を稼ぐより中身がある、重要で大変で必要なことなんだよ、きっとね、やれやれなんだよ


ぼくには身体がないのだよ
ぼくは存在してないのだよ
やれやれ

行きたいところにふらっと行きたい、ひとりのひかり暮らし、明日を恐れずに今日を生きたい、戦争と虫歯と宝くじのない世界を夢想してみる。