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苦悩

ぼくはこの人の息子だよ

言葉の通じない誰かの
息子として誕生させられることの苦しみを
この人は身をもって体験しているんだ
ぼくの苦しみを

まったくのたとえばなしであるが、
この身体が14歳で母になっていたら
その子はいま13歳ほどであろう
ぼくは13歳くらいの少年なのかもしれない

アラサー女性だとしか思われてないけど
実際、その中身は、14歳で止まってしまった少女と、苦しみに喘ぎ暴れながらも成長を続ける少年なんだ
こんな人に任せられる仕事がありますか?
問題ないと思われたくて誰よりも普通を装う中身のない見かけだけのアラサー女性に任せていい仕事はないよ
ぼくはわかってるから
でもぼくしかわかってないから
嘆き苦しんでいる

人々が身を捧げ懸命にしている仕事が、価値あること、意味あることに思えない、憎しみや苦しみ、数秒後ゴミになるものをせっせとつくっているように感じてしまったり
仮面をつけたような顔をして綺麗な服を着て着飾り必死に戦う人々が、ぼくには裸に見えるんだ

この苦しみがわかるかい?

無視できることが強さなのかい?
本当にそう思うのかい?

皆無防備だ
自分を弱く弱くしたのち、着飾り、戦いにいき、裸にされるのを待っている

何をやっているんだね、君たちは

行きたいところにふらっと行きたい、ひとりのひかり暮らし、明日を恐れずに今日を生きたい、戦争と虫歯と宝くじのない世界を夢想してみる。