叫び12

あー死にたい涙が出る
あーぼくはこの死にたいをないことにする気はない
薬で消したりなんかしたらぼくは本当に死んでしまう
死にたいなんて感情は生きたいから生まれる感情
本当に死にたいなら死にたいなんて思ってないで死ねばいいんだから
死にたいなんて思ってるってことは生きたいんだよ

死にたいをなくせば生きたいもなくなって、
かろうじてまだ息をしている体だけになって、
きっかけを待ってるだけの時間が過ぎていく

死にたいも生きたいもないままその体を持て余し、促されるままに新たなそんな生き物を増やしていく人々に心痛めずにはいられない、頭を捨てた心を捨てた女はあまりにも哀れだろ、私はわかりません私はしたくありせんがあなたがしたいならどうぞってあまりにも酷いだろ


誰か助けてください
なんて言えない
ぼくには払えるものがないし
ぼくはきっと感謝できない
恩が仇で返すものになってしまう
偽りの人々の優しさは毒だよ

そんなこと言ったってそうなんだ

どんなこと言ったってそうなんだから
もうやりたいことをやるしかない
やりたいことがないなら
やりたくないことをやらないために頑張るしかないのに
なんにもやりたくないね
でも息は止められないじゃん
ずっと止めてはいられないじゃんね

行きたいところにふらっと行きたい、ひとりのひかり暮らし、明日を恐れずに今日を生きたい、戦争と虫歯と宝くじのない世界を夢想してみる。