叫び11

ゴルフはさ、やっぱりどうしてもさ、
バカかなって、思っちゃうよね

とんでもなく強い気持ちで、だから何?って思っちゃうなぁ
パチンコくらい思っちゃう
戦争くらい思っちゃうよ
ああそうだよなって思っちゃう
これが人々ってやつだよなって思っちゃう
バカだよね?
そうだよね?
それは間違ってないよね?
それでいいって思ってんだよね?
パチンコはこれからもそれなりに繁盛し続けるし
戦争はこれからもずっとなくなることはないし
それにより溢れる人々は暇を持て余し、
ゴルフやらなにやらかにやらで忙しく忙しなく、永遠に消えることのないごみや押し殺した感情だとかを増やし続けるよね

もちろん、そうだよ、
野球だって
小説だって
バンドだって
美味しいパンがつくれたってたべれたって
だから何って話だよ

バカかなって思うのはゴルフに限った話じゃない

つまり
何が言いたいのかって言ったら
捨てたって消えないごみをつくりだすこと
押し殺したって死なない感情を捨てること
それやめてって言いたいの

捨てたって消えないことにいい加減に気づいてくれよって話なの


付け加えて言っておこう
ぼくはわざわざ何かを嫌いになることってあんまりないんだけど
そんなぼくが嫌いな人がいる

ぼくね、煙草は嫌いじゃないんだけど
煙草を吸ってる人が嫌い

ただの喫煙者ならまあ別にいいんだけど、
それがもしも誰かの親であるならば
ぼくは許せない
ぼくは認めない
誰かの親という重要な役目を務めさせていただいている分際で喫煙しているとか信じられない、信じたくない

そして、ぼくは喫煙している本人よりもそれを黙認している相手が嫌だ、ぼくはその人が一番嫌だ

たとえば、父親が煙草を吸っていて、母親は吸っていなくて、その男の喫煙を母は黙認していて、その子どもも黙ってその家庭環境で生きているとすると、
ぼくはこの母親を軽蔑してしまいたくなって苦しい

ぼくの家系の人たちは
ぼくが小さいときは吸ってる人もいたけど、ぼくが中学生になる頃にはほとんどみんなやめていた

ぼくはいい時代に生まれたなって思ってた
これからの人、ぼくらが大人になる頃、ぼくらの世代は煙草は吸わないんだろうな、
中毒になる前に煙草は吸わないのがいいと知れているぼくらはよかったなって思ってたのに、

中学三年生の時、下校途中に
すれ違った隣のクラスの男子が煙草を吸いながら歩いてて、
うわー最悪、チクられるよ、みたいな顔されたんだけど、
お前の愚行におれ興味ねぇし、別におれは誰にも言わねぇよって心の中では強く言いながら通り過ぎたことがあるのと、

大学入学を機に家を出た兄
お酒はほどほどにね、
煙草はやめなよって言って送り出したのに、
その言葉をぼくの兄は守れなかったようだった

みんな寂しいんだよね
寂しくて哀れな生き物が煙草を吸い、お酒に飲まれている

そんな人たちがそんな人に育っていってしまったことは取り返せない事実だし、その人を責めることはできないけれど、

そんな生き物を誰かの親にしてはいけないよって思う
そんな生き物のまま、誰かの親にはなれないよって思う

ぼくの兄は結婚し、もうすぐ子が生まれるそうだ、ぼくと兄が話をすることはないから聞いてはいないんだけど、家庭を築いていく道を得た兄にはもう煙草はいらなくなったはずだと、ぼくは信じている


なんとなくこれも一緒に言っておこう

小学五年生くらいからぼくには確認強迫がある
いまも1日に何度も、これはチックと言われている症状なのだろうか手をゆすったり指を動かしたりの動作をしながら、しないといけないことをし忘れていないか切らなきゃいけないスイッチは切れているかとか、電気はつけっぱなしじゃないか水道の水はちゃんと止まってるか、ガスはどうか、などなど確認に回りだす、気が済むまでやらなければならないそれをしている最中に何か他のことに気を取られるようなことが起これば、確認作業は中断され、今までしていた確認はリセットされ、またまた何度でも確認して回らなければならない、
そしてこれが厄介なのは、これをすることはなんのメリットもなく、確認したその状態が正しいかよりもぼくの気が済むかどうかが問題であって、正しく相応しい状態にチェックできているかどうかはわからないということだ、確認はしているんだけれども、ほんとうに正しい状態に整えられているかは何度確認してもぼくは確信を持てていない

ずっとこうやって、ぼくはぼくの時間を消費してきた、ぼくに暇はなかった、いつも忙しかった、いつだって時間が足りなかった間に合わなかった、不安な時こそ、やるべきことがあり、それに時間を割かなきゃいけない時こそ、強迫観念は強くなる、ぼくはいつも焦っていた



自分自身が信頼できている人にこれでいいんだよって教えてもらったり、これどうすればいいんだろうねって一緒に考えたりしながら、自己の問題やすべての問題と向き合いたかった



寝る間を惜しんで頑張れるのは
一人じゃ寂しくて眠れないから睡眠時間を削って寂しさを紛らわせられる何かをつくっているってことなのかなって、ぼくは思ってる


ぼくはいま、兄が小学生時代に読んでいたのであろう、「鉄道/機関車と電車 小学館の学習百科図鑑11」を毎日少しずつ読んでいるんだが、

これを読んでいると思うよ、
なるほどなぁ
そりゃこれをしようと、これからつくりだそうとしている人たちの時代には性別的分業がどうしたって必要であったのであろう、
夢中で奔走している人々とその生活を夢中でサポートする人々の役目が別々にしっかりとあったのだろう



ぼくの名前は新幹線からきている
幼少期の兄は新幹線大好きであった




行きたいところにふらっと行きたい、ひとりのひかり暮らし、明日を恐れずに今日を生きたい、戦争と虫歯と宝くじのない世界を夢想してみる。