真理12

名前を与えようと思う
ぼくの三者に

ひかりとあきらとしげる

触れられる視覚で捉えられるかたちある体が光
悲しいとか苦しいとか寂しいとか感じる心が亮
楽しい嬉しいまたしたいまたしようと思う頭が茂


性別ってね、からだにしかないんだよ

体だけは男性か女性のどちらか一方しか持てないの

体も心も頭も全部、自分で育てるものなんだけど、体だけは、男性は男の体を、女性は女の体を育てるの


みんな半分しか持ってないの、だから男性は女の体を求めるし、女性は男の体を求めるんだよ

心と頭はね、無限に持てるし、性別なんてないんだよ


男らしさの型、女らしさの型、そのどちらか一方だけの分の頭しか育ててない人々はね、体だけではなく、持ってない方の心も求めているから、条件にぴったり合う相手はなかなかいない、いや、いない
もしいたとしても、分かり合えることはない
大抵は合っていない相手と我慢のし合いを続けていくんだ

社会にある男らしさの型をばっちり身につけてきた男性が、女らしさの型だけを完璧に育ててきている女性と出会えれば、まるでぴったりな1組ができるかもね


型に嵌められた分のだけの男か女のどちらかだけの心や、偏りある思考をする頭しか育てなくていいなら、めっちゃ楽、めっちゃ時短、すぐ大人になれるから、

中身スッカスカの大人たちが、体だけを増やしていくんだね

皆、からだにしか名前を持っていない




私が君に求めているのは君の体だけ
君が私に求めるのは私の体だけだよ

それはどういうことかって言ったら、
からだ以外は自分で持っているものだからなの


心と頭はね、自分で育てて自分で満たさなきゃいけないものなの


私が欲しいのは君の体だけで
君が欲しいのは私の体だけ


そして私は君がいれば何もいらなくなってしまうから、

そうなると私はそれ以上、心と頭を育てられなくなるだろう、

頭は働かなくなって、心は奪われてしまう
それは取り返しのつかない過ちだ


だからそうならないように
私は私の心と頭をしっかり育てて、自分で満たしてからじゃないと、
君に会いに行けないんだ


私の体を完全にするためには君の体が必要
その前に私は私の心と頭を完全にしておかなくちゃならない
さもなくば私は一人の人でいられなくなってしまうだろう

行きたいところにふらっと行きたい、ひとりのひかり暮らし、明日を恐れずに今日を生きたい、戦争と虫歯と宝くじのない世界を夢想してみる。