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6/7-掌編 理想と現実

成瀬たまにバグるよねって言葉と

本物の成瀬だ、
って言った
君らの発言はぼくの中を回り続けている

どこかに偽物の成瀬がいたんだろうか

バグっているのはぼくの生きる世界、
つまりは君らが文句たらたらふらふらゆらゆら流れてる社会のほうさ

ぼくはぼくがバグらないように
ぼくの特殊能力、擬態を使っているだけさ

誰もやってくれないみたいだから
ぼくはこの世界のバクを直すため奮闘中
忙しすぎる、やるせない、ぼくは誰より先に死にたい、誰にもおいていかれたくない

でもだからそれ以上に誰もおいていきたくないから、
ぼくは必死に生きていく、そうやって死んでいきたい


会いたい

行きたいところにふらっと行きたい、ひとりのひかり暮らし、明日を恐れずに今日を生きたい、戦争と虫歯と宝くじのない世界を夢想してみる。