賢い人なのかも

私ね、力のいる仕事を男の人にやってもらうことが苦痛に感じてたの

男の人のほうが女の人に比べて全体的に力が強いのはわかるんだけど、

女の人だって、普通に頑張れば、一般的な男の人くらいの力はつくでしょ

すごく強い男の人くらいの力を女の人でつけようとするのは無理があるけど、普通の男の人くらいの力は普通の女の人だって少し頑張ればつけられるのに


たとえば簡単なところで言うと、瓶の蓋をあけるのとかが自分でできなかったり、ちょっと重いものを運ぶのとかをすぐ誰かに手伝ってもらいたくなったりするのは面倒じゃない?
だから私は自分でできるようになりたかったし、男の人たちに比べて力の弱い自分が嫌だったの

すぐに男の力を借りようとする女が嫌だったし、そんな簡単なことで女に頼られることでやってやった気になる男が嫌だったの

自分にできることはそれぞれ自分で頑張り、自分にはできないことを助け合うようになりたかったの


力仕事を男に頼り、代わりに女は何を頼られる?

力ばかり強くして自分で考えることをしない男、力のいる仕事を頼ってばかりで力のない女、自分で考えることをしない自分で考えることができない男の未来を思案してあげなきゃいけなくなる

ある程度の力は自分につけ、ある程度の思考は自分でできるようになるべきなのに、

力はあるけど思考力がない人々、思考力はあるけど力がない人々、などなど、自分一人では立っていられない、いま一緒にいてくれている人がいなくなってしまえば、どうしていいかわからなくなる半人前の人々で溢れる社会、
ある程度の力があり、ある程度の思考力があれば何があっても、何を失っても、いまあるもの、そこにいる人たち、新たな出会いで、助け合って生きていけるんだけど、
半人前の人々は片割れを失うと、どうしていいかわからなくなるんだよ、だってもともとわかってなかったんだもの

それでいて
ぼくらはいつだってなんだかね、
失う予定なんだよね
代わりになる人々をたくさんたくさんつくっておくんだ

やるせない
ぼくは
やっていけない


男の人が女の人よりも優れている分野は力が強いということよりも、思考に関することだと、ぼくは思う

身体的な力をどこまでもどこまでもつけるより、
男の人たちに頑張ってほしいのは、
頭を使ってほしいってことなの

男の人のほうがね、身体に影響されることなく、思考を深められる力を持っていると思うよ

女の人はね、どんなに頑張っても、考えて考えて思い悩んでたら、身体に影響が出て、考え続けることができなくなるの

女の人たちに言いたい
女の体で男を惑わせないでくれ、
考えるべきことを考え続けさせてあげてくださいと

だけどもいま現在、現実は、
考え思い悩んで、考えることができなくなった女どもは、男どもから思考力を奪いにいくんだ

わかるかい
この地獄が

わかるだろう
皆、身をもって体験中だ


女の人が男の人よりも優れているのは
その精神力だよ
男の人の比じゃないほどの力を持っている
女の人がその気になればできないことなんてない
だからそれを恐れ、男は女に力をつけさせないようにしてきたし、
男より頭を使えなかった女は、その策にまんまとはまり、男に力をつけさせ頼ることを、覚えてしまったんだ

これからどうしようか
自分で考えよ


行きたいところにふらっと行きたい、ひとりのひかり暮らし、明日を恐れずに今日を生きたい、戦争と虫歯と宝くじのない世界を夢想してみる。