見出し画像

連作短編集おすすめ 5 (+2) 冊

連作短編集がとても好きでよく読むので,その中でも特におすすめの 5 冊をまとめてみた.連続短編集とは,それぞれの短編がつながりを持っている短編集で,グランドホテル形式,オムニバス形式,群像劇とも言われる.

1. フィフティ・ピープル (チョン・セラン)

大きな病院のある街に住む 50 人 (実際は 51 人) の様々な人生と,それぞれの人生がゆるく交差していく様子を描いた韓国小説.それぞれの考え方や生き方が絶妙に絡みあうことで 1 つの社会が構成されていく.1 人約 10 ページ,全 500 ページにも及ぶ作品で,自分の読んだ中では 1 番大きい群像劇.

2. ドミノ (恩田 陸)

27 人 (+1 匹) の物語が同時進行で進んでいき,最終的に東京駅に集結し,まさにドミノ倒しのようにバタバタと伏線が回収されていく.展開もスピーディで一気に読んでしまえる作品.

今年,19 年ぶりに続編が出て,そちらも安定のおもしろさだった.今度は上海のホテル「青龍飯店」が舞台.1 作目の人物も再登場するので,1 作目を読んでから読むのがおすすめ.

3. One World (喜多川 泰)

自分が連続短編集が好きになったきっかけの本.ある話ではある人の影響を受けて生きてきた主人公が,別の話では誰かの人生に影響を与えている脇役になっている.そして最終話の主人公の人生に影響を与える脇役が第 1 話の主人公になっていて,タイトル通り最終的に 1 つにつながって終わる.

本著者の連続短編集「「また、必ず会おう」と誰もが言った。」もおもしろく,こちらは映画化もされている (映画は微妙だったので本がおすすめ).

4. アイネクライネナハトムジーク (伊坂 幸太郎)

いろんな人がいろんなところで出会い,人間関係がつながっていく作品.伊坂幸太郎には珍しくスッキリした読後感なので,他の作品があまり好きじゃない人でも楽しめそう.去年映画も公開されて,そちらもおもしろかった.

5. 少女は卒業しない (朝井 リョウ)

廃校が決まった高校の卒業式の日を描く連作短編集.7 人の少女の目線での青春が描かれており,それぞれの登場人物が友情や先輩後輩などでつながっている.朝井リョウの本は,リアルな描写や言葉遣いが多くて好き.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?