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約束の地 - 大統領回顧録 I

オバマ大統領の自伝「約束の地」がとてもおもしろかったです.

上巻ではオバマ大統領の生い立ちから大統領就任まで,下巻では就任後から 2011 年のオサマ・ビンラディン暗殺までが描かれています.上下 2 冊で合計 1,000 ページを超えるものの前編で,後編は今後刊行予定のようです.

大統領就任後のパートからが特におもしろかったです.リーマンショック後の経済対策,メキシコ湾原油流出事故,オバマケアなど,次々に降りかかる難題に,それぞれどう考え,どう対処していったかが丁寧に書かれていて,大統領の意思決定プロセスを辿ることができ興味深かったです.大統領の意思決定は 1 歩間違えれば世界を混乱に導きかねず,世界で 1 番難しい仕事ではないかと思います.読んでいると自分の仕事が簡単に思えてきました.

また意思決定だけでなく,その意思の実現の難しさも知ることができました.あらゆる政治的な駆け引きや根回しはもちろん,常に反対派からの批判にさらされながらものごとを前に進めていく必要があり,その複雑さは想像を絶するものがありました.日本でもパンデミックやオリンピック関連で一見理不尽な意思決定がおこなわれているように見えますが,その背後にある政治的な複雑さをもっと想像しながらニュースを見ようと思いました.

ビル・ゲイツも今年読むべき本として紹介していました.


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