見出し画像

やるせない、の行き先

2020/02/28

昨日から風が冷たくて少し痛くて、
また寒い日でしたね。
コロナの影響が最初に私が認識していたよりも、拡大している事に驚き…それによる莫大な影響が各地であるようで。感慨深い気持ちになる瞬間があります。体調には十分気をつけて下さい!

突然ですが、やるせないという感情はその後何処へ行くのだと思いますか…?
今夜はそんな考え事の話をさせて下さい。

これはコロナの影響により、あと少しで今年度も終わる、というこの時期に各地の学校が休校になったり、イベントや卒業式が中止になったり。美術系、デザイン系の卒展が中止になったり。そんな情報を目にして、感じた率直な気持ちでした。

「やるせない…」

誰にでも「ああ、やるせない。」と感じた事は一度はあるはず。私にもいくつかありますが、ひとつ話をするのであれば、2年前の出来事です。丁度2年前の今頃、私はデザイン学科の卒展への制作に追われていました。(因みに、こう言うと、少しかっこ良く聞こえますが。私の場合はどちらかというとそれまで疎かになっていたツケが回って追われていたのだと、今は感じます。)

しかし、その年の卒展制作に取り掛かる頃の私自身や同級生にとって、少々、やるせない事が起きていました。それは、その年は普段よりも卒展を行うタイミングが2か月遅かったのですが、そのタイミングで毎年卒展で使用していた美術館が耐震工事のため使用不可になりました。私達の卒展は3年次の展示で使用したスペースと同様、となりました。

この出来事はつまり、人によっては大学に入る前から「あの美術館で、こんなスペースで、自分もいつか作品を見てもらえる機会があるんだ。」と強い憧れや目標として、長い間ひとつのゴール🚩としてあったものが、ゴールを目前にして突然目の前で消えてしまう。そんな出来事でした。

私達の場合、想像以上にあっさりと伝わった事もあり、当時は気持ちが沈んで仕方がなかった学生も多くいた様に感じます。勿論、大人、と言われる年でもあったで、しょうがない出来事である事や学校としても尽くしてくれている事。というのは解ろうとしていたし、事実を受け入れ、出来る事をやるのみ、前向きに取り組もう、という方向へ何とか、歩いていたと感じます。

ただ、ずっと、私には(そして恐らくみんなにも)
心の何処かでやるせない感情が漂っていました。
しかし同時にうっすらと、この感情が湧くのはもしかしたら自分が悪かったのかもしれない、直接的ではなくとも、ただ何となくそんな気持ちがありました。

さて、それから2年が経ちます。
今年も各地の美大生や芸大生は卒展に励んでいる時期だ。と感じながら、SNSで必死に制作をしている学生の作品を楽しみにしつつ、みんな凄いなぁ。と自身を振り返っていました。

そんな中で、突如現れたコロナの騒ぎによる卒展中止という文字。当事者でなくとも、胸が痛いと感じます…。恐らく該当する学生の殆どは、この1年の大半の時間を、卒展を行う日の事、足を運んで下さる人の顔を思い浮かべて過ごして居たんですから。1年に限らず、何年も前から目指していた日だったかもしれません…

それを思うと、どれほど悔しい事なんだろう…
これこそ、やるせない…。

他人の事とはいえ、気持ちを解るとまでは言えないものの、その学生達から出てくる言葉が胸に刺さる様な感覚でした。一度はこの気持ちを心にしまったものの、やはり何処か苦しくて誰かと共有したいと思い、大学時代からの友人に久しぶりに連絡を取りました。

前置きも何も無く、
卒展中止となったという内容のツイートのスクショと、どうしても2人に共有したい。の一言から始め、これこそやるせないよね…と。
その後の会話では、どうにか報われる事を願いたい。という共感や勝手な想いから、せめて延期になるといいな。やコロナが早く収まれば…などの願いについて話ていました。

でも一番に話したかった事、話せて良かった事があります。それは2年前、私達の卒展の場所が望んでいた場所では無くなった時の事の話です。

当時少なからず沈んだ時間、嘆き、事後のちょっとした言い訳。そんな過去に対して少しの"恥ずかしさ"の様な言い表せられない気持ちが今回を通してまた生まれた、ということでした。

正直、私達の状況は本当に恵まれていたのだという事。しかし当時はそれに勝る感情や想いが溢れていたから、素直に気づけていなかった。そんなような事。今回のきっかけからこういった会話をして、友人とも全く同じ気持ちであったという事は喜びでもありました。

○やるせないという感情の行き先
やるせないと感じる事は必ずあると思います。
そして感じてしまったら暫く漂っているのだと思う。それがこの感情の特性だ、と今は思います。その行き先はもしかしたら未来なのでしょうか。

未来でまたこの感情に出会いそうになった時に、どんな対処が出来るようなっているか、何を新しく感じるのか。その時に、以前よりも成長していられたら良いのではないかと思います。やるせない感情を少なからず未来への活力に変えて…

起きる全ての事を望み通りに対処をしていくなんてできないとは思います。しかし、起こった出来事を受け入れる、という手段しか選べなかった過去や状況を変えられる程の自信が無かった事。当時うっすらと感じていた、もしかしたら自分が悪かったのかもしれない、という気持ちはある意味その通りでした。

例えば私が2年前、毎日120%の力を卒展制作に注げていたかと言われれば、そうではなかった。

今回のコロナの影響で起こった事態を見ていると、2年前に自身が"こんな事"で、嘆いたり、気を落としたりしていたんだ…。ちっぽけだったな…と。自分は当時、それまでだったというだけの事、そんな風に思いました。

この事態をだれも予想はしていなかったとしても起こった時までをどう過ごしていたかによって、次の一歩や動き方が変わるんだなあ、と感じるのです。

だからこそ、今、日本で様々な場所でやるせない感情が漂ってしまいそうな事態が起こっていますが、その事態に屈せず、ただただ受け入れて過ごすというよりは何かより良い方法を見つけたり、バネとして。

各々が自身にとって次に繋がるように日々、精一杯過ごせたらいいなと考えています。
こういう時こそ、力を合わせて。
少しでも前に進める人、で在りたいです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?