くだらない話その1
はじめに言います。これは読んでも誰のためにもならない、気の抜けた話です。
なんにも考えたくない人、暇つぶし、私のこと好きなマニアックな人にくらいしかおすすめできません。
ちょっとでも笑ってもらえたら万々歳なくだらない話を真剣に書くシリーズでも作ろうかなと。
誇れる場所
中学生のとき。
父が定期的にお願いしており、マッサージ師さんが自宅に来た。
いつもソファで寝転ぶ私は、部活で疲れていたこともあり、この日も他人が来ても布団をかぶって寝たふりをしていた。
そして、帰ってから父に言われた。
「お前の足、いい足だって褒められたぞ。土踏まずが綺麗で、疲れにくい足だって言ってたぞ。」
つちふまず……?
自分の足の裏を見た。
父の足の裏を見た。
母の足の裏を見た。
確かに、綺麗なカーブを描いていた。これが曲線美というやつだろうか。
言われてみれば、部活(テニス)をどんなにしても次の日だるくなるのは上半身だ。足は疲れるし筋肉痛にはなるけど下半身の方が回復が早い。
中学生というコンプレックスばかりが気になる時期に専門家に褒められたからか、自信を持って自慢できるようになった。
昔、友達カードみたいなのが流行っていて、名前や住所、初恋はいつだの好きな食べ物だの色んな質問に答えるカードをよくみんなで交換して書いて渡していた。
「気に入っている体の場所は?」なんて質問があれば
「土踏まず」になった。
どこも人より優れてるとは思えない
あれから20年近く経った今も、土踏まずは自慢できる場所だ。
なんなら、足の甲は母が「すべすべで気持ちいい」と言って離れないくらいで、私の体の中で最も潤いがある場所だと思う。
なので足先周辺は好きな方である。巻き爪なのが惜しいけど。
私は名前が「瞳」で目を褒められることは多いが、もっと目の大きい人はいくらでもいるし、形やら色やらは、好みでしかない。
せめてもの思いで目が悪くならないように気をつけてはいたが、両親0.1以下の視力で、遺伝には勝てず我が家は6人家族全員目が悪い。
目が良ければ自信になったかもしれない、自分でもよくわからない基準だけど。
とにかく、わかりやすい目や口などは好みだと思うので自慢できる部分としては悩ましい。
と、ずっと思っていたところに来た「土踏まずが綺麗」という言葉は、救世主だった。
「好みのタイプは?」
「わからない」
みたいなつまらない答えにならずに済む。
「気に入っている体の場所は?」
「土踏まず」
と、自信を持って即答できるのは気持ちがいい。
あの日、あの時褒めてくれたマッサージ師の人に大感謝である。
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