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【趣味・映画の話】ROCK YOU!

みなさん映画好きですか。僕はわりと好きです。

そんなわけなので昔観た、最近観た映画の感想です。

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・騎士道はノリと勢い
「歴史考証?うるせーーーーーしらねーーーーーFINALFANTASY」みたいな、
ノリと勢いとスポーツ感だけで作られた映画、それが『ROCK YOU!(邦題)』。原題は『A KNIGHT'S TALE』。そのまんまだな。
僕は歴史のお勉強ができないお馬鹿なお子様だったので、この映画を観た当時は某テコンドー漫画の主人公みたいな顔で
「へぇー、14世紀フランス・イングランドでは馬上槍試合がフットボール並の人気競技として庶民に親しまれてたのかぁー」
とクソみたいな勘違いをしておりました。バーカ。

主演はヒース・レジャー……んん!?ヒース・レジャー!?あのヒース・レジャーの初主演作か!!約10年ごしの衝撃。

「ヒース・レジャーって誰?」って人へ。
みんながニコニコ動画とかで再生してる、バットマン嘘字幕で、
毎回バットマンにオデコごちんってされてるクッソ渋い演技するジョーカーです。
艶のあるモンスター……

・ズンズンチャ♪ズンズンチャ♪
『中世を舞台に騎士物語をスポーツ映画風に味付けした映画』これがこの映画の全てである。
これ以上どない説明せえっちゅうねんというくらいにはシンプルな映画である。
平民生まれの青年が、騎士の身分を偽って馬上槍試合に参加し、腕っぷしでのし上がってゆくというシンプルな物語である。

素材は騎士物語だが、味付けはスポーツ映画なので、当然スポーツ映画のお約束的なことは網羅するのだ。
頭角を表す若き才能。ライバルとの邂逅。
試合を見つめるヒロインとのラブロマンス。
そして父親との熱い抱擁。カーッ!ベタ!

この映画世界の馬上槍試合はスポーツなので、試合中にQueenのWe Will Rock Youとか流すのである。バスケとかフットボールとかのノリである。
「へぇー、世界最高のロックバンドQueenが世界中で親しまれているのは知ってたけど、
14世紀フランス・イングランドでも馬上槍試合の応援歌として使われていたのかぁ」
流石にバカの僕もそこまでバカではなかったよ。

世界大会(世界大会ってなんだよ)の全選手入場パレードは映像的にもめっちゃ元気になれる、本作屈指の名シーンだ。
The Boys Are Back In Townとかノリノリで流しながら入場するのだ。
主人公・ウィリアムは騎士になるという夢を(身分証偽造だけど)叶えて、帰ってきたのである。父のいるロンドンへ。
カーッ!ベタ!でも好き。

騎士『っぽさ』
そんなベタなスポーツ映画的展開に、ビミョーにエッセンス程度に騎士味を足していくのだ。
きしみ派はバカだな。

立身出世を狙って身分を偽るウィリアムは、馬上槍試合を通じた様々な出会いを経て、
いつしか本当の騎士の誇りを胸に抱くようになるのである。
……歴史よりエンタメに振ってるこの映画における『本当の騎士の誇り』ってなんやろ。

ざっくり調べで歴史好きの方には申し訳ないのだが、ひとえに騎士と言っても色んな騎士がいたのだそうな。
忠誠、公正、勇気、武勇、慈愛、寛容、礼節、奉仕を体現した『騎士道』というのはあくまで理想・虚像であり、
実際のところは昔ながらの職業軍人みたいな人が多かったりしたらしい。なかには略奪を行う粗暴な騎士なんかもいたとか。
特にこの映画の舞台である14世紀なんかだと傭兵のほうが多く使われていて、
傭兵隊長なんかに転身できなかった騎士は強盗騎士なんかになってしまったそうだ。
なんだそりゃ、面白い。調べたら沼にハマりそうなので一旦足を引く。

ではこの映画における騎士の誇りとはなんぞや?
スポーツマンシップである。
騎士達が名を挙げるための馬上試合だが、勝てばよいというものでもない。
相手を貶めることなく正々堂々とクリーンな試合で勝つことがかっこいい。
現代のスポーツもそうだよね。対戦ゲームでシャゲダンしたり屈伸煽りしたりしてませんか。そういうとこやぞ。

相手が身分を隠した尊きお方であったとしても、試合の場では立場は平等。
正々堂々と戦うことが相手への最大の礼儀となるのです。
えっ、職場で接待麻雀とか接待モンハンとか接待スマブラとかしないのかって?……えへへぇ、いやぁまぁ、それは、えへへぇ。

そしてウィリアムのライバルとなる騎士は、身分は騎士だがこれがまた嫌な奴なのである。
スポーツマンシップの欠片もないクソ野郎である。
それに正面から立ち向かう、身分は偽物だが本物のスポーツマンシップを持った男の物語。
それがROCK YOU!(邦題)である。

そして主人公に偽造身分証を書いてやったジェフリー・チョーサー(自称)は、
のちにこのウィリアムとの思い出をもとに『カンタベリー物語』を記すのである。
そんなわけねえだろ。

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