詩| そして、夢だと気づく
淡い影がのしかかる
遠い記憶と重なるそれを押しのけることもできない
代わりの思い出を上書きしようとしても
混ざり合うこともなく 染みのようにただ広がるだけ
この気持ちをそっと辞書で探してみる
わたしだけの言葉を探してみる
他のどこにもない感情を。
夢の跡がひとすじの涙に変わる
追いかけて追いかけて たどり着けない向こうに
泣き叫び求めても
いつだって
あなたは あちら側。
いつだって
あなたは あちら側。
求める手はからまわり。
いつだって
わたしだけ こちら側。
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