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メタの決算 メタバースへの投資は引き続き多大な損失

マーク・ザッカーバーグは、メタの未来がメタバースにあると確信しているのかもしれませんが、決算を見る限り、メタバースは巨大な金食い虫に思えます。
2023年1~9月期、同社のリアリティ・ラボ部門(AR、VR、メタバース関連ソフトウェア)は115億ドル(約1兆7000億円)の営業損失を計上しました。以下の表の通り、これまでの最大損失(2022年の137億ドル(約2兆円))を更新する可能性があります。
2021年の102億ドル(約1兆5000億円)、2020年の66億ドル(約9900億円)、2019年の45億ドル(約6700億円)の損失に加えると、メタバースへの投資総額は4年間で500億ドル(約7兆5000億円)に迫る勢いです。

そして、残念ながらこれで終わりではなさそうです。
積極的なコスト削減策にもかかわらず、メタは2024年にリアリティ・ラボの営業損失が増加すると見込んでいます。
2022年、同社の営業利益率は40%から25%に低下し、営業利益総額は2021年の468億ドル(約7兆円)から昨年は289億ドル(約4兆3000億円)に減少しました。
メタの収益性の高い「アプリ・ファミリー」(フェイスブック、メッセンジャー、インスタグラム、ワッツアップ)も、広告収益の減速とリールへのシフトがトップとボトムラインに打撃を与え、減少に貢献したと言えます。
そのため、リアリティ・ラボ部門の137億ドル(約2兆円)の営業損失は、メタの他の中核事業で吸収することができませんでした。

メタバース事業が収益に貢献するようになるには、まだしばらく時間がかかりそうです。他の企業も同様にメタバースでは苦戦しているようですので、業界自体がいつ離陸するかということかもしれません。



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