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2020年を終えて

2020年の公式対局がすべて終了しました。25勝24敗2分の51局はこれまでの最多対局だったと思います(内訳は珠王1-4-1、三上2-3、名人戦一次3-1、名人戦二次4-2、関東4-2、名人戦A級3-5-1、彗星2-2、World Renju Open4-3)。コロナ禍とうつ病発症により日常生活が大幅に変わる中、これだけ対局できたのは運営の方々のおかげでもあり、さまざまな幸運に感謝します。

生きる希望を連珠に集約させた一年でした。私はあれこれ手を出して生きてきただけに一つのことに絞る日々も貴重でよいものだと新鮮な毎日でした。成績はやっとのことで五分で、内容の悪い棋譜も多かったです。上位陣と当たることが増えついていくのに精一杯、あちこちあざだらけでつまづきながら一生懸命形だけ並走しているような感じでした。来年はもっとちゃんとした実力をつけて、転ばないでついていけるようになりたいなと思います。

コロナ禍で連珠との向き合い方にも影響が出ました。元々の私は不特定多数の人にゲームを楽しんでもらうような活動を中心にしていましたが、通りすがりの人や大人数との出会い、というものを制限されて、活動がほとんどできませんでした。そんな中で、将棋のプロの対局は淡々と行われていました。心の奥に、プロの人は私のような活動をしている時間がないから、その代わりに自分が普及をしているんだ、という自負があったのですが、自分が何もできない中、プロが対局を見せて楽しませることで人に夢や希望を与えているのをこれまで以上に実感しました。自分自身娯楽が無い中で将棋の対局を見るのが憩いの時間となっていました。

女流棋士の新棋戦ができたり、若手やベテランが活躍する姿を見て刺激も受けました。次第に、自分も女流棋士の人たちに恥じることない人生を生きたいと思うようになりました。また連珠を頑張る姿を人に見てもらって、なにかしらの明るいことを与えられたら嬉しいなと。初めて、連珠棋士になりたい、と思ったのです。

外出することのリスクと対局することのゲインを比較せざるおえませんでした。その時に自分にとって連珠は公務だ、自分だけでなく周りのためにもなるんだ、と堂々と出ていけるようになりたいと思ったのも理由の一つです。帝王戦で予選落ちしたときに、自分にとって大事なものが失われていくような感覚を覚えました。それは私にとって対局が公務だから、と言えるようになりたいと。今はまだ人に夢や希望を与えられるような実力ではありません。でもいつの日かそのようなものを目指したいなと思ったのです。

とはいえ、あまり堅苦しくならずに楽しんで連珠の道を歩いていきたいです。最後の公式戦はオンライン国際戦でした。オンライン対局は苦手でしたが、来年も重要な対局が行われるかもしれないため、慣れておくために出ました。会ったことのあるエピファノフやメトレベリ、トプキンとの対局は顔を思い浮かべながらでとても楽しかったです。メトレベリには完敗で、新たな目標ができました。トプキン戦はうまく打ててたようで、私にmateがあったようです。観戦していた林皇羽が「Maiko mateに気づけ〜〜〜」と叫んでいたとか笑。憧れの棋士が観戦してくれただけでもミーハーな私は嬉しくなりました!どんなに強くなっても観る珠心は忘れないでいたい笑。

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日本からの参加者は4名と少なかったのですが、勿体ないと思いました。国際戦は自分の力を広い世界で試せて刺激を受けることが多いです。ただ今年の連珠界はコロナ禍の中でも活気があり、ユース世界選手権に久しぶりに参加者がいたり、牧野新四段が帝王戦決勝に出場を決めたり、長副四段が復帰したり、他にも新たな強豪がたくさん参入してにぎやかになりました。ユースの二人は国際戦のあとそれぞれ棋戦で優勝し、大きく成長しています。メトレベリ先生のような年上の大ベテランにも、末永二段や河本初段などの後輩にも刺激をもらえるのは本当に幸せなことです。そして何より幸せだなと思うのは、これだけ対局して、今なお1分1秒でも連珠道場で対局したいと思っているということです(笑)。飽きることなく、2019年よりも好奇心が深まっているものに出会えたのは幸せです。来年も楽しんで努力したいと思います。

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(珍しく好成績で嬉しかったのでスクショ。ただ上位との差もはっきりしているので、これからますますがんばらなくてはいけません)


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