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0円空き家を旅館にする現場を訪れてみた

わたしはコロナ禍になった3年ほど前からDIYや空き家再生に興味を持ったのですが、その中でも最近加速度的にハマっていくきっかけになった方、この界隈のワクワクに導いてくださる方が何人かいらっしゃいまして、その一人に「らいおん大家さん」という方がいらっしゃいます。

らいさんの活動は主にVoicyというほぼ毎日ガンガン更新してくださる音声メディアや、健美家コラム、noteなどでたっぷり浴びる(笑)ことができます。よくもまあ、活動しながらこれだけ発信できるなあと思うほどたくさん発信してくださってます。DIYerや空き家再生家の方々は自分の体験や学び、気付きを発信して共有してくださる方が多く、中でもらいさんは楽しい!という活動の原点みたいなことをたくさん発信してくださっています。不動産投資家でもなく、生粋のDIYerでもない、技術もない私が、なぜこんなにはまっているのか、自分でもわからないうちにワクワクの匂いを感じとって吸い寄せられてるからだと思うんですよね。そう、空き家再生ってワクワクするんです。そして人って利益追求だけでは動けないと思うんです。なんらかの社会的意義とか、人を楽しませたり、自分が楽しいと思ったことを共有して、、そういう喜びがあることを人生の柱としていきたいのではと思います。私も全然利益追求できないボードゲーム界隈で、細々とマネタイズしながら生きてきたので、らいさんの発信にはいちいち共感することが多かったのでした。

前置きが長くなってしまったのですが、先日三重県鳥羽市で0円でもらった空き家を旅館に再生中のらいさんに「何かお手伝いできることはないですかっ」といきなりメールを送ってしまいました。全くの無名のワタシの居ても立っても居られなさをらいさんは忙しいのに快く受け取ってくださり、現場を見学させていただけることになりました。作業自体はプロの大工さんにしっかりやってもらっているので、何もお手伝いできることはなく、ただお邪魔しただけだったのですが、空き家が想像以上に素晴らしかったので、皆さんにも私の感じたワクワクをお届けして少しだけお役にたてればと思います。

大切にされてきた家とひと目でわかる、綺麗な築100年の空き家

まず最初に息をのんだのは古い壁の美しさ。繊維壁なのかな?ホコリやヤニが染み付いた様子もなく、経年による風合いの美しさだけが際立っていて、思わずシャッターを押しまくってしまいました(建物全景の写真がないw)。よくある和室→洋室化みたいに、がんがん壊してベニアを貼ったりせず、このまま残してくれるとのこと。さすがらいさん!これ、ちょっとやそっとでは出せない美しさですよ。作った職人さんも素晴らしい仕事したのだろうし、長年守ってきた方のおかげで、こんなに美しく残っていたのだと。

次に惚れたのがここ。トイレ。タイルが綺麗すぎる!!!!(これ、、塗ったりはつったりせずに使って欲しい…)と思いながらタイルを絶賛したらこのままでいく、とのこと。らいさん神。

おしゃれすぎる。今買おうと思っても手に入らない美しさ


この天井に貼った野地板は二階和室の畳の下に貼られていたものを再利用したとのこと。和室だから、古いから、といってすぐに解体せずに素材を生かして再生しようというらいおん大家さんの強いこだわりが垣間見えます。

大工にとって施工現場は対局室だった

ばしばし壁のパーツの写真撮りながらも、私はビビりまくってました。プロの大工さんが仕事してる現場って初めてだったからです。一瞬で、「あ、これ対局室と同じや」と理解した私。そう、棋士の思考を妨げないように、物音一つたてずに恐る恐る中に踏み入れるあの感じと同じでした(私は仕事柄タイトル戦の対局室にお邪魔したことが何度かあったのです)。

軽々しく来てしまってすみません、、と思いながら、集中を妨げないように、邪魔にならないように見学させていただきました。YouTubeばっかり観てるとあっという間に施工されていくけど、現場は想像以上にゆっくりとした時間が流れていました。根太一つ貼るのにこんなに時間をかけるんだ、何度もやり直すんだ、、、って。ヨコから観てて何が問題かわからなかったけれど、何度も考えながらやり直してるところは棋士が当たり前の一手にも長考してる雰囲気に似てるな…なんて思ってしまいました(将棋のたとえばかりですみません笑)。

二階和室。古いんだけど、なぜか綺麗なんですよ…

町全体がノスタルジックの極み

三重県鳥羽市というところは古くから観光で栄えていて、街全体がとても品がよくてきれいなところでした。地形は海に囲まれつつ、谷や傾斜もあったり、建物も全体的に低くてこじんまりとした日本家屋が並んでいました。一瞬時を忘れるような雰囲気があります。

近隣もこんな感じで古きよき美しさがあった

クラウンドファンディングはじまるそうです!!

こんな素敵な街で、めったに残っていない綺麗な古い家屋を使って、新しい事業が始まる、とてもワクワクしてきますよね。そのお手伝いしてくれる支援者を今募集しているそうです。そう、クラファンが今日から始まるそうです!!わたしも普段からワクワクを共有していただいて楽しませていただいているお礼に支援したいと思います。

再生しただけじゃ終わりじゃない

今回現場を訪れて実感したのは、これからが大変そうだなってことです。らいおん大家さんは今までも築古戸建のリフォームを手掛けていたり、何なら本業もリフォーム会社の現場監督さんで、プロなので、いい感じに完成させるのは絶対約束されてる。でも再生ってそこからがスタートですよね。この知らない街で、地元の人と交流しながら、外部の人も巻き込んで、新たなコミュニティを作っていって、初めて空き家がスペースとして生きた活動をしていくわけです。それってきっとリフォーム大家さんしていたこれまでとは全く違うノウハウや活動が必要になってくるはず。自分も5年ほどボードゲームカフェを経営していたので、スペースを作って維持するとなると、どうしてもその先に関心がいってしまいます。

カフェをやっていたときに、もちろん開店前は自分の目指している空間を作ることに全力を傾けたのですが、それって土台に過ぎなくて、訪れる人によって何重にも空間の色って変わっていきました。そしてコロナになってからもがらっと色どりが変わりました。なのでらいおん大家さんがやろうとしていることって、リフォームしただけじゃないすごく大きなことをやろうとしてると想像つきます。でもらいおん大家さんなら訪れる困難そのものも学びや楽しみに変えて、トータルで一つの空き家再生の文化としてコンテンツを残してくれるんだろうなあという期待感があります。この0円空き家がどんな色に染まっていくか、ワクワクしながら、応援しながら見届けたいと思っています!


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