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【新理事紹介】触れた個人から変容していく 社会的事業の新たな役割 -小野田峻さん #ひろがれPIECES

認定NPO法人PIECESでは、2020年に4名の新理事・監事が就任いたしました。

先日は新理事 荻原国啓さんのご紹介をしました。
今回は、小野田髙砂法律事務所の代表弁護士として、多くの企業や社会起業家の支援をさまざまな角度から行われている小野田さんを紹介します!

まず最初に簡単なプロフィールを紹介します。

新理事 小野田峻 (Onoda Takashi) さん

小野田さん

小野田髙砂法律事務所 代表弁護士。

小野田さんは、盛岡で東日本大震災に遭遇したことをきっかけとして、東京弁護士会内有志の津波被災地訪問企画を立案され、弁護士会としては異例の企画の継続実施の基礎を作られました。

2016年11月には、ソーシャルスタートアップ向けシェアオフィス(social hive HONGO)併設の小野田髙砂法律事務所を本郷三丁目にて開業(2018年7月には増床。2020年6月時点で、shHに入居している団体は19社。なお、PIECESもこちらに入居しています)。支援先の団体が向き合う社会課題は、シビックテックや官民連携、救急救命、日本酒文化、介護、食と演劇、子ども・若者支援や社会福祉の現場のデザイン、女性の両立不安の解消など多岐にわたります(小野田髙砂法律事務所は、2019年に内閣府により実施された「我が国の社会的事業に対する資金的及び非資金的支援の実態に関する調査」では、法律事務所としては唯一その取り組みが事例集の中で取り上げられています。)。
法務支援を中心とするビジネス横断的支援にとどまらず、社会課題解決に関連する各種リソースを有機的に連携させることにより、広くソーシャルチェンジメーカーの多様な可能性を未来に繋げる活動を行っておられます。

■リディラバジャーナル掲載記事


PIECESと小野田さんとの出会い

小野田さんとの出会いは、約2年前、2018年春ごろにさかのぼります。
当時は今よりもまだ小さな規模で活動していましたが、それでも「このままの活動でいいんだろうか」「PIECESとして大切にしているものを実現するにはどうしたらいいのか」ということで悩む日々でもありました。
そんな時に、小野田さんとの出会いがありました。「ソーシャルセクターの事業支援に精通する変わった弁護士さんがいる」と聞いて、漠然とした課題感を持って会いに行ったのですが、初回から度肝を抜かれたのをよく覚えています。
それまでは「抽象的過ぎて良く分からない」と言われることがほとんどだった団体のビジョンやアプローチに対して、ホワイトボードいっぱいに発散と収束を繰り返しながら、たった1時間足らずで私たちの大切にしたいことを言語化してくださったのです。

「小野田さんの力があれば、PIECESの本質を見失わずに、さらに飛躍ができる」

そんな感覚を持ち、定期的なディスカッションがスタートしました。
ちょうど同じタイミングで、以前のオフィスを退く必要があり、そのことも伝えたところ、たまたまsocial hive HONGOの増床のタイミングと重なり、2018年7月からsocial hive HONGOの入居団体としてもお世話になっています。

今回、小野田さんがより経営の中枢にコミットしていただくことで、ビジョン・ミッションの実現に近づくと考え、理事として参画していただくことになりました。

小野田さんからのコメント

PIECESの理事に就任してくださった想いについて、小野田さんよりコメントをいただきました。

課題解決でも価値創造でもない、PIECESが示す「個人の変容促進と想いのバトンの継承」という新たな軸

私はこれまで、社会起業家に伴走することを専門とする弁護士として、社会的事業が、課題解決と価値創造という評価軸(物差し)だけで測られる場面に違和感を抱き続けてきました。

そもそもどんな個人も団体も、取り組んでいる事業が、課題解決か価値創造のどちらか一方だけに当てはまるということはほぼあり得ない(安易にどちらか一方だけに尖らせることはかえって弊害が大きい)というだけでなく、
課題解決や価値創造だけが評価軸になってしまうと、社会的事業に取り組む団体、特に、地域に根ざした団体や、あえて規模感やスピード感を出さずに、生活の中で目の前の課題に向き合っている団体が、課題解決の文脈なら国や大企業の下請けとなり、価値創造の文脈ならメディアや世間の無関心を前にして「わかりやすさ」で切り刻まれることを強いられがちだからです。
その評価軸に乗せられた途端、その団体だけでなく、社会課題の「当事者」とされる方々でさえも、「課題」と「支援策」という二項対立の世界観の中で、多数決原理や市場原理に晒されることになります。

もちろん、課題解決や価値創造という評価軸において結果を示していける取り組みは、それはそれで素晴らしいですし、課題の性質上、解決可能な社会課題であればむしろ、人・時間・お金等の有限のリソースの効率的な配分という意味で、課題解決や価値創造という評価軸はなお有用です。

しかし、たとえば分断や暴力、あるいは命や死などに起因する社会課題は、私たちがコミュニティを形成して生きていく限り、無関心や誤解、思い込みから生じ続けるものとして、終局的な解決はあり得ず、私たち自身が絶えず、より良い仕組みを模索し、実践し続ける必要があります。
そんな模索と実践の過程それ自体を事業として表現している団体には、課題解決や価値創造とは別途、個々人の変容を促し、過去から未来へと想いのバトンを受け継いでいく役割があるのではないか。私がそう考え始めた時に出会ったのが、まさに人と人との関係性の中で生まれる個人の変容へのアプローチを続けてきた、PIECESでした。

個人の変容促進と想いのバトンの継承という、社会的事業の新たな役割を体現しているPIECESだからこそ、Citizenship for Children プログラムの全国展開を通して、私たち自身の意識、手元から社会そのものが生まれているということを、事業活動を通して表現できると感じ、いただいた理事就任のオファーをお受けすることにしました。

PIECESが広がっていくことを通じて、私たち自身の可能性が広がっていくことに、ワクワクしています。

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最後までお読みいただきありがとうございました!

次回のnoteでは、新監事にご就任いただきました、佐藤さんのご紹介とコメントを掲載いたします!


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■6/21開催!「ひらかれたweの社会に向けて」と題して、アニバーサリーイベントを開催します
今回ご紹介した小野田さん含め、新理事のみなさまにも登壇いただくトークイベント。ぜひご参加ください!


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