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車を売却するにあたり10社に査定してもらいわかったこと

先日、自動車を売却しました。

下取りに出したら二足三文にしかならなそうだったので複数社に査定してもらい、売却先を検討。

オークションサイトやフリマアプリがきっと高額なんでしょうが、譲渡や名義変更などの諸手続きが煩瑣なので今回は中古車買取店にしました。

その過程で気づきが色々とあったのでまとめます。


中古車売却は売り手に優位な面がある

金額を聞いて、売るか売らぬかは車のオーナーが決める。
ネット上の査定サービスの拡充もあり、売り手側が比較的簡単に
「より高く買い取る業者」を探すことができる状況になっている。
いくつかの業者の査定を比較して選ぶことができる点で売り手に優位な部分がある。

一括査定サイトでは電話攻撃がすごい

インターネットやラジオ広告で度々見かける一括査定。
ここに住所や電話番号を入力し査定申し込みをすると…
翌日の朝から止まらない電話、次々とあらゆる番号から入電します。
都合でその日に電話に出られなかったら、不在着信が20件余りになっていました。
そして、実は1度しかかけてこない業者や、異なる複数の番号から繰り返し電話してくる業者があることがわかりました。

「高く買い取ってもらう」以外にも、業者選定の要点があった

高価に買い取ってもらうことだけを狙って複数に見積もりを取りましたが、業者を選ぶ別の観点があることを知りました。
営業の悪い意味でのしつこさがないこと。
自動車買取の一般的な流れをレクチャーしてくれること。
その上で、自社の特徴を教えてくれること。
買取後に、車の不調を理由に請求をしてこないこと。などなど。

互いに時短するためには「希望額」があると良い

買取業者はできるだけ安く買い取りたいです。
売り手はできるだけ高価に売りたいです。
そして、その間にあるのは「相場」。
車種、年式、走行距離、状態によって価格は変わりますが、一般的な「相場」が存在するようです。
その相場を売り手が知らないから交渉が難しい。
逆に、互いにある程度の相場のラインを抑えていれば、短時間で買えるか、売るかの判断をつけることができます。

以下は私が査定をお願いした10社の感触をまとめます。

A社

誰もが見聞きしたことのある買取大手。
一括査定サイトに入力後、まず電話があったのはここ。
そして、さまざまな電話番号から時間をおいて何度も不在が入った。
合計すると10回近く電話が来ていたことになる。
査定の予約を入れ、明くる日に店に訪れる。

私としては初めての査定になる。
20分程度の実車の査定ののち、希望額を聞かれる。
希望額と言われても、どのくらいの額が妥当なのかがわからない。
A社曰く、相場としてはα円〜2α円程度だろう、他社も大差ない額を提示するだろう。
A社としてはできるだけ安く買い取りたいという。
しかし、査定一社目は不利であるということを伝えられる。
他社に見積もりを取ると過半数以上の顧客が他社に流れてしまうそうだ。
この辺りからも売り手優位な状況を知った。
いくらなら即決できるかと聞かれたが、即決するつもりがないことを告げる。
最終的に他社の査定よりも増額しますと告げられ、A社を後にする。

B社

次に地元の中古車買取専門店を訪れる。
地元業者という雰囲気で、通り一遍等の営業サービスはない。
コーヒーにしますか、お茶にしますか?のような。

これまでの見積もりでどのくらいの額が出たのかを聞かれる。
先のA社で最大2α円程度だったことを伝えると、うちなら少なくともその倍は出せます、と言われた。
中古車の価格が生物のように扱われているのをまざまざと理解した。
他社にも査定を出すことを告げてこの場はこれで終わり。

C社

次はネット査定の会社。
ネットで情報を入力、写真などを添付して送信したのちに電話がかかってくる。
ここでもやはり「希望額」を聞かれ、B社で提示された4α円を伝えると
「うちでは2α〜3αが精一杯です。またご縁があればお願いします。」
と切られる。
相手も買い取れない額では買えないのだと分かった。

D社

続いて大手の支店のD社に。
丁寧に対応していただき、ここでも見積もりを取った他社の様子や、希望額などを聞かれた。
さらにD社の特徴である、契約締結後は自動車の不調に対しての請求なしなどの方針を聞く。
印象は良かった。
こちらも即決できたらというニュアンスで話があったが、即決するつもりはないことを告げて去る。

E社

大手支店のE社。
早々に他社で最大4α円の見積もりをあったことを告げてから査定をしてもらう。
営業マンは私の所持品などに関連した話題を絡めて話を始めるなど好印象だが、E社が出して3α円くらいだという情報が入り、それで話が終わった。
価格を決めるのは現地の営業の人間ではなく、情報を統括している側のようだ。

F社

さらに大手のF社。
こちらも入店後すぐに、査定の依頼と、自動車の現状、他社の見積額を伝えて車を見てもらった。
20分程度で査定が終わり、こちらも3α円程度だと伝えられて話が終わる。
おおよそ、どのくらいの額が提示されるのかがこのあたりでつかめてきた。

G社

地元中古車買取の業者を訪れる。
ここでも車を見てもらう前に、他社の提示額を伝える。
不調がなければ4αは行くんだけどね、と言って査定が終わる。
やはり、他社でどの程度の見積もりがあったのかが基準になるようだ。

F社

大手で地元にない会社。
ネットの一括査定から連絡があった業者の一つ。
予約をして時間を合わせ、遠方から営業担当が見積もりに来る。
待ち合わせをしてそこで車を見てもらい査定をする。
ここでも4α円を提示して基準に考えてもらう。
営業担当は足を使って稼いでいることもあり、なんとか制約に漕ぎ着けたい様子だったが、本部が4αまでには至らない額を提示してきて、その日はそれで終わる。

H社

大手の中古車販売店。
査定もやっているということだったので訪れてみた。
こちらでも他社の額を提示した上で車を見てもらった。
が、最短時間で「うちでは4αは難しいですね」となり終了。

I社

大手の中古車買取専門店。
電話が一回入っていたが、フランチャイズだったらしく、さほど営業のしつこさはない。
こちらでも他社の査定額を伝えた上で見積もりを出してもらう。
30分程度で査定が終わり、4α程度の額を提示してもらう。
営業の方針も売り手側に対して良心的な雰囲気だった。

廃車にすると春先に支払った自動車税が返還されるなど、大手と地元業者で帰ってくる金額の微細は異なることもわかった。

今回は地元業者のB社に売却することにした。
買取価格に加えて、営業のシンプルさと、丁寧さ、地元志向のあたりがポイントになったかと感じてはいる。
A社を訪れた時に「10社に査定を取ったなんて聞いたことないです。大体3~4社でもういいかなとなって決めてしまう」と言われたから、かえってムキになって行脚したところはある。
が、それで知ることのできたことは色々あったかと思う。

この分野でも、リテラシのあるものが優位なんだなと感じました。

そしてだんだんと

いくつもの業者に査定をしてもらううちに、自分が「高く売れるかどうか」だけでない軸で業者を見るようになっていくことに気づきました。
10年以上も自分の足となって動いてくれた車を、ただの「モノ」として扱う業者より、「まだ生きている車」として扱う業者にこそ、託したいという感覚が芽生えてきたのです。
私の車をどう扱うかは、その営業担当者の言葉の端々に現れます。

10年来の相棒ですね
大切に乗られてきたようで、綺麗ですね
いい車なのでぜひうちで買い取らせていただきたいなと思っています

そう、私はただ車として乗っていただけでなく、
その時々の自分と文字通り伴走していた車だったのだなとこの時間になって気付かされたのでありました。


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