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【本】世界7大教育法に学ぶ 才能あふれる子の育て方 最強の教科書
モンテッソーリ教育、シュタイナー教育、名前やイメージは知っているものの、具体が乏しいので概略を掴もうと探していたところ、おおたとしまさ著の本書に出会いました。
モンテッソーリ、シュタイナー、フレネ、ドルトンプラン、サドベリー、イエナプランの7つの教育法を「進歩的教育」と呼び、紹介しています。
それぞれの教育の「概要」「現場レポート」「先生インタビュー」「子育てに役立つヒント」の順に構成されています。
終末の参考文献もなかなか興味深いです。
サドベリー教育の中で触れられている「きのくに子どもの村学園」と姉妹校のような関係にある「箕面子どもの森学園」がフレネ教育のトピックで登場します。
このようにそれぞれの教育に特色はありますが、そのルーツを辿っていくとピアジェやルソー、デューイなどに収斂することも示されていたように感じます。
本書を著すなかで得た私にとってのいちばんの発見は、いまと100年目とを比べても、教育者の嘆きや問題意識が恐ろしいほどに変わっていないという事実です。
本書で繰り返されていることは、かつての教育課題とされてきたものが100年経っても変わっていないことや、特定の教育を選択したからといって全てが成功するわけではないということです。
サドベリー・バレー・スクールの紹介ではダニエル・グリーンバーグの言葉を引いていました。
"社会の犠牲者とは「問題児」ではなく、実はこうした「優等生」なのです。何年もの間、外部の権威に寄りかかってばかりいたので、自分自身がなくなってしまったのです。(中略)
こんな子どもたちにとって、自由とは恐ろしいことなのです。こうしなさい、ああしなさいと、誰も命令してくれないのですから。"
(中略)私はむしろ、このような”教育”を「教育」とは呼ばないと思います。これは「人材育成」です。「人材育成」と「教育」は違います。
当たり前のように「人材育成」の文脈で「教育」を考え、語っていないかと問われるような一説でした。
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