見出し画像

街の選曲家#4

音楽が好きなので性懲りもなくまた選曲してみました。

その2つ以外は - TOMOVSKY

トモフスキーを聞いたのはカステラの大木知之さんとしての頃。バイトしていたスーパーの有線放送でよくかかってた。それ以降リクエストするようになったり、カステラのアルバムを買って聞いたりした。その歌、"ビデオ買ってよ"はラブソングでもないわけではないけど、そうじゃない多数の曲をやっているバンドの曲が有線でかかるのは珍しかった。当時のバンドブーム的なものや、金余りの余裕で余剰文化が花開いたという感じ。でもアルバムを聞き、それを重ねているとカステラワールドに引き込まれてしまう。そんな日々を過ごしカステラは解散してそれぞれの道に散らばっていった。そしてそういうことも忘れていたある日、タワーレコードで目を引くカセットテープを見つけた。TOMOVSKY、見た瞬間は誰だか分からなかったけど大木知之さんの多分自主製作のような感じのカセットだった。三部作。カバーのイラスト、歌詞や曲にカステラ時代とは違う彼の内面的世界を感じた。この曲はその後発売されたアルバム大航海の中に入っている曲。カセットの三部作からずっと彼の危ういハッピーさが感じられる。それは不安定ではあるが安心できてしまう。こういう人を愛してしまう。再び偶然レコード屋で出会えてよかった。


YM2612 Jam 01 - OSC

ジャケットがセガでありメガドライブである。そしてそれは慣れ親しんだOPN2でもあった。OSCさんはChiptuneを含むシンセポップの人で、ファンクの香りもする。bandcampに登録し出会ってから、全てではないにしてもよく聞いている。子供のころからPSG系、FM音源系の音をずっと聞いているので、この曲を聞くと懐かしさがやってきて引き潮のようなものと共に連れて行かれてしまう。浸ってると想いが浮かぶ。なぜこの曲なのか。そこには答えは一つしかない。この曲が好きだからである。いや、あるいはほかの答えもあるかもしれない。いまそれを聞きたいからとかね。そう考えると答えはないかもしれないけれど。単純に好きだし、今聞きたいんだ。


使命 - NakamuraEmi

品揃え弱めの音楽のサブスクに入り、視野を広げるようにリコメンドから何も考えずに聞いたアルバムの一つ。それがとても真正面から衝突してしまった。普通なら大けがだ。しかしそれが音楽だと幸せになってしまう。初めは一枚目のアルバムを聞いたんだけど、そのすべてが好きな曲ばかりではない。しかし概ね好きな曲ばかりであり、それは音楽、歌詞、リズム。ポップの中にもストリートっぽい、ヒップホップのような響きがあって、だが歌詞はそうでもなく心や世界の情景を歌っている。そういう部分が大好きだ。この曲は聞いた時に自分にとってはパーフェクトな曲だった。そしてまた世界が広がった。


鉄カブトの女 - パール兄弟

パール兄弟のことやサエキけんぞうさんのことはジョリッツも含め散々書いている。初期のパール兄弟で好きな曲はたくさんあるし全部かもしれないというくらいだけど、この鉄カブトの女のレコードを買ったときは嬉しかった。聞いて響いてくる音やそのパワーに感激した。ファンファーレで始まりソリッドに響くギターの旋律、爆発するドラム、ドンドンと鳴り続けるベース。そして様々な音が入っていて渾然一体としたサウンドだ。そしてそれを聞いている私は、ギターに打ちのめされながらも淡々と響くボーカルというかラップに幻惑された。そしてドラムのドドドドドドドドという号令の下に始まるサビの部分、ギターがノイズのように聞こえる最後のリフレイン、どれをとっても最高だ。最後のリフレインはドラムとベースの存在感が出ているのにもかかわらず淡々とし安定。ノイズバンドのようだし、そういうのも好きだ。アレコレ入っている音もすごい。そしてこの曲のPVも最高だし、12インチシングルのレコードジャケットが大きくてとてもいい。


Digital Love (Boris Dlugosh Remix) - Daft Punk

Daft Punkが解散する。自分的にはソニーのCMと共に出現したOne More TimeがAuto-Tuneでの歌声と共に響き、衝撃と共に頭を駆け巡った。それから随分経ち誰もが知っているバンドになって、普通にニュースを見ててもトランプ大統領が訪仏の時とかのパレードのマーチング曲にもなったりしていた。それが爆発した。未だに何が何だか分からない。いや解散するのは聞いた。だがそれを理解できないようなそんな感じ。そしてこの曲、Digital Loveはベタな八十年代ポップロックを思い起こさせる。曲も歌も。そしてそれは嬉しいこと。幸せに包まれるような。言葉の間違いを承知で言えば多幸感のような。そんな感じ。荒野の中に幸せがあり、ぽつぽつと浮き上がってくるような。乾いた風が吹いていてふわっと浮くような。そんな感じの曲。


前回、前々回


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?