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街の選曲家#5

いつものように変わらず選曲。以前書いたのだけど自作のコンピレーションからの抜粋なので選曲のテーマ等あるわけではない。聞きたいものを聞いている。今また聞きたいからという感じ。


Everyone's World Summit (50K Listen Special!) - CaptainComedy

ラップを中心とした、すごくたくさんの曲のマッシュアップ。様々な音が入っていて、入り乱れていて。ゲームの音や音楽も入っている。ものすごい爆発力でセンスがよく、最初からそこにあったようにまとまている。上記のリンクからたどればどんな曲を使っているかもCaptainComedyさんが詳細に書いているし、ラップが何を言っているかも同様に書いてある。至れり尽くせりだ。これはとても音楽が好きなんだという素朴な感覚を呼び起こす。はちゃめちゃで爆発しまくっているようなサウンドだが、その奥にはとても丁寧な音楽に対するリスペクトがあるのではないかと思う。


Twilight Race - □□□

□□□の初期の曲。今もずっと好きだけどこの曲は運転するときにぴったりな曲ってイメージ。曲名がTwilight Raceだからかとも思ったが、そうではなく繰り返されるフレーズの洪水、ずっと聞いていれば止まらなくなってしまう。体が動き出しビートを刻む。それが車だったらアクセルと足がくっついて一体化してしまう。MCの部分がどうだとかそういうのは関係ない。この曲すべてが今動かしている体をさらに激しく動かし始めるというか。この爽快感はなんだろう。何がどうというわけではない、どこかにある話だろうがアルコールもニコチンもカフェインも、ドラッグなんていらない。この曲を聞くだけでトリップしてしまうから。


Wir Tanzen Im 4-Eck - Stereo Total

Stereo Totalというと入り口はプラスチックスのカバー、I Love You, Oh No(Stereo Total盤はI Love You Ono)からだった。どこかで耳にし気に入ってStereo Totalに興味が出たという感じだ。この曲もエレクトロ・ポップでリズムボックスとシンセベース、チープなシンセサウンドが軽快で気持ちいい。歌のフランソワーズ・カクタスさんの、いや歌というより声もハマっている。上記のマッシュアップと比べたら物量は雲泥の差。それでこのキマった感じ。そしてこれもまた素晴らしいのだ。考え抜かれて作られたのかノリで作っているのか楽しい仕掛けも聞こえるし。でもボーカルのフランソワーズ・カクタスさんは今年の二月に他界されたよう。まだ若い。しかし歌は、曲は、残る。いつまでも聞かれ続けるだろう。みんなの中に居続ける。


Stereo - Pavement

最高。誰がなんと言おうとカッコよすぎる。なんだか気のないボーカルかな、と思うと陰鬱な爆発をする。電気ギター二本も自由すぎる演奏をしてるなと思っても、一気にギュンギュン鳴りはじめる。その二つの表情、そして左右二本分の四種類の音を愛さずにはいられない。ドラムも面白いフレーズを淡々と叩いているのに情熱を感じる。だけど全体を覆う退廃感が心を動かし体を動かし脳に印を残す。思わぬところから出現する電子音も電飾のように輝いて聞こえる気もするが、どこか退廃的。そんな彼らのこの曲を最高以上にどう評価すればいいだろう。いやそれはできないな。最高だから。
余談だがビデオのMatador Recordsに懐かしさを感じた。PIZZICATO FIVEがアメリカでリリースしたのがこのレーベルで輸入盤を買ったものだ。時代なのだろうか。それも懐かしかった。


Freaking Out The Neighborhood - Mac DeMarco

マック・デマルコさんを知ったのはやっぱり細野晴臣さんのHoney Moonのカバー。そして細野さんを好きと公言しているというので興味を持った。何年か前、つい最近のことだ。曲を聞いてみてとてもいい。世界を一周してここに戻ってきたような、そんな感じ。この曲も同じだ。彼のギターは優しくて心に響く。彼の声はとても優しい。コーラスは深い場所から響いてきて漂う。リードギターのリフがかっこよくて夢の中で溶けてしまうような。そんな曲。


ハッピーエンドがやってきた - セラニポージ

自分にはよくあるパターン。ゲーム音楽、セガ、これである。この曲は最高のゲーム機の一つ、セガのドリームキャストの名作ROOMMANIA#203の原案、シナリオやサウンドを担当した佐々木朋子さんであり、ゲーム内アーティストで後に現実にCDをリリースしたセラニポージでもある。曲が始まった瞬間から繰り返される特徴的なフレーズにウキウキするようなベースが載り、弾け、様々な音が展開する。そのフレーズは少しアヴァンギャルドなサウンドで、その上に流れ続ける音声は昔の映画の音声をコラージュし散りばめたような感覚を憶える。そしてリフレインのスパイラルに落ちてゆくようなそんな感覚を楽しんでいる。


前回、前々回





どこか沈んだ、そんなたそがれ時には、疾走感あふれるような、爆発するような、優しいような音楽に包まれたい。時は止まらず迫ってくるけど、音楽と一緒なら進めるかな。


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