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030_誰がこんなもの発明したんだろう?

柄にもなく、商品レビューを書いてみます。

世の中には特に派手に宣伝していないのにベストセラーになっているものがいくつかあります。カローラワゴンやハイエースなどの業務用車などがそうですね。

カローラワゴンは最終型までマニュアル車がラインナップされていたと記憶しています。私は過去にそれに乗っていましたが、後輪のサスペンションがリーフリジットになっていて、その部分だけ昭和時代でした。今はワゴン車でリーフリジットは絶滅していて、マニュアル党としては寂しい限りですが、東南アジアでは今でも元気に走っていると思います。

日本では絶滅したと思いますが、某国では健在です。

さて本題ですが、そんなに優秀でもなく、美しいわけではなく、愛されているわけでもなく、しかしベストセラーになっていて、それ故に多くのユーザーに支持されているものがあります。

銃器で言えばカラシニコフAK47がそうでしょうか。読書量が圧倒的に少ない私は、過去にこの銃の開発者であるミハイル・カラシニコフの自伝を読んだ事があります。このアサルトライフルは、全くもって新しい銃器のコンセプトの代名詞になりました。粗野で性能や命中精度は劣り、扱いやすいとは言えない代物ですが、発明国のソ連から拡散して、多くの途上国や民族紛争で活躍しました。

そのAK47をなぜか暗喩している(と私だけが思っている)掃除機があります。マキタCL107FDSHWです。

多くの現場で支持されているのですが、その独特の風貌や雰囲気が、不思議と掃除機に見えないのです。

まず、胴体から銃身のようにパイプが出ていますが、このバランスが完全に銃器を連想させる事と、その下に細いアタッチメントが保持できるようになっていて、その位置が銃剣をイメージしているとしか思えないのです。

極めつけは着脱式のバッテリーと、蓋を上部に開閉してのダストパック交換です。清掃員はスペアのバッテリーとダストパックを携帯して作業をしますが、それらの交換の動作が槓桿を引いたりマガジンを装着したりという、まさしく歩兵の小銃手です。

誰がこんなものを発明したのでしょうか?

この掃除機は、多くの駅で構内の清掃に使われています。広いロビーなどではコードのついた大型の業務用掃除機を使いますが、階段や狭い通路などではゲリラ的な清掃員が軽快にこれを使用し、ピンポイントでゴミを吸引します。

なぜAK47が支持されるのかというと、局地紛争や民族対立で大型の火器や高価な兵器を持てない貧困な途上国では、歩兵の機動力が大きな戦力なのです。安価で多く行き渡り、構造が簡単で補給が容易な銃が、まさに途上国の実情にマッチしているという事でしょうか。
それは途上国のみならず、ロシアのウクライナ侵攻でも同様です。まさか同胞が開発したAK47が猛威を振るうなんて考えもしなかったでしょうね。※

現場のプロに信頼される。理屈は単純で意外とハードルが高いこの要求に見合うのは、ダイソンのコードレス掃除機でも、アーマライトM16でもないという事なのです。

※ウクライナ軍で使用されているのはAK47ではなく、その後継であるAK74であると思います。しかし相当数のAK47も残存しているという情報もあり、不確定です。

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