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一筆書き / 雑記

 一筆書きっていいましても、絵なんかの、ああいった筆先を一度も持ち上げずに一息で書ききる方ではございませんで、ここでゆう一筆書きいいますのは、っと、その説明はやっぱり後回しにさしてもらいまして、ここはひとつ辛抱して聞いて欲しいなと思うてお願いするわけですが、まあ、この一筆書き、絵の場合と似てるっちゃ似てますけど、似てないっちゃ似てないんで、あんまりそこをあとからヤイヤイ突っつかんといてほしいんですけども、僕はこの一筆書きがなかなか好きでして、気持ちええゆうたらええのか、心地ええゆうたらええのか、たまらん気持ちになってくるもんで、せやけどなかなかうまくいかん時もやっぱり人間あるわけで、今回も出来がええゆうたら嘘なるなと内心では思てないこともなく、はあ、さて、どうしたもんかなと考えながら、今布団に横になったんですけど、そうしてしまうと、なんやもう、どうでもええ気になってきまして、いっそのこと寝てしまおかっちゅう気にもなってきまして、かと言ってそれをしてしまうと、なんぼなんでもナマクラですから、なんとか踏ん張ってみるわけですけど、それでもやっぱり、一日の疲れがですな、こう、ドッときまして、瞼が重ぅなってきて、耳元で、寝てしまえ、もう寝てしまえ、ってもう一人の僕がしきりにわめくもんですから、けどそれって身体の声ですから、ここは素直にそれを聞き入れることにしましてですね、ぼちぼちこの一筆書きを終わりたいと思うんですが、最後に明かしておきますと、ここで言う一筆書きとは、ワンセンテンスのことですぜ。

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