見出し画像

「はじまりはいつも雨」にかかるフック

ASKAの曲にはフックが散りばめられていると
思った事があります。釣り針や仕掛けといっていいかもしれません。それを最初に感じたのは、この「はじまりはいつも雨」。

それは感動とか共感とはまたちょっと違う。違和感や疑問の様な。あれ?なんだろ何かひっかかる…そんな感覚です。



君に逢う日は 不思議なくらい
雨が多くて
水のトンネル くぐるみたいで
しあわせになる

「はじまりはいつも雨」を初めて聴いた時に思いました。雨が嬉しい事ある?って。水不足などで雨を願う時もありますが一般的では無いはず。


当初はCMで一部分のみ流れたこの曲ですが、ASKAは雨のイメージを逆手にとって聞く人々を振り向かせたのでしょう。
なぜ雨が降ると幸せなのだろう?CMを見た人は楽曲をフルで聴いてみたくなったはずです。



愛の部品も そろわないのに ひとつになった 

「恋愛って幸せでこんなに楽しいのかと思った。」いつかASKAがインタビューで語っていた事です。


好きな人が出来て、雨が幸せに思えるほど愛し合っている。それなのに愛の部品がそろってない?何がそんなに気がかりなのか。愛じゃ足りないものって何だろう。不思議でなりませんでした。
その足りない部品とは何なのか…距離、時間、立場、年齢、お金、将来、、、


いろいろ考えるうちに自分の恋を思い出しました。部品が足りなかったから私は恋を失ったのか。なら最後の恋は満ち足りていたのか。
フックの刺さった場所から思い出が吹き出すのが分かりました。今もその穴は埋まっていません。



君の景色を 語れるくらい
抱きしめ合って

幸せなフレーズを聞きながら、あれ?ってなりました。雨の中、何度も逢瀬を重ねて抱きしめ合う2人。恋をするっていいな。何て幸福な場面なんだろうと思いつつ感じる微かな違和感。


抱きしめ合う…それって同じ景色が見えないのでは…。そうじゃなくて後ろから包んでるのかな…でもそれじゃ抱きしめ"合う"にならないし…。
2人で過ごす時間の長さを例えてるとか…?
好きな人と愛し合うにつれて同化してしまう比喩とか…?


思考がぐるぐる巡ります。これもASKAのフックにまんまとかけられているのでしょう。どの憶測も予想の範囲を超えません。答えが出ないまま私はもうこの曲から離れられないのです。


***

最後に、
ここまで書いて、私はASKAの歌詞が本当に大好きなんだなあと思いました。当然、楽曲の素晴らしさはそれだけではありません。多くの人達によってメロディ、歌詞、コード、アレンジ、歌唱、様々な分析がされています。


私もあなたもみんなASKAの仕掛けたフックに引っ掛けられてぽーんと手のひらに乗せられ踊らされずっと離れられず。幸せな事です。


まだ見つかっていない仕掛けもあるのかもしれません。これからも新たな発見と共にこの曲は愛されていくのでしょう。ワクワクしますね。


結びに、
「はじまりはいつも雨」発売30周年おめでございます。これからもこの素晴らしい歌が聴き続けられます様に。心から応援しています。



追記:

ここまで恥ずかしくも何様目線で書いてきましたが、

君の名前は優しさくらいよくあるけれど

って聞いて、
さては、ASKAの彼女「優子」ちゃんって名前だなー!ぐふふふ♡とか思っていました。すいません。でっかいフックで殴ってくれ。




#ASKA #はじまりはいつも雨を語ろう #30周年 #音楽 #はじまりはいつも雨 #90年代

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?