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娘ちゃんの成長プロセス④ ~視覚支援が効いた!~

娘ちゃん成長プロセスのレポート第4弾。
A先生が勤務先の病院で開催した保護者向けの講座が、思いがけず娘ちゃんの大成長を導いたようです。

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自閉スペクトラムの診断を受けた子どもの保護者を対象に、病院で視覚支援を学ぶ講座を開きました。
視覚支援を実践するいろいろなホームワークを出すのですが、その手間が親にとってどのくらいなものか、娘の理解力はどのくらいかを試してみようかなーくらいの気持ちで、講座参加者と一緒にホームワークに取り組んでみました。


娘は予定変更でパニックになるようなことはなかったので、カレンダーを使って予定を示すことは必要ないかなと思っていました。

ところが、カレンダーを導入したことで劇的に安定し、日々の緊張感が減ったのです。

カレンダーの導入
娘は髪の毛を洗うのが大の苦手です。
私が「いつ髪を洗う?」と聞けば本人は「明日洗う」と言いますが、娘はまだ3歳1か月。
明日が今日になることを分かっていません。
翌日になれば「明日って言った!」と言い、洗髪を避けようとします。
約束しても意味がないと分かりつつも、「『明日洗う』って言ったよね」と押し問答していました。

そんな中、講座のホームワークでカレンダーを使うことになりました。
日にちが左から右へ一列に並んでいる巻物のカレンダーで、“今日”を示す枠が一日ごとに右にずれていくものです。
そこに洗髪する日をマークで示しました。
そうしたところ、娘は“明日が今日になる”ことを3日で理解しました。
そして髪を洗う日を約束できるようになりました。
洗髪が嫌いであることは変わりないのですが、”仕方ない”と受け入れるようになったのです。
先延ばししようと自分でこっそりマークをずらす、なんていうこともできるようになりました(笑)

曜日感覚をつかんで安定
私たちは意識せずとも”平日5日会社や学校に行けば2日休日”ということを理解していますが、まだ3歳児年少さんの娘にはまだ曜日の感覚がありません。
毎日のように「今日は(園に)行く?今日はお休み?」と訊いてきました。
ですが、カレンダーで保育園に行く日/お休みの日を示すと、自分で確認でき私に訊かなくなりました。
保育園が一週間終わった金曜の夜は大喜びし、明日から保育園という日曜の夜はどんよりすることはありますが。
行事や連休についてもカレンダーを見て確認できるようになりました。

カレンダーを使うようになって半年で大分変わりましたね。
それだけ保育園が緊張するものだったのだなというのも改めて感じました。

大人が思う以上にカレンダーをよく見ている
保育園のお迎えに行くのがパパ/ママをカレンダーに示して伝えていて、毎週水曜日はパパがお迎えに行くことがパターン化して慣れて文句を言わなくなっていました。ある日の水曜日、お迎えがパパであることをカレンダーに表示し忘れていて、当日朝にパパのお迎えであることを伝えたところ、「カレンダーに書いてない!」と、大パニックになってしまいました。

もうカレンダーを使わなくても大丈夫だろうと思っていたけれど、娘はこんなにもカレンダーを見て、頼りにしていたのかと気づかされたエピソードでした。

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カレンダーのような視覚支援は、本人の理解や納得を助けるものであるけれど、なぜそれに価値があるかといったら、不安を減らし安心感を守ることができるからなんだと思い出しました。

A先生は、娘ちゃんとの今を大事にしながらも常に将来のことも考えています。多くの子どもたちとの出会いを通し「母が理解して子どもを守るだけでは思春期以降が大変」「思春期以降、信頼できる大人と関係をつくれることが大切」と、よく話されます。


お母さんや家族との間で作ることのできた安心感を、その外の世界へと持ち運ぶのを助けるのが視覚化や構造化の支援なのだと思います。
自分の安心や安全をモニターできてそれをちゃんと守れることは、発達障害界隈の話題に限らず、すべての人に通じるものかもしれません。
そのことに子ども時代から向き合っている娘ちゃんのような人から学ぶことは本当に多いなと感じます。

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