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「ピクルスの原理」ってなに?

「ピクルスの原理」

この名前に改名してから約半年が過ぎた。
そんな今でもこの名前は大変気に入っているし、
我ながらこのネーミングセンスは素晴らしいと思う。
でもなぜこの名前に至ったか?
詳しく解説することもなかったので、
疑問に思っている方もいるかもしれない。
noteをやってる折角の機会且つ既にネタが尽きたので、深掘りしていこうと思う。


遡ること1年前の4月6日。
YouTubeで「TIMER」という1コーラスのMusic Videoを公開したのと同時に、
僕は"岩見洸希"として活動を開始した。
この名前、本名のある部分を変えてこの名前になった。
本名で音楽をやるという覚悟を持ってやりたかったし、尊敬する星野源さんが本名ということで、
何より親から授かった名前で頑張ってやりたかった。
だから少しもじってこの名前にした。
しかし、この名前で揺らぎつつある自分に気づく。

あれ?インパクトがないな…


散々、本名で音楽やる覚悟だの、
星野源さんを尊敬してるだの、
親から授かった名前でやりたいだの、
良い話にしてお涙頂戴展開にしようとした自分の頭を盆栽でかち割りたい。

でも実際その通りだった。
俯瞰的に見ると、
そのMVがおすすめに出て来ても見ようとは思わない。
グッと引き寄せられるような要素がない。
サムネイルと動画名に観たくなる要素がないと、
肝心の曲も動画も、その人の目に耳に入ることがない。

恋愛と同じだ。
基準は人それぞれなのは前提としても、
ある程度の清潔感や雰囲気、
更には顔面偏差値が無いと、
そもそも中身を見ようとは思わないのだ。

これはまずい。
僕は慌てた。

そして重い腰を上げた。
当時MVを制作するのに参加していた、
僕の親友3人と緊急会議を取り行った。
僕は生唾を喉にグッと流し込んだ後に言った。

「改名させてください」



その瞬間好きにしろという目で、3人やれやれという
雰囲気でこちらを見ていたような気がした。
どんな名前にしようかと4人で話し合っていたら、
親友Aが


「こういうのはさ、何か好きな食べ物とか物事の名前を組み合わせたら良いんちゃう?」


という救世主みたいな提案をしてきた。
すると、僕は10秒かからなかった静寂を切り裂いた。

「ピクルス」



今思えば運命だった。
ここまで何の脈絡もない運命があるんだと思った。

だって、ついさっきハンバーガーを食べた訳でもない。
そもそもピクルスなんてマクドナルドのエグチくらいでしか食べる機会がない。
何ならマクドナルドのピクルスしか食べたことがない。
でもどこかで好きな食べ物の名前として、
ロケットのように頭の中へそれは浮上してきた。

とは言えピクルスと言った途端、急に恥ずかしくなって「なんちゃって…」と言おうとしたら、
3人ともの「ええなぁ…」が部屋中にこだました。

「(ええんかい…)」


それから帰り道にピクルスと何かの言葉を掛け合わせては、これ良いねイマイチだねの議論をしていた。
候補としては

・ピクルスマフィア
・カタクナピクルス
・ピクルスチョップ
・pop pickles
・pickles Club

などがあったものの、どれもしっくり来なかった。


新年の元日から改名しようと思っていたものの、
そのままクリスマスが終わり、
大晦日に向かおうとするそんなある日。
美容院で待っている時に閃いた。

「(ピクルスって名前ついた事象とか論理とかってないのかな…?)」

半ば無いだろうという気持ちでGoogle検索した。

すると、

プレスコットのピクルス原理 (Prescott's Pickle Principle)

「漬け水がキュウリに漬かるよりは、キュウリが漬け水に 漬かるほうが早い。」
これは、「長いものには巻かれろ」という 世渡り術指南の、ちょうど逆を意味する。
すなわち、大きな仕組みに影響を与えようとして、接触を続けている小さな個(自分)は、結果として、むしろ自分の ほうが変えられてしまう可能性が高い、ということを警告している。

DTI「心に留めておきたいこと」

やけに腑に落ちた。

運命ってこんな所に落ちているんだなと思った。
実は小さい頃から誰かに影響を与える人になりたいと思っていた。
今の言葉で言うインフルエンサーってやつだ。
それは有名になるってことも含まれているけど、
有名無名限らず、僕の周りに良い影響を与えられる人でありたいと子供ながらに思った。
でも今思い返してみれば、
影響を与えられていたのは自分の方だった。

常にやりたいことを尊重してくれている家族。
誰一人として蔑むことなく応援してくれる友達。

紆余曲折あったもののこれまで生きてきた中で、
影響を与えられ、そして変化していったのは自分の方だったんだと気づく。
僕というキュウリは、
周りの人という優しい漬け水に漬けられていた。
こんな大事な言葉に辿り着く過程の中に、
ふと溢した「ピクルス」という言葉が頭の中にひらひら落ちてきたことに、これ以上の運命はないと思った。
と同時にこの原理を背負って音楽を、
そして人間をやっていくと強く思ったのを覚えている。

そうなると「ピクルス原理」になるはずだが、
なぜその間に"の"を加えたのか。
これは、

ピクルス→カタカナ
の→ひらがな
原理→漢字

の3字体で構成されている。

僕は日本のアーティストであると宣言しているように見えたし、"の"を入れることで少し可愛い感じも加えられて、これに決定した。

こうして僕は岩見洸希のソロプロジェクトとして、
2023年1月1日に「ピクルスの原理」を発足させた。



こうやって振り返ってみると、ピクルスという言葉ひとつでここまで壮大な話になるなんて思いもしなかった。
もう定着したかのように「ピクルスさん」と呼ばれることも多くなった。
「ピクルスさん」って呼び方がシュールで面白いし。

コンピレーションアルバムの企画に初参加した時は、
現にいろんな方々自分の名前を知ってもらえた。
その要素の一つに、この「ピクルスの原理」というインパクトのある名前があったのなら。
僕は自分で自分を褒め称えることが出来そうだ。

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