エッセイ | インベーダー

 ふとした時に、何でこんなことを思い出したんだろう?、と思うことがある。今日は何の脈絡もなく、インベーダーゲームと思い出した。
 アタマもコンピュータと同じで、バグることはあるけれども、きっとインベーダーを想起させるような出来事を見聞きしたのだろう。

 普段だったら、そんなこともあるね、くらいで深追いしないのだが、今日は私にインベーダーを想起させたものの正体を考えてみた。
 朝から今までのことを1つ1つ思い出していたら、昨日・今日話題になっているニュースを思い出した。戸田市の中学校で起きた事件である。
 前から猫の虐殺がワイドショーやニュース番組で報道されていて、嫌な気分だった。動物の虐待は、人間への攻撃に繋がることが多いからだ。
 猫のことと学校への押し入りは、一報では関連づけて報道されていなかったが、案の定、同一犯の仕業のようだ。
 実際に起こってしまった事件とインベーダーというゲームと同一視しているわけではないが、類似点はあるのだろう。どこか対岸の火事的な意識があるのかもしれない。そういう自分に嫌悪感を覚えた。

 こういう事件が起こると、防犯カメラを設置するとか、警備員を常駐させるとか、訓練をするとか、セキュリティの強化が論じられることが多い。また、「動機の解明が待たれます」のようなことが言われたりするが、「動機が解明されました」という報道は見たことがない。
 「承認欲求を満たすため」「力を誇示したいため」「社会への怨みつらみ」という理由は何回も聞いた。

 本当の動機なんて、犯人本人にもわからないものかもしれないが、「理解できませんねぇ」とか「あり得ませんねぇ」といった、安直な反応をするのでなく、犯人といえども、きちんとコミュニケーションをとって、理解しようとする努力を続けたいものである。
 セキュリティを高めることだけを重視すると、学校自体が収容所のような場所になってしまう。解放された空間を維持するためには、時間はかかっても動機の真相を解明することが最も大切だと思う。怪我をされた先生の回復を祈る。


記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします