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Liella!ユニットシングル楽曲のスゴさをメロディーから考察・解説してみた

※太文字部分だけ読んでもだいたいわかるようになっています。
 細文字まで読めばよりLiella!ユニット楽曲が楽しめます(多分)
 画像は宣伝、3期は必ずやるから座して待て(重要)

はじめに

 タイトルの通りなんですが、「Liella!の曲めっちゃ良いよね」って声は溢れてるんですけど、もう一歩踏み込んで「この曲のこういう所がいいよね、すごいよね」ってやり取りをみんなでしたいなと思って書きました。

 バンドのファンなんかはよくこの曲のここメロディーがどうだとか、リフが良いよね、みたいなのをやってるんですが、ラブライブ楽曲にはそういうやり取りが少ないかなって。

 僕もニワカで大した知識があるわけじゃないんですけど、楽曲を語るにあたって別に知識や用語なんて必要ないんです。雰囲気が伝われば問題なし。

 お互いにここ良いよね、って話をしないほうが遥かにもったいない。

 っていうことで、とりあえず僕が良いな、すごいなと感じた部分を、なるべくわかりやすく書いてきます。解説内容や解釈とか違ってたらすまん。その時はぜひ教えてください。

※全曲だと長文すぎることが確定したのでとりあえずA面のみやります


CatChu!

『ディストーション』:CatChu!らしさを体現するBメロに注目


はい。前にリリースした曲とは打って変わって明るい楽曲で、MVのあまりの可愛さに脳を溶かされたオタクも多いでしょう。僕もその一人。溶けた脳をかき集めて書いています。

 さて、一見明るい雰囲気で進んでいくこの楽曲ですが、CatChu!と言えば揺らぎのある等身大の女子感や泥臭さがウリ。35秒の「限りのない~」から雰囲気がガラリと変わりますよね。掴みどころのない、ふわっとした感じを受けると思うんですが、

このBメロこそがこの曲のCatChu!らしさの最たる部分だと主張したい!

 楽曲のギター伴奏(コードとも言います)の雰囲気が変わり、歌詞もちょっと不安な感じがするところもそうだし、何より「限りのない」の部分のメロディー、何かすごくもやっとするような、不思議な感じを受けませんでした?

 これ、音の並びが特殊(5音あるうち、全て隣の音同士で構成されています。そして、基本的に隣同士の音は仲が悪い)で、本来なら曲の雰囲気に合わない音も混ざってるので不安定に聞こえるんです。伴奏・メロディー・歌詞が噛み合って、Bメロで「CatChu!らしい歌詞の揺らぎ感」が演出されている。

 もしAメロ~サビまで明るいままで進んでいたら普通の曲なんですが、Bメロに一発フックをかますことでサビが何倍も明るく聞こえてくるんですよね。こういうテクニックがまたアニソン(キャラソン)らしさともいえます。
 CatChu!らしさの裏側に、いくつも仕掛けがひそんでいますというお話。


KALEIDOSCORE

『ニュートラル』:緻密で工芸品のような完成度の名曲



 いやー、この曲フルで聞いたときはビビりました。あまりにも完成度が高すぎるってのが第一印象です。個人的にはここ最近の各シリーズ全体の中でも突出して好きです。かなり量が多いので、いくつか項目を分けて説明していきます。

①全シリーズ中でもトップクラスに攻めた歌詞のワードチョイス


 まずはこれ。前作「ベロア」に似た系統の歌詞ですが、生々しさが増してすごくリアルなんですよね。その中でも、作詞の宮嶋さんがぶっちぎりで攻めたなというのが3:17あたりの「うざいほど」という歌詞。

 衝撃を受けました。スクールアイドルは清廉潔白な存在で、今までのラブライブには極力ネガティブなワードは出てこなかった。アニソンに限らず、こういうワードって配置をミスるとただ汚いだけの言葉になるので扱いが難しいがゆえに、ロックやパンクはともかくJPOPではあまり聞かないんです。


 それを間奏終わり、盛り上がるここぞというところであえて出してきた


 「うざい」ってワードはものすごく頭に残るんだけど、リーちゃんの儚い歌い方もあって初めて許される。丁寧に歌わないとダメ、っていう指導も入ってそうなくらい慎重な歌い方。結那の歌声では力強過ぎるし、キャラ設定的には恋は言わなさそうなんで、リーちゃん(クゥクゥ)が歌うために用意されたのかな、とすら思う。
 宮嶋さんとLiella!の間に「この子はこう歌うだろうな」っていう信頼関係がないとできない荒業です。

②万華鏡のように変化していくメロディー

 二つ目はこちら。1番のメロディーは聞いての通りですが、2番から少しずつ変化していきます。

①Aメロ2:06「いつも真面目に~」1番と聞き比べると少しだけ音程が違います。

②Bメロ「くるくると変わる心模様~」連符系のリズムに変化。タタタタタ、っていうリズムが気持ちよく、まさしく万華鏡の回転みたいで、歌詞もドンピシャ。

③2番サビ、まさかの半分カット。歌詞の「近づいた途端離れてく癖に」がカットされてしまうメロディーとリンクしてる気がします。

④間奏明けのラストサビ、「壁を作らないで~」「反対側のホーム~」1番と比べると音程が高くなってます。

 こんな感じで変わっていくのですが、少しずつ変わっていくメロディーがまさしくカレイドスコープ。メロディーの変化分は音程が高くなっているので、2番以降の歌詞も相まって楽曲がどんどん盛り上がっていくように聞こえるつくりになっています。

そして最後、サビが終わったと思ったらまさかのCメロ!

 このCメロ、比較的ゆったりとしたここまでのメロディーと違って、1センテンスに対して音数が増えてる(わかりにくくてごめん)ので気持ちの高ぶりからくる切迫感を感じるんですよね。そこが感情の爆発を表現している、まさしく怒涛のラッシュ。スタプラかよ。

曲の中で積み上げてきた変化が全てこのCメロの爆発に帰結する。故に泣ける!

痺れるような美しさの楽曲構成!

 こんな感じで、歌詞、歌い方、メロディーの変化、楽曲構成の全てがうまく噛み合ってこの楽曲が存在しています。個人的にはラブライブシリーズ楽曲の中でも、アニメなどのストーリーを背負わない曲の中ではトップクラスに完成された楽曲かなと思ってます。

5yncri5e!

『Jellyfish』:ユニット甲子園ver.で魅せた3つのアドリブに迫る

 最後はこちら。スタイリッシュでアーバンなEDMといったところ。
 一見するとK-POPっぽいんですが、本場のLE SSERAFIMや、最近デビューした韓国色の濃いME:Iなんかと比べてみると実はバリバリJ-POPです。

 K-POPの特徴はメロディーがやや平坦でリフレイン(繰り返し)する箇所が多く、聞かせる、というよりも「激しいハイレベルなダンスで魅せるための曲」が多いのですが、JellyfishについてはAメロ、Bメロ、サビ~という構成で、それなりにメロディーに動きがあり聞かせるパートがしっかりとあるのが違い。ラブライブのウリは基本かぶせなしの生歌歌唱なので、「ダンスもあるけど歌をしっかり聴かせる曲」というのが、本場K-POPとの違い、J-POPらしさと言えるかなと。

 軽く解説したところで本題へ。

 ユニット甲子園で披露された本曲はあまりにもかっこよすぎて衝撃的だったと思いますが、そこに音源との違いをいくつか見つけたので、比較しながら音源verとライブverの良さを説明したいと思います。(2番以降は間に合わなかったごめん)
 Tiktokにライブverがアップされてるのでそちらも改めて見ましょう。

@lovelive_official

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♬ オリジナル楽曲 - ラブライブ!シリーズ公式 - ラブライブ!シリーズ公式


 早々に主題から逸れちゃうんですが、イントロのさくちゃんのHum…から。明らかにライブverのほうが艶っぽくて上手い。あっさり裏声出してますが、これだけ瞬時に、かつきれいに出せるキャストは全シリーズ中でもほとんどいないんじゃないかな?
 明らかに物事の飲み込みが早いんですよね。天才なのかもしれないどころか確定で天才です。Liella!に入ってくれてありがとう。

①「無邪気にBang Bang~」のK-POPフレーズ化


 ここは一番わかりやすいポイントですね。音源では可愛くラップしていますが、ライブではK-POPみが増しています。多分さくちゃん担当かな。語尾の音程をグッと引き上げるのはK-POP(韓国語)の特徴ですね。
 しかしこのアレンジ、あてはめた音程が完璧であまりにも上手すぎる。さすがにボイトレの先生とかのアドバイスだと思うんですが、もし自分達で考えていたとしたらバケモノ過ぎて怖いです。

②「そう 最高の気分~ラグーン」えもパート


こちらはラップも兼ねてるので少しわかりにくいかも。でも聞いてみると音源とライブverと結構音程が違うんですよね。音源はあくまでクールな感じだけどライブverは「~ラグーン」が明るく終わってるので高揚感を感じる

③「守ってみせるわ」なこパート


 ここも一音だけ違いがあります。「守ってみせるわ」、歌い方としては「守ってみせるわあ」ですが、この「わあ」の部分。音階で表記すると
「み/せ/る/わ/あ」は、音源だと「ラ/シ/ラ/ド/シ」で、「わあ」が「ド/シ」と音が並ぶと渋くてかっこいい感じに聞こえて、かなりクールな印象を受けます。これ、ドの音は本来ならこの曲にあまり合わないんですけど、ちょっと味変で突っ込むことで逆にかっこよく聞こえるっていうテクニックを使ってます。
 一方、ライブverでは「わあ」が「ド#/シ」となっていて、この音の並びだとザ・正統派という感じですんなり耳に入ります。サビへの盛り上がりに勢いよく入れる感じ。
 ちなみにこの味変、いざ歌うとなるとめちゃくちゃ正統派のド#に引っ張られるのでそこそこ練習が必要です。

 ①、②、③と、実は音源とは違ってライブverはクールな印象より正統派に盛り上がりへ特化してるアドリブとなっています。
(正直な所②、③についてはミスかもしれないけど、あまりにも堂々としてたのでアドリブ扱いにしてます。結果として盛り上がるならOKです)

 ダンスだけならず、歌でもしっかり魅せてくれる5yncri5e!の末恐ろしさと言ったら…そもそも初披露時から早々にアドリブかましてくる度胸がヤバい。2番以降もどう変わってくるのか…まだまだ成長していくだろうし、ファンミが楽しみですね。

終わりに

 つらつらと語ってみました。相変わらず長い。でもこれでも時間が足りない。

 解説するとか言っといて作曲などの知識があるわけではないので、実際は感想みたいだけど楽しんでいただけましたでしょうか。

 カップリング含めると本当に2万字くらいいっちゃいそうなので、今回はA面のみとさせていただきました。B面についてはX上でぽつぽつと語れればいいかな…ラブライバーたちの「俺はここが好きだぜ!」みたいな話を聞きたい。音楽なんて自由に語ってなんぼですよ。
 
 CatChu!が短く感じるのは気のせいです。本当はサビのベースの動きが良いよねとかコード感がどうだのやりたいんですが、いかんせんわかりづらいのでBメロに絞りました。

 引き続き、Liella!並びにラブライブシリーズを応援してこうぜ!仲良く!以上!

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