【月刊pic-step8月号】ミルラ先生インタビュー
こんにちは。月刊pic-step編集部です!
この度は、イラストレーターのミルラ先生へのインタビューを公開いたします。ミルラ先生のイラストに対する思いや、人となりについて伺っていきます!どうぞ最後まで楽しんでご覧ください!
ミルラ(Myrrh)
アナログの水彩画の手法をデジタルアートに融合させ、独自の色彩感覚を生かした作品を得意とする、フリーランスのイラストレーター。
ミルラ先生の描く温かみのある淡い色合いの作品は、見ていて心が穏やかな気持ちになります。ミルラ先生は、具体的にはいつごろから絵を描き始められたのでしょうか。
中学生の頃から夢はイラストレーター
ーミルラ先生はいつ頃からイラストを描かれていますか?
ミルラ先生:幼稚園の頃から絵を描くのが好きで、絵が上手な4歳上のいとこのお姉さんの影響でよく描いていました。その影響で中学生の頃には、イラストレーターになる夢を持っていました。
ー実際に夢を実現できたんですね。素敵です!
ミルラ先生:でも、高校の頃に絵が上手くてもプロになれない方がたくさんいる現実を目の当たりにしていたため、一旦は一般職に就職しようとして、大学では法律関係の勉強をしていました。
ーそうだったんですか。その後、再びイラストレーターを目指すことを決めるきっかけはありましたか?
ミルラ先生:法律の勉強をしている一方で、本当に心から楽しむことができないことに対してストレスを感じ、とても辛かったんです。当時は親の期待に応える仕事を選ぶべきだと思い込んでいましたが、ある時点で自分が本当に追求したいことは絵を描くことだと気付きました。そこから自分の好きなイラストの道を歩む決意をしました。
大学卒業後は、アルバイトをしながら美術研究所で1年半ほど絵の基礎を学びました。その後児童書の挿絵のお仕事(※)をいただいたのがイラストレーターとしての最初のスタートでした。
※ペンネーム別名義
遠回りをして色々な経験を経て、最終的に絵を追求する道を選んだミルラ先生。ファンの皆様から寄せられた質問にお答えいただきました。
ミルラ先生:いつもありがとうございます。私が絵を描くうえで、こだわっているポイントは、自身が心地よさを感じる色合いや、全体の雰囲気を大切にすることです。色彩理論などは考えず、色を選ぶ際にはイラストを、目を細めて見て、自然と頭の中に浮かんでくる色を直感的に選んでいます。この方法によって、イラストがパターンに囚われず、自由に表現できるようになりました。
直感的に色を選ばれていたのですね。では、ファンの方々も心をつかまれた先生の美しい作品を実際にご覧ください。
イラスト1:「愛に沈む」
鮮やかな色彩と、光に包まれた透明感のある女性の美しさが魅力的ですよね。ミルラ先生ならではの唯一無二な色彩感覚が、見る人の心をグッと引きつけます。
ー今の淡い感じの色使いや、スタイルを始めたきっかけはありますか?
ミルラ先生:最初は透明水彩でアナログ絵を描いていましたが、その手法をデジタル制作にも応用したいと思ったのがきっかけです。自らスキャンした素材や水彩のテクスチャを活用することで、アナログの風合いを保ちつつ、
水彩画のような雰囲気を演出しています。
ー先生のアナログ作品もぜひ拝見してみたいです!
ミルラ先生:それが今は手元にないんです。以前、ミニマリストに影響されていた時期に、アナログの水彩画作品を手放してしまいました。
ーそれは残念です。先生の作品は、美しく飾って楽しむ、芸術作品だと思います。
ミルラ先生:ありがとうございます、とても嬉しいです。私の一番の思いは、作品を見てくれた人に幸福な気持ちを提供したい、という想いで活動しています。私自身が幸福な感情を持ちながら制作することで、作品を見た人も同じように、幸せな気持ちを伝えることができると信じています。規模は大きいですけど、将来的に私の活動を通して、世界平和へ繋がれば嬉しいと思っています。
ー素晴らしい考え方ですね。当社でも、イラスト制作の際はいつも楽しみながら取り組むことを心掛けています。
ミルラ先生:とても大事ですよね。描き手の感情はイラストに影響を与えてしまうので、心が暗く落ち込んでいる時には、作品も暗めの印象を受けることがあります。私が目指すのは、人生をかけて幸せな人を増やすこと、なのでこれからも楽しみながら活動していきます。
イラスト2:「泣きたい気持ちは花霞に溶かして」
キャラクターの感情が表情から伝わってくるような作品ですね。花びらが舞う様子が作品に動きを出していて、とても魅力的です。
ー非常に美しい作品ですね。まるで心の中の美しい側面を描いているような印象を受けます。
ミルラ先生:ありがとうございます。作品を通じて、誰もが持つ心の内側にある、美しい心の一面に気づいてもらいたいと願っています。
ー素敵ですね。先生の作品は細部まで描かれているようですが、完成するまでにはどのくらいの時間がかかるのでしょうか?
ミルラ先生:そうですね、正確な時間を計測することはしていませんが、以前メイキングの仕事をした際に、やや複雑な絵には約40時間かかったことがあります。体感的には平均して30~40時間ほどかかっていると思います。
ーそうなんですね。ちなみにミルラ先生の名前の由来について教えていただけますか?
ミルラ先生:以前使用したアロマオイルの「ミルラ」(※)の香りが印象深く残っており、その香りと文字数が3文字で覚えやすそうだったことから、その名前を選びました。
※ミルラ:古くから薫香、お香として使われてきた樹脂。木の深みとクリーミーな甘さに、野生的なムスクの要素が加わり、複雑で自然なスモーキーな香りが特徴。
ー先生の作品は、香りを感じさせるような印象がありますね。今のお話しを聞いてしっくりきました。イラストの概念が変わりました。
ミルラ先生:ありがとうございます。ミルラという名前にしてよかったです。作品と調和する香りを一緒に展示するのも素晴らしいアイデアかもしれませんね。
「ミルラ」という名前は、先生の作品の雰囲気に完璧にマッチしていると思います。
イラスト3:「えへへ☺」
女の子の優しい微笑みが、温かい色彩と調和した作品です。見るだけで心が癒され、優しい感情に包まれます。
ー先生の作品は見ていて本当に癒されます。先ほどのお話にもありましたが、どのようにして幸福な気分を維持されているのでしょうか?
ミルラ先生:常に心地よさを感じるように意識して過ごしています。日常のストレスやネガティブな感情には対抗せずに受け入れ、包み込むことでその気持ちが私の中で支配的になり、心を安定させることができます。気持ちと対立すると亀裂が大きくなるので、無理に気持ちを切り替えず、受け入れるのがコツです。
ーなるほど、受け入れるのがコツなんですね。先生がイラストを制作する際に、辛いと感じた経験はありますか?
ミルラ先生:デビュー初期には絵柄合わせの仕事など、理想の絵を描くことが難しかった時期があり、辛く感じたこともありました。絵を描く楽しさを一時的に失ってしまい、一度仕事を辞めることもありました。その後、仕事を辞めてからは趣味でもある一人旅で、タイへ行って3か月間の休暇を取りました。その期間中に自分自身に向き合い、再び絵を描くことに意欲を取り戻しました。この過程で楽しさを取り戻し、日本に戻ってから働きながら絵を描く活動を続けていました。
ーいろいろな経験をされてきたようですね。先生のスキルアップのための練習方法はどのようなことをされていますか?
ミルラ先生:人物の描き方や顔、そして美術解剖学における筋肉や骨の構造を学んだり、プロになる前は特に練習に励んでいました。重要なのは、自身のスキルを向上させたいという強い意欲です。デッサンの基礎や復習といった課題に取り組むことは、苦労を伴うこともあるかもしれませんが、好きなことに対する情熱がある限り、自然と取り組むことができると思います。
ー確かに自分の好きなことなら、困難でも取り組むことができますよね!
最後に、ファンの方から寄せられた質問にお答えいただけますか?
ミルラ先生:質問をいただき、ありがとうございます。子どもの頃からゲームが大好きで、当時流行していた作品はほぼプレイしていました。特に、『幻想水滸伝II』というゲームは非常に印象深く、プレイ中に感情が高まって涙が流れたこともあります。
ーそうなんですね!ちなみに影響を受けたイラストレーターの方はいますか?
ミルラ先生:特定の人がいるわけではありませんが、有名なイラストレーターの作品を幅広く鑑賞していました。興味を持った作品を詳細に観察し、自分が何に惹かれるのかを考え分析し、その過程で得た要素を組み合わせて、自分だけのオリジナルな描画スタイルを追求しました。
最後に
ー先生の今後の目標はありますか?
ミルラ先生:都市の風景に大きなイラストが飾られたり、巨大な広告に描かれるイラストも手がけてみたいと思っています。
ーファンの皆様へ、メッセージをお願いします。
ミルラ先生:幸せな気持ちを人にも伝えたい!という思いで活動しています。私の作品を見て「幸せな気持ちになりました」と、伝えていただけるのが一番うれしいです。いつもありがとうございます。
ミルラ先生のインタビューは、いかがでしたか?活動を通して人々の幸福を増やしたいという先生の思いに触れることができる貴重な経験でした。今後も、見るだけで幸せな雰囲気が感じられる作品がたくさん生まれることを楽しみにしています。
ミルラ先生この度は本当に、ありがとうございました。
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よろしくお願いします。
次回もお楽しみに!
インタビュー:大森 康政/林 真一
記事:林 真一
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