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一人で祝う誕生日

今日は誕生日の前日。

自分の誕生日を自分で祝ってみた。

誰かに祝ってもらうんじゃなくて生まれてきた自分を、自分でお祝いするのも良いかなと思った。

自分のためにお花を買った。

おばちゃんがオマケでラッピングと栄養剤を多くくれた。

一番最初におめでとうと言ってくれた。

うれしいな。

帰り道、雀がビルの前の冷たいタイルの上で死んでいた。

通り過ぎようとしたが、なんだか落ち着かない。

周りの目を気にしながら、この人良い人ぶってるなと思われないか気にしながら、

新しく買った花瓶を包んでいた新聞紙を剥いで

もしかしたらまだ生きていて、びっくりして飛び立つんじゃないかと思いながら、そっと持ち上げる。

すぐそばの草むらの上に置いた。

ーーー

前からヘッドホンをした女の子が歩いてくる。

泣いていた。

顔を真っ赤にして袖で涙を拭っていた。

あんな風に泣けるのが少し羨ましい。

お花一輪あげたらよかったかなと思った。

ーーー

三十年以上続いた理容室が閉店していた。

いつも見るけど入ったことは無かった。

外のガラスには派手な髪型をした外国の女の人のポスターが、日に焼けて薄くなっていたのを思い出す。

今日から俺は!に出てくる床屋のような内装だった。

近所の神社で(なぜか鳥居だけが突っ立っている)日頃のお礼をしに行った。

みんなの幸せも願った。

自分誕生日おめでとう。
いつも頑張ってくれてありがとう。

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