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おもわず姿勢をただしたBGM@カフェ ☕️

(ライター:M)

仕事をしながら、リラックスタイムなど、BGM として皆さまはどんな曲を聴きますか?本日は、ちょっとだけ専門的な角度からのお話♬

レストランやショッピングモール、その他の公共施設、私たちはいたるところでBGMと共にすごしています。BGMは、いわばより快適にすごせるためのサービス。が、一種の職業病、専門職としては基本的に「聴き流す」ということがむずかしい耳と意識のつくりになっていて、「さりげなくスルー」はほぼ不可能の域。どういうことかというと ▼

聴き流すのではなく聴きとってしまう

のです。漢字でいえば「聞く」ではなく「聴く」、英語でいうところの、Hear(聞く)ではなく、Listen(注意深く聴きとる)の感覚ですね。

これ、実は仕事以外のシーンではなかなか厄介なことも。たとえば、一日たっぷり音楽づけ(練習、レッスン指導、コンクール審査など)になったあと、訪れたレストランでクラシックが流れていると、耳や意識が全力で覚醒。まして、それがピアノ曲(専門分野)となると、さあ大変。

この演奏スバラシイな。誰の演奏だろう?ここ、たしか楽譜にはレガートと書いてあったはず。そういうアプローチするんだ、なかなか面白い。フォルテの音がかたいのが残念だな。もうちょっとテンポが遅いほうがいいような... 楽譜に書いてあるテンポ表示はなんだったかな。でもこれはこれでありかもしれない。もし自分だったらこう弾くかな...

▲こういうことが、エンドレスに脳内で始まります。しかも、無意識に。もはや、食事どころではありません。

過去の経験でもっとも印象深いのが、見しらぬ土地での仕事のあと、リラックスしようと、たまたま見つけたカフェへ。カフェといっても、いわゆる昔ながらの喫茶店ふうのお店。外から内装をのぞいて、落ちついた雰囲気のソファにお洒落なコーヒーミルやカップが並べてあるのが見え、「ここならリラックスして寛げそう」と入店。

注文を終え、快適なソファに座りながらお洒落な内装を眺めながら飲みものを待っていたそのとき、突如としてはじまったのが、まさかのこちら ▼

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第5番「皇帝」

ベートーヴェン。しかも「皇帝」のコンチェルト。おまけに、ライブ感満載、盛大なボリュームで流れてきました...

一瞬でソファの背もたれから体を起こして姿勢をただし、身も心もシャキッとひきしまってしまい、急いで紅茶をのんでお店をあとにした、という笑いばなしのような経験。(素晴らしいピアニストとオーケストラによる名盤であることは一瞬でわかり、マスターのこだわりには感服)

今年2020年は、ベートーヴェン生誕250周年です。( 個人的にもっとも敬愛する作曲家)過酷な運命に屈することなく傑作を生みだしつづけた精神に、ただただ畏敬の念。

ベートーヴェン:交響曲 第5番「運命」


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