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腱鞘炎なのにピアノを弾き続けた結果



今年に入ってからありがたい事に演奏の仕事(伴奏)が急激に増え、譜読みやら合わせやら、音大生に戻った様な生活を送っていた。

短期間でソナタ等5.6曲、(譜読み1ヶ月、合わせやレッスン各4回程)
まぁまぁがっつり、体力勝負な曲のばかりだ。

私は大学時代、自分のソロに集中したかったという事もあり、これまで伴奏をあまり引き受けてこなかった。


その為、任される曲全てが譜読みからのスタート。

譜読みと聞くと、
目が疲れそう、覚えるの大変そう、
なんてイメージかもしれない。

それももちろんそうだが、
私は譜読みの期間、主に身体への負担を感じる。

身体の重心が偏り、左右どちらかの腰が痛くなったり、(高音部が多いと右側に負担が)
楽譜にがっついて練習する為、無意識に前かがみで頭だけが前に出ている状態になる

覚えることに集中している為
身体、姿勢への意識が遠ざかる

そして初めて会う人とのアンサンブル
レッスン帯同
それぞれ数回ずつ

本番も何回か

今思えば、慣れないことに身体の緊張状態が続いていたように思う


普段自分の曲でさえ、演奏や練習の際は姿勢に問題が無くとも多少身体に負担がかかるのに、
緊張状態で練習、合わせ、本番が続いていれば
どうなるかはわかっていたはず


しかし1度引き受けた以上はしっかり演奏しないと
私にとっては何曲もあるうちの1つだけど
その方達にとっては大切に練習してきた1曲なのだから

そんな思いや、もちろん自分の演奏に対するプライドもあり
演奏を上手くごまかしたり、
上手く手を抜く事が許せず、出来なかった

これが私の音楽に対する向き合い方、私なりの敬意の示し方、だ

短期間でアンサンブルに順応出来るレベルに仕上げなければいけないプレッシャーが続いた



全ての本番が終わるまで残り1週間

あと2つ、伴奏とソロの本番が残っている

その頃にはかなり右手に疲労が溜まっていて
既に痛みに耐えながら演奏していた


1件の合わせが終わったあと、
今までに感じた事の無い痛みに襲われ


小指、親指側筋肉、手首、腕の痛みや痺れが一気に押し寄せた

「辞退」
一瞬頭をよぎったが色んな人を巻き込む事になってしまう為、耐えるしかない…!


病院では注射が出来ないか相談をしたが、
痛みが1箇所では無いため出来ないそう

結局、湿布と塗り薬、ロキソニンで耐えることに…

お陰で本番は痛みに耐えられたが、皮膚の感覚がどんどん鈍っていき演奏は納得のいくものにはならなかった



演奏の機会を全て終えて以降、1ヶ月ほどピアノを弾かないで過ごした

私生活で少し忙しくしていた為、全く使わないという訳にいかず、、

「しばらく弾く仕事も無いし、まぁいっかぁ」

少しの動きでは痛みを感じなかった事もあり、
私生活では普段通り手を使ってしまっていた


腱鞘炎を舐めていたと思う


それから数週間経っても痛みは引かず、、

生徒に見本で軽く弾くだけで直ぐに痛みが走り
ボールペンすら持てなくなっていた


そうなってからやっと
「動かさないで生活をしなければ治らないかもしれない」
「このまま悪化してピアノも弾けなくなってしまうかもしれない」

事の重大さに気がついた

それでもかなり悩んだ末、
数ヵ月後に請け負っていた伴奏の仕事を断り、
その他やらなければいけない事を全て一旦ストップする事に
(決断する以前に請け負ったお仕事はやり遂げます)

自分自身の為にやらなくてはならない物事が、
自分自身のせいで進まない、、


自身の音楽、人と、自分との向き合い方に
たくさん悔やんだが
そうも言っていられない



まず、病院はネットで調べて口コミが良さそうな所に行くだけでなく
これまでお世話になった師匠らに事情を説明し
手の専門外来を紹介して頂いたり
師匠の実体験を伺ったり、

ご心配をお掛けして申し訳ないと感じながらも、結果的には腱鞘炎をきっかけとして
最近はあまり交流が取れていなかった師匠たちと繋がることも出来て、どこか嬉しさも感じていた

そしてご紹介いただいたうちのひとつ、
とある整体へ行くことに。


サイトを拝見したところ、
失礼ながら怪しい…

師匠曰く
「これまでコンクール前の生徒が何人もお世話になっているよ」とのこと

藁にもすがる思いで急遽そちらへ。

向かう途中、

タクシーの運転手さん
「一見怪しい建物だけど、評判は良いよ。」

ちょっとワクワク?してきた…!


建物の前に到着。
タクシーの運転手さんが言っていた通り
プレハブで出来たなんだか大丈夫?と、思ってしまうような外観。


中に入ると、スピリチュアル系の本や見た事の無いアロマグッズ等 独特な雰囲気が漂う

先生は5、60代の男性

まずは少し離れた椅子へ座らされ、症状を話しながらこちらの身体の状態を見ている様子
話を簡単に終え、直ぐに施術が始まった  

ベッドへ仰向けになり、
まずは今どのくらい首が回るか、肩に違和感があるか等確かめていく

先生
「痛みの細胞を私の手の中へと吸い取ります」
「これを治します」

!??

首の後ろを揺らしたり、肩周りに軽く触れるか触れないかの力加減でシュッシュッと払ってい

目を閉じていたのでよくわからなかったが
施術後に先程と同じように首を回したら、、


違和感が消えている!
催眠術か何か?
それともそう感じるだけ?

疑問は残ったまま施術は徐々に痛みの中心である手首へ

先生曰く、手首が原因ではなく前腕に原因があるそうで
先程と同様、軽く触れるだけの施術に加え
前腕の痛みの原因である部分を先生が見つけ
そこを押さえてもらいながら手首のストレッチ(これが激痛)


先生「今日で60〜70%は良くなりました。2日
程安静にして、またピアノを弾いてみて」
「また機会があったら来て」

最後まで不思議?疑問が残ったまま
あっという間に30分ほどの施術が終わった


今のこの症状で、何もしないよりはいっかぁ…

半分観光気分で帰路につく

諦めかけていたその時、
もう既に感覚が変わっていることに気がつく

手のひら側に目をやると、
親指筋肉の腫れが引いて、痛みも感じなくなっている…

どういうこと?笑

翌日はストレッチの影響か、
手の外側薬指〜腕の筋にかけて痛みがあった
これは感じたことの無い痛み



そのまた次の日からは、
日を追う事に痛みが減ってきている

今は動かさないように最新の注意を払って生活している事もあってか、
痛みは多少残り少し動かすとまだ駄目だが、
何もして無い時に感じていた痛みが無くなってきていて
かなり改善してきているように思う
あれだけ痛かった手が、短期間でこのまま治ったとしたら
怪しげな先生に感謝、
そしてご紹介いただいた師匠に心から感謝を伝えなければ…!




私が感じたこと


腱鞘炎にかかわらず
限界と思うまで頑張りすぎないこと

1度立ち止まってみて、自分と対話することの大切さ

頑張って無理して続けられたとして
その時は、その一瞬は結果を出せたり、
輝かしい瞬間が見えるかもしれない

けれど
そんな一瞬、目の前の結果や目的だけに囚われていると
心も身体も壊れてしまうことがある

時に手遅れになることだってある

周りがそうだから自分もそうしなきゃ、
周りにどう思われるか怖いし、頑張らなきゃ
頑張らなきゃ、認めてもらえない

そう思って必死に頑張ることが出来るあなたはとても立派で、強く素敵な心を既に持っている

けど、それは本当に今自分が必要としていること?
本当はどうしたい?
誰もが予測できない未来で、誰と、何をしていたい?

人生は「今」の積み重ね
そして「今」だけじゃない

大人だからって1人で頑張る必要なんてない

時に周りに頼っても良いよ
出来ないことがあっても良い

それは弱さなんかじゃなくて
恥ずかしいことでもなんでもない

「少しだけ、助けてほしい」を伝えられること
私は強さ、だと思う


偉そうにすみません

そして長々とお見苦しい文章、お許しください


全ての物事は、学びであると改めて感じております

私にとって身体を大切にすることは
1度学び終えたはずでした

けれど、学び終えていなかった

是非反面教師にしていただけたらと思います…!




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