サイバーセキュリティは「公衆衛生」という話
みなさん、こんにちは。
3回目の投稿です。
いちおう「情報処理安全確保支援士」(登録セキスペ:RISS)なので、そっち方面の話も書いていこうかなと考えています。
その第1回目として、「サイバーセキュリティは『公衆衛生』」になってきたというお話をしたいと思います。
1.サイバー空間って何?
もう人口に膾炙しているように思う、「サイバー」という言葉ですが、まあ大雑把に「インターネットの」とか、「インターネットを使った通信」のことを指す言葉だったりします。
ただ何となく語感だけで使われているような場面もあったりするようですが、みなさん「サイバー空間」ってどのようなものか、イメージできますか?
「サイバー空間」とは、
「デジタル化できるものに限る」という条件付きではあるが、「物理的な距離とその間の移動に必要だった時間が消え、移動のためにかかっていたコストが必要ない」、現実世界とは異なる新しい世界。
なんです。
なんとなく、イメージはできましたか?
2.距離の壁とは?
現実世界では、今この瞬間にも国内外問わずいろんなところで事件や事故、災害が起こり、また感染力の強い伝染病が流行したりしています。
でも直ちにはわたしたちの日常生活に影響を与えることはありません。
(もちろん、戦争とかで穀物や物資の輸入が止まって食糧不足になるとか、物価が上がるとか、そういう間接的な影響はありますが・・・)
これがいわゆる現実世界における「距離の壁」というものです。
「サイバー空間」にはこの「距離の壁」が存在しないのです。
現実世界では多くの面でわたしたちを守ってくれていた「距離の壁」が、「サイバー空間」ではなくなって、「サイバー空間」で発生するありとあらゆるトラブルや、世界中に散らばっている悪意ある人たちが、「サイバー空間」につながる「パソコン」とか「スマホ」とかを介して、わたしたちのすぐそばに存在するようになったのです。
これがどういうことかというと、「サイバー空間」のどこかで起こっている事件や詐欺被害、子供たちへの魔の手、悪意のある人による攻撃、ウイルス感染による個人情報流出といったトラブルが、「パソコン」や「スマホ」を通して日常的に直面する問題になった、ということなのです。
今この瞬間にも、誰でもが「サイバー攻撃」による被害を受ける可能性があるというのが、「サイバー空間」の怖いところだと言えるかもしれません。
3.サイバーセキュリティを「公衆衛生」レベルに高める
そういうちょっと怖いところでもある「サイバー空間」ですが、いまや物を買うにしても、銀行取引をするにしても、お仕事や学習など何をするにしても、「パソコン」や「スマホ」なしには社会生活が成り立たなくなりつつあります。
いわばこれからますます「サイバー空間」の利活用が進んでいく中で、じゃあわたしたちは何に気を付ければよいのか?
それは現実世界にヒントがあると思います。
つまり現実世界では例えばウィルスに感染して病気になった人がいると、病院での診察を受けさせ、ときには隔離して適切な治療を施します。
あるいは予防接種を受けて、なるべくウィルスに感染しないように心がけます。
そうしないと周りの人に感染が広がり、ひいては社会全体の活動が成り立たなくなるからです。
これまでもわたしたちはマスクをしたり、手洗いをしたり、ワクチンを接種したり、上下水道を整備し、家の中や街をきれいにして「公衆衛生」の向上に努めてきたのです。
同様に「サイバー空間」においても、そこに参加するすべての人がセキュリティ意識と、サイバー攻撃に対する防御手段を身につけ、いわば「公衆衛生」レベルにまで高めることができれば、より安全な「サイバー空間」の利用ができるのではないかと思うのです。
「そんなことを言っても、パソコンやスマホを使う人の情報リテラシーに差があるし、どうやって防御手段を身につければいいかもわからない」とか、
「技術は日進月歩。新たな攻撃手段が出てきて、守り方も複雑になりそうで、難しそう」というご意見が聞こえてきそうですが、「サイバー攻撃」がどんなものかを理解し、身を守るために気を付けるべき「ポイント」を抑えれば、それほど難しいことではありません。
みんなで「サイバー空間」の「公衆衛生」レベルを向上できるようにしていきましょう。
【参考文献】
今回の投稿は以上です。
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
「セキュリティ」のテーマはまた記事を上げたいと思います。