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反逆のオタクが『奪還のロゼ』で脳を焼かれた話vol2「アクスタ戦争の敗北!君をずっと追い続ける」

 こちらは前回記事の続編的な内容となっています。まだ読んでいないという方は是非!!
https://note.com/phzes/n/nd45ccf3ba4cd

※この記事には「コードギアス 奪還のロゼ」第2幕のネタバレしかありません。
映画をまだ観ていない方は、読まないことをお勧めします。

今回も例に漏れず、長々とした自分語りから始まるのでレビューを読みたい方は該当箇所へスクロールをお勧めします……

ちなみにディズニープラスにて配信が始まったので、ご覧になられることをお勧めします!(週1話更新)


敗北のアクスタ戦争

 2024年6月1日午後12時。
この日、ついにこの奪還のロゼのトップシークレットであり、
我が愛しの皇サクヤのネタバレSNS投稿が公式より解禁・許可された。



 ついに大手を振って好きで好きでしょうがない皇サクヤを語れる、嬉しい!!!!というささやかな幸せに包まれるも束の間、同日の新たな公式アナウンスに戦慄が走る。

 ラインナップの大半を埋め尽くす皇サクヤ(ラズベリー)グッズ。
解禁された途端にこれかよ……商魂たくましいなコードギアス!!(誉め言葉)
しかしこれは、秘匿された存在であるが故にこれまでグッズや画像資料の類がほとんどなくて苦しんだ私が渇望した補給物資そのものだ(それまではパンフ掲載のキムタカさん修正原画のウィッグ着脱シーンを読み返して、自分を癒していた)。

 喜んで買わせてもらいます

ーーだが、ここでとある可能性に気づく。

「これ、売り切れる可能性とかある?」

私が1幕を鑑賞をしたのは公開初日から1週間ちょっとが経過してからだが、その時点ではパンフレットなどを始めとした劇場物販はまだ豊富に並んでいた気がする。
公開規模や劇場に足を運ぶ層が狭い(言い方悪いですけど)などの問題があるのかな…と分析するのだが、
率直に『皇サクヤ』に人気が読めないと、その時思っていた。

解禁以後、皇サクヤのファンアートはSNSを中心に投稿され続けており、その事実は私を更に喜ばせ浮かれさせるわけなのだが、その時点では分からない。

ネタバレに配慮するギアスファンのお行儀の良さ、そして何をやらせても面白く愛されるアッシュ兄さんが話題をさらっていた状況もあり、全く可視化されていないサクヤの人気。

しかし、公式は自信を持ってグッズ攻勢をかけてきている。

「初日に行こうか……」

正直また2週目3週目にゆっくり観に行けばいいや…と考えていた私だが(3週目配布特典ステッカーの『サクラ』を『サクヤ』と誤解していたのもある)

 人気を過小評価してバカを見るのは御免被る。
いや、それ以上に自分が愛した皇サクヤのポテンシャルを低く見積もるなんて、そんな情けない話はないと思った。

意地の問題である。

最寄りの公開館は頻繁に行き来できる距離じゃないけれど、
「皇サクヤへの好き」という自己満足で生きている自分が出来る唯一のこと。

だから、6月7日に私は行ってきた。


 

結果は大惨敗。



「初日に行けば大丈夫」との油断が招いた敗因かもしれない。
午前11時頃、劇場の物販コーナーに足を運んだ私が見たのは見事に皇サクヤだけが狙い撃ちされた焼野原(ちなみにサクラ関連グッズも完売)。

 甘すぎた……数時間の差が永遠の後悔へ誘うとは……。

 しかし、全滅ではなかった。
辛うじて残っていたラズベリーさんグッズなどは保護に成功。

 まだ自分を慰められる……ラズベリーさん、本当にありがとうございます。
あなたという仮面も含めて、私は皇サクヤという人物が好きです。
あなたが残っていてくれたから、私と皇サクヤとの途切れぬ縁を信じられます。

本題『奪還のロゼ第2幕』レビュー

 しかし、グッズを買えなかった傷心状態で映画を楽しめるのか…不安になりながらもスクリーンに入場、着席。
結果から言うとやっぱり作品が面白かったので、(完全ではないけれど)悩みは吹き飛びましたね。
ここからはやや時系列が前後するものの各トピック毎に、自分の感想を語りたいと思います。

ダモクレス攻防戦

 『反逆のルルーシュR2』の最終決戦にて猛威を振るった・天空要塞ダモクレスと最強最悪の核兵器フレイヤ弾頭。
様々な事情がありそれらを有するネオ・ブリタニアが、市街地サッポロゲットーの壊滅を宣言。
ロゼ&アッシュと七煌星団がそれを阻止するために防衛戦を行う…というのが今作最大の見所だろう。

 ハルカ操縦の下、初起動を果たした黒の騎士団製KMF蛍雪。
同じく黒の騎士団より七煌星団へ譲渡された最新量産型KMF雪花。
ダモクレス指揮官に任命されながらも前線に出撃する白のルーク・ディボックの専用KMFエルカルマル。
ディボック指揮下でKMF隊を指揮する黒のクイーン・ナラのクインアスラ。
更にはロゼが搭乗する変形支援型KMF・Zi-アルテミス。

 アッシュのZi-アポロ等の従来機に加え、これら新型KMFが一気に登場しぶつかり合う戦闘シーンに興奮を隠せない。
そして、今回のKMFアクションのMVPは、アポロとアルテミスがエンゲージ(合体)して現れたZi-オルテギアであろう。
 腹に一物あるロゼだが、戦場のパートナーとしてアッシュを誰よりも信頼しているからこその強力な連携が見て取れる。

 そして、個人的にこの攻防戦を見て興味深いのは『パワーバランス』の取り方だ。
レジスタンスの七煌星団と(一応)正規軍のネオ・ブリタニアで人的かつ装備的にも実力が伯仲した描き方がされていると感じた。

 まずは装備。
七煌星団は黒の騎士団から物資の援助を受けこの戦いに挑むが、その中にはフレイヤ弾頭の開発者であるニーナ・アインシュタインが用意した新型フレイヤエリミネーター、更にはダモクレスを覆うシールド・ブレイズルミナスを一時無効化する装備も含まれていた。
これによりダモクレス攻略の難易度が下がっているのは間違いない
(それなりに高度なオペレーションを要求されることは変わらないが)。
 対するネオ・ブリタニアは最新鋭のKMF部隊を配備しており、更にダモクレス…と圧倒的優位に見えるが、
実はこのダモクレス、『オリジナルより性能が劣る予備機』との設定がある。
更に装備されているフレイヤ弾頭の数もニーナによれば『最大3発』との試算が示されており、実際その計算は『ほぼ的中』。
ネオ・ブリタニア側がやや優位といったところだろう。

 そして人材の問題。
作品の性質上、ロゼ(サクヤ)がルルーシュ並みの指揮官ではないか?と思っていた見ていたが「どうやら違う」と、今回の戦いで感じた。
ルルーシュという卓越した指揮官は、周到に練り込んだ計画を戦場で実践。敵のカードも読み切った采配により完勝しようとするタイプだと思うが、
 他方サクヤはそういった軍略面を七煌星団リーダー黒戸にほぼ一任、自身はギアスを使った裏工作や急場での立て直し、更には組織運営を円滑に進めるための助け船などなどーー補佐・参謀役としての知謀を発揮する方向に長けている気がする。
鉄砲玉みたいな本人のアクティブな性格と役職がマッチしているのかもしれない。

「用意周到であるがためハマれば強いが、想定外に弱いルルーシュ」
「精度の高いプランがないため破られるも、柔軟に立て直せるサクヤ」

そんな違いがあると思う。
急場での押し戻しを容易にしているのは強力な戦力アッシュの存在も大きいが…(やはりルルーシュとスザクが組んでるようなチートさ)

 一方のネオ・ブリタニア陣営。
前線指揮に集中していたナラはともかく、全体の統括を任されているディボックが後手後手に回った対応をするという印象がとても強い。
1幕のアインベルクメンバーを見ても思ったことだが「戦略担当」と言われていてもピンからキリなんですね……。

 ルルーシュ、シュナイゼルと言ったような天才指揮官のいない戦場が演出されることによって、それぞれの次の一手に右往左往する互角の緊張が生まれ、非凡が当たり前とされていたルルーシュ時代の戦闘がいかにすさまじいレベルだったのかを物語っているように感じる。
奪還の独自の色としてすごく面白かった。

 しかし、である。
戦闘終盤、黒のルークでありノーランドとも近いアインベルクの重鎮クリストフが戦場に突如現れ、秘匿されていた『3発目のフレイヤ弾頭』をダモクレスへ向けて発射。
ダモクレスはコントロールを失い、ロゼら七煌星団は市街地への被害を防ぐため更なる奮戦を求められることとなるーー

 結果的に人的被害は最小限に抑えられ、結果としては七煌星団の勝利と言ってもいいのだが、恐らく最大の勝者は戦場を外から操っていたノーランドになるのだろう。
 ネオ・ブリタニアの象徴であり切り札であったダモクレスだが、フレイヤの数にも限りがあり、更に技術進歩により優位性を失いつつあることはノーランドも分かっていたはずだ。
あれだけの装備の維持コストはバカにならないだろうし、切り捨てるタイミングを窺っていたのではないか?
それに敵対する七煌星団の消耗も誘えれば一石二鳥……たとえディボックら多くの将兵を犠牲にしたとしても……。

 今回はルルーシュが不在の戦場だと評したが、実は最もルルーシュに近い冷徹なオペレーションを行えるノーランドの存在感も増したと言えるだろう。


アッシュの真実

 第1幕(3話)と同じく、今回も激しい戦闘の後には日常回が……
あぁ……起床するサクヤのずぼらなエロス、浮き上がる突起や可憐なラズベリーさんが私の鼓動を高鳴らせる…

 ラズベリーLOVEなアッシュは今回も張り切ってストーキング活動(スタッフ裏話で確定済み)。先日の戦闘では互いの背中を預ける仲だったのに、連れない態度のラズベリーさん。
ここでなんとダモクレス攻防でKMF越しにアッシュと相対したナラが登場。
なんだかワケアリのアッシュとナラは二人っきりで話すことに…
アッシュの父殺しを疑うラズベリーさんは、あらかじめアッシュに渡した盗聴器でその内容を盗み聞き(途中電波が弱くなったので、メイド服のまま盗んだバイクで走り出す、これぞ本当の“仮面„ライダー)

 要約するとこんな感じ
・アッシュとナラは同じ孤児院出身
・孤児院は暴徒によって焼き払われた
・ゼロ・レクイエム後に平和になったとされる世界だが、
旧神聖ブリタニア帝国の差別政策への反動から世界は『反ブリタニア』へ。
ブリタニア人へ憎悪と差別が集中する世界へ
・身を置く場所がなかったナラは思想に賛同したわけではないもののネオ・ブリタニアへ
・ノーランドはアッシュの養父であり、その関係は最悪(殺人マシーンへと育てられ汚い仕事に従事させられていた模様)。
(サクヤのギアス関係ない)意識的に敵対してるらしい。
・アッシュはサクヤの父・皇重護を殺していない(ナラによる客観的証言)。
「俺が皇重護を殺した」は自責の念に駆られたアッシュによる事実の曲解らしい。

 いやいやいやいや……サクヤは勿論、視聴者にとってもいろんな前提や予想がひっくり返る情報開示だ……。
本人の自白を得ているとは言え、サクヤも半信半疑だった父殺しが明確に否定されたわけだが……どうする?どうなる?

 話し合いが終わった後、ロゼ(サクヤ)はそれとなくアッシュに探りを入れるものの何もなかったと語る。
「好きな人が出来た」と弟に打ち明ける溺愛ぶりを見せていたのに……

冷徹でプロフェッショナルなKMFパイロットのアッシュ
捨て猫を放っておけず保護しまくるアッシュ
ラズベリーさんにメロメロになるアッシュ
養父を憎むアッシュ
重護の死に責任を感じるアッシュ

 彼もサクヤと同じくいくつもの仮面を持っているのだ。
ちなみに3幕予告を見る限り、彼の過去がさらに深く暴かれる模様……耐えきれるのか、俺……

戦うサクラ

 影武者の「皇サクヤ」改め、ネオ・ブリタニア新皇帝『サクヤ・メ・ブリタニア』を演じることとなったサクラ。
第2幕は彼女の動向も大きくフォーカスされ、やはり今後を左右する重要キャラだと思わせられる。
お飾りの皇帝として祀り上げられた彼女だが、とにかく戦いを止めるため、犠牲を出さないために「動こう」とするのだ。
ノーランドに無下に扱われようが、政庁職員に陰口を叩かれようがが、専属騎士に任じられたキャサリンと対立しようがお構いなしに彼女は自分に出来ることをやるべく事を急ぐ
(ちなみにこのサクラの政治手法は、七煌星団に他レジスタンス組織・東の暁旅団、北狼軍を糾合させる際のトラブルで『相手側の面子を立てた』ロゼの組織運営と対照的に見える)。

 サクヤの見立てでは「皇サクヤならばこうするだろうと考え、役割を演じている」とのことだったが、これは過小評価ではないか?と私は思っている。
これが春柳宮サクラの思想であり、本質なのかもしれない。
サクヤが思っている以上に自らの立場を危険に晒してるのも確かだ。

 さてさてそんなサクラだが、今回は湯浴みのサービスシーンが健在。
私の大本命は皇サクヤだが、なかなかいいものですね……。 
しかし、着替えの最中を黒のビショップ・ヴァルターに襲われ、その正体が影武者サクラであるとバレるところで第2幕は終了した。
実はヴァルターは、ナタリアやカークウェイン兄弟と同じサクヤの母シェリーの側近…旧ホッカイドウ組といったところか…という経歴を持っており、
ナタリアと(サクヤを演じている)サクラの会話を見て、気づいたのだとパンフレットにハッキリと記載されていた。

 私の本命は皇サクヤだがサクラも普通に大好きだから、適度なエロはいいけどあんまりヴァイオレンスなことにはならないでほしい…と祈るばかりである。

 ここにきて、最早同じなのは顔だけ。
考え方や行動、そしてCV上田麗奈氏の巧みな演技による喋りで、
全くの別人格だということが浮き彫りになったサクヤとサクラ。
運命のすれ違いは加速していきそうだ。

客演者と新キャラ、ていうか『お前も』……?

 今回もまた多くの新キャラが登場されたので簡潔にまとめていく。


 まずは客演キャラ。
この辺りは一言で言うと第1幕から比べ『反逆』要素がかなり強まっていたと感じる。

・奥さんC.C.と共にまた現れたL.L.(かつてのルルーシュ)
→自身を「世の理から外れた存在」としつつも、
『サクヤにギアスを与えた理由』や『ホッカイドウブロックの戦いに今後も関わるのか?』という質問には曖昧な態度。

 なんかまた出てきそうな気がします。
それとサクヤのギアスの出所は「ギアスの欠片」がサクヤに宿ったためL.L.が回収するかどうかで覚悟を問うた……と思っていたのですが、C.C.の言いぶりからすると『与えた』が確定でいいのかな……?



・黒の騎士団総司令に就任したコーネリア
→皇サクヤがロゼとして行動していることを知りつつ、
『第3次解放作戦』の準備を進める
→第1次、第2次解放作戦の失敗はコーネリアや藤堂が指揮を執れない状況にあったから、との証言が出るも詳細不明。
多分3幕以降か企画進行中のスピンオフで経緯が語られると思う。
姉様、貫録をつけて更に強力な指揮官として活躍しそうな感じ。
 だが「皇帝となった皇サクヤが影武者だと知り、安堵する」=自分の血縁が敵にいると超合集国・黒の騎士団の面々に遠慮が生じるから…という描き方が気になる。
黒の騎士団がサクラを気にかける必要は確かにないが……。


・七煌星団に協力したニーナ
→フレイヤを開発した贖罪が未だ続く…
→日本人への苦手意識・トラウマがあったニーナが、日本人レジスタンスの七煌星団を訪れ協力してるのは大きな成長を感じた。


 なお今作においても『ゼロ』についての言及は一切なく、大きな違和感を残したまま物語は折り返し地点を迎えた。
気になるのは黒の騎士団製KMF蛍雪を見た時のハルカたちの反応。
「エース機っぽいカラーリング」(多分こんな言い回し)として興奮するに留まっているのだが……ゼロカラーとして認識されてないの?と思ってしまう(しかし、この後の項で触れるホッカイドウ特有の事情がもしかしたら関係してるのかもしれない)。

 ここからは新キャラ及び新たに焦点が当たったキャラについて

・黒の騎士団の連絡役・坂井ミナト
→ニーナの護衛役としてホッカイドウへやってくるも、その後は七煌星団と黒の騎士団のつなぎ役となるため残留することに。
→真面目な人間で秘密を抱えることに向かないと判断され、上層部からロゼ=サクヤの事実を知らされていない。
→どう考えてもやらかすフラグにしか思えんのだが……
→私は皇サクヤ一筋だが、ストッキングがめちゃエロい

  • ・生きていたアーノルド・レンク
    →クリストフの人体実験(ギアスを掛けられた兵士への拷問)に立ち会っていた白づくめの怪人として再登場。お前、オレンジ枠だったのか……眼球えぐりはエグイて……
    →3幕予告でもバリバリ活躍。しかし、良くて噛ませで終わりそうな……

    ・アッシュの幼馴染ナラ・ヴォーン
    →高潔な騎士タイプっぽい。民間人を巻き込むダモクレス運用については懐疑的ながらも、作戦に従事。
    →アッシュと一戦交え、本人と核心。ディボックを見限り、部下と共に撤退。
    →アッシュにコンタクト。前述したようなやりとりを行い、なんとかアッシュをホッカイドウブロックの戦いから遠ざけようとするも決裂。
    →見方を変えると彼女はアッシュの「姉」とも言える?
    これからキーマンになっていくだろう。

    ・研究者クリストフ・シザーマン
    →1幕時点でKMFで武器を構えたポーズからアッシュの戦闘の師匠ではないか?と考察されていた人物であり、ノーランドとの付き合いが長いアインベルクの重鎮。
    →ダモクレス攻防戦ではノーランドの名を受けフレイヤ弾頭を使用。ダモクレスを制御不能へ陥らせる。
    →ロゼのギアスにかかった自軍兵士を研究施設で人体実験(拷問)にかけ、
    徐々にロゼの存在へと近づき始めていく…
    →ネオ・ブリタニアが本格的にギアス研究を進めていることが判明したわけだが、『Lの人』が気づいてないとは考えづらいが……

反逆との相違点

 1幕はとにかく『掴み』に特化する構成だったためか、ギアスシリーズ過去作を見ていた人間からすると引っかかる点が少なからず存在していたが、
2幕ではそれらの疑問に対する答えが明示された。
全12話という尺数の短さでは、こういった工夫も必要なのだろう。
しかしこれが私の感じる「反逆との相違点」と直結する要素でもある。

 それはホッカイドウブロックと皇家の情報だ。
簡潔にまとめると
・サクヤの母シェリーはシャルルの長女で本来なら第1皇女として皇位継承権を持つのだが、シャルルの皇帝即位前に重護と結婚したため、皇位を返上(そのため反逆R2にも登場したギネヴィアが第一皇女として繰り上がり。妹であるコーネリアが言うにはサクヤのアクティブさは母親譲りらしい)。
・その後、極東事変・ブリタニアによる日本侵攻が発生。
シェリーや重護の交渉やシェリーの元皇族という立場もあり、ホッカイドウが特別統治区に認定。
他の地域に比べ日本人の自由が認められた土地となったらしい(後にユーフェミアが発案する行政特区はこちらのスケール拡大版といったところか)。
・重護、シェリー共に日本人ブリタニア人を区別せずに接しており、ホッカイドウの人々から慕われていたとのこと。それもあり領主の娘『皇サクヤ』も民から敬意を持たれてた模様。
・シェリーは若くして病死。

 これは反逆時代のファンほど知っておかなきゃいけない情報だろう。
我々のイメージに残っているのは「日本人を差別するブリタニア人」だけでなく、「ブリタニア人を憎しむ日本人」の存在だ。
反逆において、ゼロを演じたルルーシュはこの敵対関係を利用しブリタニアの破壊と復讐を目論んだわけだが、奪還のロゼにおける日本人とブリタニア人の対立はこれとイコールにはならない。

 それどころか、支配されていたとはいえそれなりにブリタニアと共存出来ていた(と思われる)ホッカイドウの民にとって騒乱を持ち込んだ当時のゼロや黒の騎士団を歓迎する心情になかったのではないか?とすら推測できる(この辺りは別媒体で補完されるかもしれないが)。

 理不尽にホッカイドウへ攻め入ってきたネオ・ブリタニアへの純粋な敵意あれど、ブリタニア人に対する風当たりはそれほど強くない土地なのではなか?
世界が反ブリタニアを叫ぶ世界だと語られたからこそ、この土地の特異性に注目しておいた方がいいかもしれない。

 これはサクヤの取り返す・守るという戦いのスタンスにもリンクする。
ニーナとの語らいで「守りたいもの」を語ったロゼは、ダモクレス攻防戦では七煌星団と共にサッポロゲットーの防衛に徹する。

 C.C.以外には「妹を守りたい」という目的を明かさず、ひたすら敵の損害を上積みするため破壊的戦術を取り続けたルルーシュと黒の騎士団。

 ルルーシュの『反逆』とロゼの『奪還』は似て非なるもの。
これも押さえておくべきポイントだ。
また複雑性のあった反逆に比べ、奪還の方がストレートに分かりやすい…という気もするし、新規層への受けも良いのかも分からない。


まぁ自分の回りで奪還のロゼを観ている方は、コードギアス体験者ばかりで本当の新規層はまだ一人も観てないんですけどね(この世界のどこかにはいると思う)。

 またアッシュの項でも触れたように、光和以後実質的敗戦国として差別を受けてきたブリタニア人という要素も反逆になかった要素として注目しておきべき点だろう。
一方的強者が不在なのに差別が渦巻くホッカイドウブロック…
日本人とブリタニア人双方の血が流れるサクヤはどのような光を当ててくれるのだろうか?

第2幕の皇サクヤと3幕予告の話

 ロゼは絶対的信頼のおけるパートナーとして兄アッシュを信頼している。
これはもう演技ではないだろう。
しかし、素のサクヤやそれに近いペルソナであるラズベリーさんになった途端、アッシュに対し距離を取り始めるような印象。つれない。
第2話ラスト、アッシュにかけたギアスの効果を再確認するシーンを除いては、着けた仮面によって思考や感情、態度も左右されているように思える。

 その感情の演じ分けで気になったのが6話序盤。
亡き父・重護の話を黒戸から聞かされるロゼ(サクヤ)の態度だ。
黒戸が話す父の愛された人柄を聞くだけで、娘サクヤとしての思い出は語らず、黒戸の伝聞をただ受け取るだけ。

想像するに、民のために公人(領主)として奔走していたであろう重護と『家族の時間』を持てていなかったのかもしれないし、
年頃の女の子が4年間も会えていなかった家族をどこか遠くに感じてしまう心情も理解できなくはない。
(ちなみにエンディングCD初回限定特典の1話アフレコ台本で、
サクヤの年齢が特定できる記述があるが、まだ公式発表されていない空気を読み、ここでは言及しない)

 ロゼの顔はどこか寂し気に受け流しているように見えたが、もしこれが素顔のサクヤだったらもっと深刻に悲しんでいたんじゃないかな…と妄想してしまう。
まだ父親の死を受け入れ切れてないのではないか?
黒戸から誘われた父親の墓参りをやんわりと断ったのも、父親の死と向き合いたくないからか?
アッシュが父の死にどう関与しているのかもハッキリしていないし、サクラの奪還、ホッカイドウの奪還も彼女は考えなければならない。
10代女子のキャパシティじゃ抱えきれんて……。
サクヤが重護の墓参りを出来るようになったその時が、大きな成長の瞬間かもしれない。
その時、隣に立っているのは……

  


 話があちらこちらに飛んで申し訳ないが、
3幕の予告PVに絡めたサクヤの話もここで…

 2幕……いや既に1幕時点で甘い考えでギアスサクヤの危うさは描かれていたが、クリストフに突き止められ捕縛、ギアス開発の実験台にされるピンチを迎えるらしい。
一言で言うと口封じや隠蔽工作を怠った怠慢だろう(ギアス使用時も変装を用いたり、自害もセットで命令していたルルーシュの用意周到さと比べると顕著)。
ナタリア等の身内には、バレないよう意識していたのに……。
ロゼがギアスで洗脳下に置いたダモクレスの制御オペレーターが「ノーランドから直接命令を受けた」兵士たちによって射殺され、ダモクレス奪取プランが水泡に帰す展開があったのだが、これはノーランドが『七煌星団にギアスユーザーが存在すること』に気づいていた伏線だろう。
皇サクヤではなく、ギアスユーザーとして足が付く…意外な展開に驚きを隠せない。
それも善性により人を始末できなかった甘さが招く皮肉さ……

 更にはアッシュにギアスを掛けた経緯の判明、アッシュ本人にそれを問われるシーンもあるようだ……
超常の力ギアスの清算をついに求められるサクヤ。
彼女は受け止め乗り越えられるのか?
アッシュ、あなたはこの事実を赦せるのか?

物語最大の山場へといよいよ突入する… 


…という予告を6月上旬に見せられ、3幕公開の7月上旬まで待たなければならない生き地獄。
鑑賞直後は「いくら何でも長すぎる……」と夕食が喉を通らないレベルで気落ちしたが、今こうやって長文駄文記事を平然と書いているわけなので、意外と人間なんとかなるものだ。

 サクヤ!アッシュ!絶望のその先の未来へ二人でたどり着いてくれ!

ここから先は読まないでください


 皇サクヤ、あなたと出会って1か月が経った。
私はその間、狂い続けていた。
寝ても覚めてもあなたのことばかり考えていて、胸が苦しくなるし、あなた思い浮かべる度に恥ずかしくなって顔を手で覆い隠す時もある。
キャラクターPVが公開された時なんか、半ばパニックに陥り何度も何度も動いて喋るあなたの姿をリピートした。


 何度見ても『好き』の感情が強く昂ってしまう危険なPVだ……。

 いまネット上ではファンによる考察が盛んに行われている。
私はそれを見て「そうだな」と納得する時もあれば、あなたが悲劇に陥る可能性を見て本気で心配して落ち込む時もある。
序文のアクスタ戦争もその典型だ。
傍から見れば滑稽かもしれない。

 でも今がすごく楽しいと胸を張って言える。
サクヤ、綺麗だったり可愛かったり繊細だったり幸せそうだったり、様々なあなたの一面をファンアートとして描いてくれる方がたくさんいる。

サクヤ、私には気づけなかったあなたの性格や人柄を論ずる人もたくさんいる。

毎日毎日、私の中でのあなたへの想いは膨らむし、私が気づけなかったあなたの顔を他の方から知ることでもっともっと想いが強くなる。
君の話を色んな人達としてて、盛り上がるのがすごく嬉しい。

 多くの人々から愛されてる君が好きだ。
僕もこれからも、もっともっともっと君を愛したい。

 ここからの展開は君とアッシュにはつらい試練の時となるだろう。
多分僕も目を背けたくなる、つらくなると思う。
それでも君とアッシュが未来に向けて歩み、幸せになってくれると信じてる。
僕は、君が幸せそうに笑ってる姿を見てみたい……。

物語の最期を想像するのはまだ早いかもしれない、君が『皇サクヤのまま』でいるかも分からない。
それでも誓って言えることがある。

 僕は、君をずっと追い続ける。

【続報】

え……さーちゃんのアクスタ、買えるんですか!?


To be continued...


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