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【たぶん3分で読める雑記】「天国大魔境」を「仮面ライダーキバ」を通して語る

語りの性質上、ネタバレがどうしても避けられない部分があります。
鑑賞時の驚きなどが薄れないよう極力詳細な設定解説などを避けた文章を心がけていますが、「事前知識0で見たいから!!」と思われる方はここで引き返してください。


しばらく更新もしていなかったのですが、
最近見て面白かったアニメの話をします。

ついでに考察とは言えないけどちょっと面白いかなという話も…
話半分で、リラックスして見ていただけると嬉しいです。

最近見たアニメ

最近見たアニメは
天国大魔境というアニメです。

2023年4月から6月まで放送された作品。

物語が描くのは、

何らかの原因によって文明が崩壊した後の日本で、とある目的をもって旅をする少年少女の物語です。

いわばディストピア冒険譚なわけですが、

ここからがこの作品の特徴、ひいては語りたい部分に繋がる要素

①人食い(ヒルコ)

作品に登場する
文明崩壊後の現代に現れた人々を脅かす怪物です。
敵・ヴィランというよりかは、害獣のイメージかな。

その正体は謎に包まれており、

その強靭な生命力に対抗できるのは、
主人公の少年少女の能力だったり、武装だったり(本論からズレるため割愛)

②特殊な時系列構成

文明が崩壊した日本が舞台…というのは
実は少し正しくない表現。

ディストピア冒険譚の方を『現代(魔境編)』として、
これより十数年単位で『過去の話』と
推定されるのが『天国編』と呼ばれる時系列です。

天国編は完全に外の世界から隔絶された施設の中で生活する
子供たちの集団の物語。

当初この物語は
同じ時間軸の中で描かれた別の場所の物語と
解釈も出来ましたが、

その進行とともに
・天国編では文明が機能している=文明崩壊前確定
・天国編キャラが、魔境編において成長した姿で登場する

という進行により、
過去と現代のタイムラインが
複雑に入り組んだストーリーであることが
明らかになっていきます。

アニメ視聴の場合、
名前が違うものの顔に面影を感じ、
トドメとばかりに
「これ同じ声優だよな……?」
とその正体を察してしまう、という面白い仕掛けにもなっていました。

ここからが、この投稿の本題。


とある段階から
魔境編に登場する人食い(ヒルコ)と呼ばれる怪物の正体は、
天国篇に登場する少年少女たちの成れの果てである
推定される状況、証拠が本編中に出てきます。

かなり割愛しますが
大人の私利私欲にために「人工的に生み出された子供たち」が
天国編の少年少女たちなんです。
その代償として、人食いになってしまう病のようなものを負ってしまった、ということなようで

こうやって見ていくと、
人間の文明が滅びる前後を比較できる構造とあると同時に
怪物として人々に忌み嫌われることを運命づけられた
子供たちの悲しい物語と捉えられます。

ようやく、キバ登場



さて、
特撮ファンの方ならこの時点でピンと来たかもしれません。

2008年放送の特撮作品『仮面ライダーキバ』
こちらと似たような時間構造を
持っていて話題になりましたね。

キバも現代と過去を行き来する特殊な構造の作品であり、
その二つの点をつなげるのが主人公の紅渡(現代) 紅音也(音也)親子。
そして彼らと関わる人間と異形のファンガイアたちです。

ファンガイアとは
人間に擬態しその社会に潜み、
人のライフエナジー(生命エネルギー、吸われたらほぼ死ぬ)を吸収する
恐ろしい怪人です。

が、しかしこれもざっくり言うと、
自らが生きるため、
また決められた掟に従って、
人間を捕食しているという側面があり、

人間を心底憎んでいる、
というわけではありません(一部例外あり)

人間を愛してしまったファンガイアは作中に多く登場します。

が、そういうファンガイアが殺さるエピソードの多いこと…

「人間と相容れない怪物である」
という事実だったり、誤解される悲劇に押し負け、
人を襲ってしまったり、
キバたち仮面ライダーに倒されてしまう展開がほとんど…

過去編で人を襲わないと約束したものの
ファンガイアの本能を抑えきれず倒される者も…
というエピソードもありました。

ファンガイアは人間よりも長命な種族です。
かつて愛した人が年老い、住み慣れた光景は(彼らにとっては)一瞬の間に変わっていく。
時間の体感だけは決して人間と相いれないものがある、と思わされます。


怪物を通して繋がる時間交差型エンタメ


天国大魔境で、人喰いを、
そしてそれになると定められた子供たちを見た時、
自分の中で「キバ」と繋がったんですよね。

当然ながら人食いも、現実社会ではマイノリティーです(元が人間であったという事実を知る者も限られるし)。

ケース毎で違ったりはしますが、時間の経過=自分を受容してくれる環境の変化、で追い詰められていく怪物たち。
ざっくり言うと人食いとファンガイアはそういう共通項を持っていると言えるんですよね。

変わる前と変わってしまった後の2つを切り出し並べられたものを見た時、
間に流れた膨大な時間と容易くはなかったであろう苦しみを想像してしまうんです。
人ではない異形を対象にした推測であり、妄想なので、どんどんイマジネーションが刺激され、何とも言えない哀愁を感じてしまいます。


元々キバにはちょっとした大人の世界の風情というものはあった気がしましたが、より作品の解像度が増したような気がしました。


作品のどちらか、あるいはどちらも見たことがない人には是非おススメしたい2作品ですので、お時間がある時にお試しで見て頂ければと…。



というか1クールの半分以上の8話まで無料配信って…ディズニープラスさんは太っ腹ですね!!


荒唐無稽な語り口かもしれませんが、
今後もこんな感じで投稿を続けていきたいなと思っています。

お題があれば是非是非コメントでください。

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