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フィジカルアセスメントってなに?〜視診・触診・聴診〜


皆さん、こんにちは!てっちゃんこと白石哲也です。

2020年12月1日からスタートした在宅鍼灸師向け月額マガジン「HAMT」のフィジカルアセスメントと運動療法の記事を担当させて頂きます。

この連載では【訪問現場で使えるフィジカルアセスメント】について、ボクの経験も踏まえつつ、お伝えしていきたいと思います。

この連載では、新人在宅鍼灸師いくちゃんと共に解説していきたいと思います。

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1.そもそもフィジカルアセスメントってなに?

バイタル測定と同義で考えている人も多いかと思いますが、若干異なります。バイタル測定は実際に情報を手に入れる手段の部分でしかありません。測定する手段自体はフィジカルイグザミネーションと言います。

フィジカルアセスメントとは、「フィジカル=身体的」「アセスメント=情報」で、患者さんの症状や徴候から情報収集を行い、必要に応じて視診や聴診を行い、患者さんの身体状態を判断することです。

下記の図でイメージすると分かりやすいかと思います。

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皆さんは下記の手順の中で、どこまでがフィジカルアセスメントだと思いますか?

1.血圧を測定した時に「200/120」と表示
2.患者さんの顔色を確認
3.「具合はいかがですか?」と声をかける
4.医師・看護師に報告する

そうです。1-4の一連の過程全てがフィジカルアセスメントとなります。ちなみに、バイタル測定だと1のみですね。

フィジカルアセスメントで重要となるのが、「目的に応じた情報収集」をすることです。フィジカルアセスメントの方法には大きく2種類あります。

1.全身の状態を得る
2.焦点を絞って重点的に情報を得る

1.全身状態を得る

頭〜足先まで全身を系統的に観察し、問題がないかを確認する方法で、主に初回訪問時に実施することが多いです。

2.焦点を絞って重点的に情報を得る

患者さんの症状やアセスメントがの必要性があると判断した症状、その関連部位に焦点を当て確認するために行う方法で、主に、日々の変化を確認する時や症状を訴えている時に実施します。

在宅鍼灸師にとって主に必要なスキルとしては、2だと思います。そのためには基本的なアセスメント方法を理解しておく事が大切です。

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この順番で行う理由としては、心身への侵襲の少ないものから行うためであります。患者さんが疲労を感じている時は、数回に分けて行う事も考慮しましょう。

2.問診

問診とは、患者さんとの会話を通じて、主訴や既往歴などから情報を得る方法で、患者さんとの信頼関係を構築する場でもあります。問診では患者さん本人が主訴と関係ないと思っていることや異常と関係のなことが関係する場合もあるため、「ただ聞く」のではなく、意図的に質問することも大切です。

3.視診

視診は目で捉えた情報からそれだけ有益な情報を捉えるかが重要です。視診からどんな情報を得られたかによって、その先の評価が決まっていくのでとってもフィジカルアセスメントの中でも大切な評価の一つと言えます。

視診は、訪問して患者さんと挨拶した時点から既に始まっているのを意識しておきましょう。
挨拶した時点で見る項目は、視診だけでも沢山出てきますが、イメージしやすいように、実際の臨床の流れに沿って見ていく順番を考えていきましょう。まず最初に挨拶した瞬間から視診は始まります。

⑴全身

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