新世界より

世界の色や形が変わって見えるときがある。例えば、気分が著しく落ち込んでいるとき、逆にとても良い気分のとき。そんな自身の心の様子によって見る景色が変わる。世界を心を通して見ているのだ。春の終わりのような気分のとき、私は世界が暖かく、柔らかい色に見える。たとえそれが真っ白な雪景色でも。夏の始まりは世界が蒼色に見える。蒸し暑くて、灼熱の予感、例えるなら赤色だと思う。しかし、赤色の奥をじっと覗くとそこには鮮やかな蒼が広がっている。暑さの中に涼しさが存在するのだ。
 
 新世界より。

気分の変化によって世界が一変する。つまりそれは新しい世界が日々広がっていくことを意味する。私はそれを新世界と考える。恋、別れ、誕生、死去、朝、夜。その一つ一つが新世界の幕開けで同時に旧世界の幕引きでもある。自身の見る目を捻って違う見方をして見る。するとそこには今までにない新しい世界が存在する。だからこそ世界は面白い。だからこそ美しい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?