三種の神器

ウエイトトレーニングにおけるBIG3はスクワット、ベンチプレス、デッドリフトとされています。
色々な筋を刺激できる、重たいものを扱うことができるということがこの3つがBIG3と言われる理由です。
競技をやっている人だと競技の練習もしなきゃいけない、ウエイトトレーニングもしなきゃいけない、でもあれこれやってる時間はないとの理由でBIG3だけやっているという人もいるでしょう。
時間はあるけどBIG3だけという人もいるでしょう。
それだとちょっともったいないです。
というかBIG3だけやっておけばいいなんて思ってる人もいます。

筋トレというと腕立て伏せ、腹筋、背筋、スクワット(自重)から始める人が多いと思います。
それだとなんだかなぁと思った人がベンチプレス、スクワット、デッドリフトをやったりします。
体つきの変化や扱える重さの変化で「何これ凄い」的な感じになります。
初めて1年くらいなら競技での動き等も変化し、ウハウハが止まらなくなって人にも勧めるかもしれません。
でもほんとにそれだけでいいの?って話です。

BIG3をやっていれば筋力は向上します。
でも強い力が発揮されるのに時間がかかっていては競技の役に立ちません。
陸上短距離で言えば脚が接地している時間は0.1秒と言われています。
その短い時間に強い力が立ち上がってないと意味がないのです。
長い間BIG3だけやってると筋力は向上したものの、力の立ち上がり率(RFD)は意外に低いなんてことがあるのです。
よく言われる筋トレをすると遅くなるというのはある意味正しかったとも言えるのです。
もちろんこれはやり方で変わります。
速く動かせばいいんじゃないかとBIG3をシャカシャカと速くやったりする人が現れます。
これは全くの期待外れに終わります。
上昇局面のほとんどを減速に使ってしまうのです。
100M走で言えばゴール地点を駆け抜けますが、100M地点に壁があったら減速します。
挙上に全力を出してないというか切り返すために途中から力を抜くかブレーキをかける身体の使い方になっているのです。
ではどうすればいいのかというと跳んでしまったり、投げてしまえば良いのです。
でもそんなことをしたら着地の衝撃があったり、バーベルが降ってきたりで大変です。
そこで登場するのがオリンピックリフティングです。
スナッチ、クリーン、ジャーク等です。
簡単にいうと重量挙げです。
これを上手に活用して減速局面のないトレーニングをすれば良いのです。
では重量挙げをやって挙上重量を伸ばせば良いのかというとそんなに単純ではありません。種目によっては意外とRFDが低かったりするのです。
なのでスタート位置やキャッチの高さ、キャッチの有無等を考えて行います。
これらも基礎的な筋力が高い方が強く速く挙げられるようになるのでBIG3等をやっておくのは良いことです。

スナッチ、クリーン等は通常はカウンタームーブメントを使いません。
ジャークはカウンタームーブメント有りです。
クリーンやスナッチをカウンタームーブメントありでやってもいいです。

スプリットジャークは着地の際の前脚の膝の屈曲角度は50度〜60度くらいです。
これは一番力が出易い角度です。
バーベルを脚の力で跳ね上げ、キャッチの際は膝関節屈曲50度〜60度で瞬間に力が立ち上がらないと体を安定させることができません。
遅く力が立ち上がっていては転びます。
スプリットジャークは一番力が出る角度で体を安定させることで知らん間に必要な力を獲得できるというめちゃくちゃ素晴らしいエクササイズなのです。
転ぶどうこうではなくて、ほとんどの競技がこの膝関節の屈曲角度で強い力を必要としているのです。
ジャークも頭上に跳ね上げるには脚、体幹、上肢の力が必要です。
BIG3の出番です。
とはいえ僕はオーバーヘッドプレスをやることが多いですが。

オリンピックリフティングは素晴らしいエクササイズです。
でもそれだけやってればいいってものでもありません。
というわけで競技をやっている人であればBIG3だけではなく、オリンピックリフティングを取り入れてみるのいかがでしょうか。



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